映画「チャッピー」感想(ちょっぴりネタバレも)、子供の様に可愛くて成長が楽しみ

公開初日2015.5/23(土)に観に行ってきました!

普段、映画を見る時に監督にはこだわらない私ですが、
難民エイリアンを隔離する『第9地区』の監督さんと聞いて密かに期待。

満足度は高めです。

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ジャンルは、↓こんなところかな。
バイオレンスアクション×ロボットSF×コメディ×ヒューマンドラマ。

SF要素とチャッピーの魅力以外に、
ヒュー・ジャックマンが演じる野望にまみれた悪役っぷりと筋肉が見どころです。
鍛えているせいか、若く見えるなぁ。

あらすじ

ギャング達の犯罪を抑制するために作られ、活躍するロボットポリス部隊。

自立して動く従来のロボットポリスは人間の命令通りに動き、
壊れても構わない「銃器」や「盾」がわりの単純性能を警察の仕事に大貢献。

しかし、このロボットの開発者・デオンはついに完成したAI(人工知能)を
さらに試したくて、こっそり廃棄ロボットを持ち出してしまう。

その途中で、行き詰ったギャングに誘拐されたデオンはAIロボットを完成。
誕生したチャッピーをギャングが子育てする事に!
そこに、デオンをライバル視する同僚・ムーアの陰謀も重なって大事件に発展。

ボディ以外は人間と同じロボット・チャッピーがギャング風にすくすくと成長し、
奇想天外なラストに!

チャッピーというキャラの魅力

ヒーローではなく、発達中の子供そのもの。
怖がったり騙されたり、悩んで生きる人間くさいロボット・チャッピーが主人公。

すっかり母性を刺激されました。
可愛くて、頭なでなでしたくなっちゃいました。

お気に入りシーンは、チャッピーが反抗期みたいな仕草をする所!
(左足を曲げて壁にもたれて、創造主の説教に聞く耳持たないシーン)

そんな無垢なチャッピーを取り巻く大人達の欲深い行動…
色々と考えちゃう映画でした。

PG12って、どれぐらい?

犯罪をするギャング(が楽しそう)・気軽で危険な暴力シーンは満載。
(PG12=12歳未満の方は、保護者の助言・指導が必要)

私はギャングの暴力シーンが苦手なのですが、
SF要素とチャッピーの可愛さと成長っぷりを十分楽しめました。

wikiを見ると本国版に比べて一部カットしてあるそうですね。
女性の露出などは一切無いので、その点は子供に見せても安心かな。

※追記、『チャッピー』を観た方からコメントを頂いたので情報を追加しますね。
「(女性の露出は)ほんの一、二秒ですがあったと思います。」

レンタルと映画で違うというよりも、私が見逃してる可能性が高いかも~。

南アフリカのリアルギャングについて調べてみましょう。真面目な話題、南アフリカのギャング

(南アフリカのアパルトヘイト政策により)警察が住民を家から追い出す活動をする中で、自警団的な自己防衛手段としてギャングが登場したのが始まりとされます。

南アフリカにおいて、警察によるギャング排除の戦略はことごとく失敗しており、(中略)ケープタウンは、ギャングに直接起因する殺人事件の数が最も多い都市のトップ5に常に挙がり続けている。
(出典:GIGAZINE

リアルな現状がモチーフになっているのですね。
チャッピー物語も『第9地区』っぽい意味合いなのかも。

↓これをチャッピーに置き換えると…

(脚本家コメントでは)作品の本来の目的は政治や社会への風刺、皮肉ではなく、人種対立の背景を持つ社会に新たな弱者としてのエイリアンを持ち込むという、設定の新奇さを売りにしたエンターテインメントであると語られている。
(出典:wikipedia『第9地区』)

「ギャングの排除戦略にAIロボットを持ち込むという、
設定の新奇さを売りにしたエンターテインメント」ってところかしら。

後半は、ママ・パパのキャストやちょこっとネタバレなど!

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BGMとママ・パパのキャストと日本語

個性的な髪型(生え際)と声(高音)が目立つ、ヨランディ。
軽快に流れるBGMもヨランディの歌声?

日本のタレント・YOUさんを思い出す甘い高音ですが、個性的なファッションと
いう点では歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんを彷彿とさせるキャラ。

そんなチャッピーのママとパパを呼称するヨランディとニンジャは、実際に夫婦!
そしてやっぱり、ラッパーが本業でした。

ラッパーとしても、過激さが何かとお騒がせらしい(笑)。

グループ名は、ダイ・アントワード。
リードラッパーのNinja、サイドラッパーのYo-Landi Vi$$erなど3人組アーティスト。

またNINJAの名前はもとより、PVでピカチューのコスチュームを着て登場したり、曲中に日本語が登場するなど、日本好きと思われる面も多々見受けられる。
(出典:ロサンゼルス発 ジャパラマガジン)

↑それでチャッピーに渡す武器が手裏剣(しゅりけん)だったり、
ニンジャのボトムに「テンション」と書いてあったのかも~。

出演の背景は知りませんが、南アフリカのケープタウン出身だからかな?

この映画の監督さんが南アフリカ共和国出身、
そして『チャッピー』の舞台も南アフリカのヨハネスブルク!
さらに『第9地区』の舞台も南アフリカ共和国のヨハネスブルクですから、
監督さんの南アフリカへの思い入れはかなり熱そう!

似てる作品と、違うところ

私の記憶に濃い、AI(人工知能)を題材にした映画はこちら。

  • スピルバーグ監督の『A.I.』
  • ジョニー・デップ主演の『トランセンデンス』

愛情をプログラムされた『A.I.』の主人公に対して、チャッピーは人間に育てられる事で愛情を理解します。また、静かで夫婦愛の『トランセンデンス』に対しては、賑やかで親子愛なところが大きく違いますね。

それぞれがそれぞれに深くて、どれも好きな作品です。

チャッピーのモデルは、アップルシード

私がチャッピーの顔を見て思い出したのは『機動警察パトレイバー』のイングラム。
コミックを買って読むほど好きでした。

でも、ガジェット通信の監督インタビューを読むと
『アップルシード』から影響を受けている…とのコメントが。

この漫画(またはアニメ)は見た事がないのでピンときませんでしたが、
パトレイバーよりちょい前の作品。
ネットを彷徨うと、もうちょっと前の初代マクロスにもチャッピーの様な耳が!

出所は良く分かりませんが、監督が日本カルチャーのロボット好きなのは良く分かりました。私よりも詳しいのかも。

それから上記以外に似てると思ったのが、
子供向け特撮ヒーロー『宇宙刑事ギャバン』『宇宙刑事シャリバン』。(古い…)
銃を構える警察ロボットの姿を見てたら、なんとなくだけど思い出しちゃいました。

そんなこんなで、愛着のある姿をしたチャッピーをすぐ好きになりましたよ。

ちょこっとネタバレ感想

ロボットと兵器。チャッピー型のロボットは歩く銃器程度の性能ですが、
ムーア(ヒュー・ジャックマン)の考案ロボは戦場兵器レベル。
性能云々よりも、開発者や使用者の使い方次第で凶悪にも正義にもなるという恐ろしさ。

人間の感情や心理を持つAIロボットは最悪の凶暴マシンになる可能性も拭えません。
バグっても怖いし。力があるものが暴走すると恐怖!

しかし、怖がりな私と正反対なギャング達は怖いもの知らず過ぎw。
敵だった見ず知らずの(肉体的に強い)ロボットに立ち向かったり、すんなり信用したり。無法地帯ならではの出来事かもしれませんね。

ツッコミたくなったところは、兵器を扱う会社にしてはセキュリティが甘過ぎることろ。
ラストの工場遠隔操作とか特に。…内部犯行を防止するのは重要事項だなぁ。

それから、ストーリー展開の中で何人か命を落としますが、
ラスト近くの山場でチャッピーの命が危ない所が一番ハラハラしました!
急激に心拍数がガンガン上がっちゃいましたよ。

ロボットなのに…という所は、私の好きなロボット『ベイマックス』に感じる親愛の情と同じですね。

追われる身ですし、チャッピーの心が人間と同じく不安定なところが怖くもありますが、
人類の脅威にならない様にデオンとママにしっかり育てていってもらいたいな。

ラストのその後が見たくなっちゃいます。パート2が出ないかな。