映画「想いのこし」の原作「彼女との上手な別れ方」の感想

2014年11月22日に公開される映画「想いのこし」。

原作の「彼女との上手な別れ方」を早速読んでみましたので感想を綴ってみたいと思います。

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読みやすいけどタイトルから内容は察することは出来ない

最初に読んでみて思ったことが2つ。

小説というと独特な語り口や著者の癖などが読み手に抵抗を与える事がありますが、

これはリアルに使われる言葉で構成され、時には乱暴な文章もありますが、

逆に小説を読んでいる感じはなく、サラサラと読み進めることが出来ました。

 

もう一つは、「彼女との上手な別れ方」というタイトル、どんな内容なのか想像と違ったことでした。

著者は男性なので、男性目線で女性のスマートなふり方などが作品の中に出てくると思いきや、

メインはこの世に未練を残した幽霊のサポートをするという、ちょっと変わった内容。

(確かに恋愛色はありますけどね)

 

交通事故で亡くなった4人は、何故か主人公のガジロウには見えて、更に話すことも出来る、

その幽霊たちとの交流で主人公の心に変化が現れる。

 

そう、ガジロウはまっとうな仕事をしておらず、人を見下した態度や世間と距離を置き、

一生独身でも構わない、金が全てでそれだけで満足という、ひねくれた性格の持ち主なんです。

 

そんなどうしようもない主人公に助けを求めた幽霊達は

「私達のお金をあげるから助けてよ!」と

お金をチラつかせてガジロウに協力を依頼するという前置きでしたが、

幽霊たちが一人ひとり満足して天国へ旅立っていくにつれて、

ガジロウは満足感もありましたが寂しさや孤独を味わうことに。

以前の彼に無かった感情が芽生え始めたわけです。

 

”最低でどうしようもないやつだけど、なんか憎めない”という主人公、

最後は結局”良い奴”で終わっていました。

 

ある意味、原作のタイトルは、「想いのこし」が合ってるのかなと感じています。

 

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少々強引な設定、でも最後はウルっとくる読後感

幽霊たちの”やりたかったこと”を叶えてあげるためにガジロウがやった事の中で

花嫁衣装を着たのには驚いた(笑)

亡くなった彼女の代弁はガジロウしか出来ませんが、

花嫁姿は女性の方で良かったのでは?

 

そしてクライマックスでは女性用の衣装を着てダンサーになるという大胆な行動に。

これは亡くなった女性の息子に訴えかけるためにした行動ですが、

とにかく斜め上を行く内容に驚かされることが多々ありました。

 

でも、幽霊の夢を叶えてあげるまでのプロセスや幽霊たちとの会話で

主人公が幽霊たちに心動かされていく姿や

最後にはホッコリさせるストーリーはハートフルで泣ける一面も。

 

亡くなった4人は人のぬくもりを感じたり、相手も幽霊の存在を感じる事はできませんが、

ガジロウが仲介役としてお互いの存在を感じ合うシーンや、

最後にはしっかりと抱きあうことが出来る場面は感動モノでした。

 

映画「思いのこし」は原作に忠実か

映画「想いのこし」の予告を見てみると、

  • 交通事故で亡くなった4人がガジロウを頼る
  • ガジロウが花嫁衣装を着る(岡田将生くん、めっちゃ似合ってる笑。イケメンは美人になる)
  • ガジロウが女性用の衣装でダンサーになる
  • ラストシーンは幽霊を含めた3人で抱き合うことが出来る

 

ざっと見ただけでも原作を忠実に再現しており、

間違いなく感動のヒューマンドラマに仕上げっているのかなっと思います。

 

幽霊の中でもメインキャラクターを演じる広末涼子。

彼女は幼い息子を残して死んでしまったので、それこそ息子を置いてこの世をさることは出来ないでしょう。

夜の踊り子として子供を養っていたけど、

そのせいで子供はいじめにあい、母親の職業に嫌悪感や憎しみさえも抱いていました。

 

そんな深く傷つき、殻に閉じこもってしまった子供の心を開いてあげるのがガジロウです。

この母子とガジロウの関わりにも注目してください。

最後にはウルっとくるかもしれませんよ。