映画「マネーショート」原作「世紀の空売り」あらすじと感想「サブプライムローンの全貌が明らかに」

儲かっても手放しで喜べなかったマイケル・バーリ元医師

医者という肩書を捨ててファンドを設立して
順調に投資家に還元していたバーリは、
早くからサブプライムモーゲージ債の破綻を予見していました。

当時、関連商品を購入することが出来ましたが
ショートする(売りポジションを持つ)方法が無かったので
必死になって探していたのが彼でした。

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で、結局生まれたのがCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)と呼ばれるもので
毎年一定金額「保険料(プレミアム)」を支払うことで損失が発生した時に保証してもらう保険です。

この定期的に支払う保険料の利率はたいしたことなかったのですが
購入金額がとんでもない額だったのでマイケルバーリが支払っていた保険料も
相当なものだったのです(例えばCDSを100億円購入して1億円の保険料を支払うというような世界)

毎年こんな金額の保険料を一体いつまで払い続けなければいけないのか?
しかも保険が適用されるような事態が起きなければこのショートポジションは完全な赤字です。

しかし今回「世紀の空売り」をした人達は

「売りポジションの損失の上限は決まっていた」

というように毎年払う保険料が最大の損失だけど
ロング(買いポジション)の人達の損失は計り知れない。

更にマイケルバーリは2005年に貸しつけたローンは
3年目で金利が上がるので3年で勝負が決まると信じていました。

しかしバーリの会社に投資した投資家達は黙っているでしょうか?

殆どの投資家たちは

「破綻に賭けるなんてどうかしいてる!」

なんて思っていたでしょうね。
投資家との溝は深まるばかりでしたが、
2008年に大金が転がり込んだことは言うまでもなく
しかしバーリにお礼を言った人間は1人もいなかったといいます。

のちに彼は市場から身を引いたとありますから
トレーダーとしての才能はあるけど
コミュニケーションは苦手で常に孤独だったような気がします。

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買った人も負けた人も財布が重くなったおかしな結末

市場が破綻する方にかけて大金を手にした人達の財布が重くなるのは分かりますが
損失を出した人達もしっかりと個人的に大金を手にしているのが納得出来ない。

例えば金融機関の1つモルガン・スタンレーはサブプライムローン関連で
90億ドル超えの損失を出したにも関わらずそれに関わったトレーダーに
数百万ドルの退職金を支払っています。
(会社と社員との約束なんでしょうけどね・・・・)

会社が損失を被るのは理解できますが
今回のサブプライムローンからなるリーマン・ショックなど
結局国の支援で市場は落ち着きましたが、それはつまり税金を払っている国民が犠牲になったということです。

ちなみに今更ですがサブプライムモーゲージ債に対するCDSは1兆円市場だったらしいですよ。
とんでもない額ですね・・・。