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「きみと選ぶ道」感想
結末にはサプライズがある。
そんな素敵なプロローグで始まったこの物語。
出会いは最悪、二人の未来は無さそうな雰囲気でしたが
あれよあれよと言うまに、恋に落ちてしまった二人。
デートのシーンなんか映画のワンシーンを思わせるドキドキ感がたまらないんです(笑)
例えば、バイクの乗り方を教えるシーンで、
ギャビーが前に座り、トラヴィスが後ろに座って、彼女の手の上に彼が手をのせて恋人のように教えるんです。
「緊張する?」
「ええ、ある意味緊張しっぱなしよ♪」
こんな感じで、交際する前の男女の心理描写が上手いのは
さすがニコラス・スパークスだなと感心するばかり。
そんな男女の心理描写だけでなく、
ストーリーの構成も言及しないわけにはいきません。
第1部と第2部で構成されたこの作品は、
「選択」がテーマですが、トラヴィスが命の選択をする第2部にたいして
第1部ではギャビーが二人のどちらかの男を選ぶという選択をする。
微笑ましくもある第1部はキラキラと輝く光に対して、第2部は暗く沈んだ影が描かれていますが、
本の大半を占める第1部の光があるからこそ第2部の影が濃く見える。
第2部を影と言っていますが、
二人の関係が冷めたわけじゃなく、むしろ深い愛を再確認出来る章であり、
最後はしっかりと読者を柔らかい気持ちにさせてくれる、そんな小説です。
予告動画で読み取る映画と小説の3つの違い
小説ではギャビーの飼い犬をはらませたのは近所のワンちゃんですが
映画ではトラヴィスの飼い犬がお父さんになってるかも
(間違ってたらゴメンナサイ)
また、ギャビーの交通事故に関して、
映画では彼女の運転で事故が起きてますが、小説はトラヴィスの運転。
小説のほうがより夫のダメージが大きいような気がしますね。
そしてラストは妻の生前遺言。
「延命はしないで欲しい」という彼女の意思を知っているのは小説、
知らなかったのは映画。
結末は同じだけど、映画はやっぱり違うと思うので、是非観たいと思いますが
よく行く映画館ではやらないんですよね。
ちょっと足をのばして行こうかなぁ。