映画「エヴェレスト神々の山嶺(いただき)」感想「阿部さんの名言がかっこ良すぎる!」

公開されて4日たった16日、

「あ、そうだ、阿部さんの映画観てなかったなぁ・・」

ということで平日の朝一番で観に行ってきました。
来場者の数を見ると、やっぱり話題作というだけあり結構な人数です。

今年上半期のベストに入りそうな作品ですからね。
それではどんな内容だったんか早速ご紹介していきたいと思います。

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魅力あふれるキャストたち

↑上の写真のように普段の阿部さんは素敵な紳士というイメージですが
今作は全くの別人と言っていいほど髪はくしゃくしゃ、ヒゲは伸ばしっぱなし
鋭い眼光、そして無口というとても近寄りがたい印象でした。

彼の演技に関しては誰もが認める俳優さんであり、
今作も作品に対する意気込みは半端無く、

「霧吹きで自分を凍らせていた」

と共演した岡田准一さんも言ってましたね。
物語の主人公である羽生丈二は孤独で人を遠ざけるような性格、
人生を山に捧げ、山で死ねたら本望だ!という男です。

初めてスクリーンに登場した時の彼の表情、
日本人とは思えない風貌で「阿部さんハマりまくってるな」という印象。

そしてもう一人の主役・岡田准一さん。

伝説のクライマー(阿部寛)を偶然ネパールで見つけて
カメラマンとして彼を追うというのが物語の主軸となっています。

岡田さんといえば2014年に、「永遠の0」「軍師官兵衛」で活躍されて
まさに当たり年でしたが、今年は今作だけでなく年末に「海賊とよばれた男」にも出演予定。
こちらも注目の作品ですからね、個人的にも楽しみにしています。

さて、彼はアイドルなんですが、これまでの作品を見ると
役者として地位を確立しV6を1人抜けだした感じ。
もちろん他のメンバーも多方面で活躍されていますが岡田さんは特に、ですね。

今作では山岳カメラマンとして阿部さん同様、男臭さが出ており
爽やか青年からはちょっと遠ざかっていますが、「生きてやる、生き抜いてやる」
そんな血気迫る男を体全体で演じているのが十分過ぎるくらい伝わってきて、やっぱり役者さんなんだなと改めて想いました。

彼は役者としてだけでなく、現場のムードメーカーとして
雰囲気作りに一役買っていたとか↓

軍師官兵衛の時もそうだったようですが
役者はただ演じれば良いというだけじゃないですからね。
こういったエピソードを聞くと彼の良い人柄が垣間見れます。

 

エヴェレストの感想

「なんで命をかけて山に登らないといけないんだ・・・。」

普通の人ならそう考えるのが当然なんですが
この物語に登場する山男たちはどうやら違うようです。

高尾山のハイキングが近所の散歩くらいに思えてしまう過酷な登山。
垂直の壁をよじ登っていくわけですからね、しかも雪が降るマイナス30度以上の冬期に。

阿部さん演じる羽生丈二は幼いころに両親を亡くし、十分な愛情を受けないまま大人になった。
子供の頃、登山に出掛けた時に魅せられた美しい山の稜線。
それ以来、取り憑かれたように山に入るようになった彼は、まさに山が生きがいだったのでしょう。

失うものは何も無い、登山を中心に考えるから定職には付けず、
休暇が取れない場合は退職するという徹底ぶり、山に登れなければ死んでも良いと考えているのです。

そんな彼の生い立ち、人生観を垣間見ると、仕方ないなとは思いますが
やっぱり共感できるかどうかといえば難しい。

彼は少々自分勝手なところがあり、当然ザイルパートナーになりたがる人も居ないし
単独で行動するようになるのは自然の流れ。

常に挑戦し続ける羽生が最後に狙ったのはエヴェレストの南西壁から無酸素で登頂するというもの。
しかも冬期に挑戦するのだから成功確率は極めて低い自殺行為と言っても良いでしょう。

結局彼は死を覚悟していたのか、
戻ってくることはありませんでしたが、その勇姿をファインダー越しに見ていたのが
岡田さん演じるカメラマンの深町です。

彼は戻ってこなかった・・・。
同じルートは辿れないとはいえ、深町は羽生が居るエヴェレストに1人で挑戦し
その時に冷たくなった羽生の遺体を発見する。

目を見開いたまま冷たくなった羽生の遺体に残されたメモには
彼の山に対する執念深さが痛いほど伝わってくるのです。

亡くなった羽生と深町のシーンはこの作品のクライマックス。
羽生の想いとともに必ず下山してやる!という強い決意を抱いた時の岡田さんの表情も印象的でした。

羽生は登頂しても生きて帰ってこなかったらただのゴミだ、と言ってましたからね。
彼の想いだけでも連れて帰ろう、そんなラストを迎えたのです。

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エヴェレスト~神々の山嶺~名言集

どちらかと言えば口数が少ない羽生丈二ではありますが
口を開けば出てくる名言集。
その中で印象的なものをご紹介したいと思います。

「お前は何のために生きているんだ!」
※登山家仲間に冬山遠征の誘いをしたが断られた時に言ったセリフ

「俺がここにいるから山にのぼるんだ!」
※イギリス人登山家マロリーは「そこに山があるから」と答えましたが羽生は違いました。

「生きて帰ってこれなければただのゴミだ」
※下山できなかったマロリーがエヴェレストに登頂できたかどうか問われた時のセリフ

「足が動かなくなったら指で行け、指が動かなくなったら歯で行け、
歯が動かなくなったら目で行け、目が見えなくなったら思え、想え!

このセリフは劇中に2回も出てきました。
もちろん原作にも登場するとても重みのあるセリフです。
羽生は死んだ時も目を閉じず、真っ直ぐ何かを見つめるように座っていました。
彼はこのセリフのように動かなくなっても、その鋭い眼光で前を見続け、そして最後は想い続けた。
その想いを置いていくわけにはいかない、だから俺は下山するんだ、
そんな深町のラスト、なにか込み上げてくるものがありました。
とても良い映画でした。

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