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「無痛」原作の感想「結末は現実的にもあり得る話(ネタバレあり)」

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10月7日からフジテレビ系でスタートした今作、
西島秀俊さん主演でかなり改変されているので、
オリジナルストーリーと言っても良いでしょう。

今回は、久坂部羊さんの長編小説を読んでみましたので
作品の紹介・感想を書いてみたいと思います。

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「無痛」あらすじ

神戸の閑静な住宅街で一家4人が殺されるという事件が起きた。
かなり惨たらしい殺害現場、そして子供まで殺めてしまうなど
犯人は被害者に対して恨みを持った人物、更には顔見知りの犯行と推定。

事件後、進展が無いまま数ヶ月がたったある日、
児童養護施設の14歳の少女が自分が犯人だと告白。

現場に残されていた足跡と少女が捨てたという場所に同じ靴が見つかり、
更に少女の髪の毛が付着した帽子まで発見されたことから
現場にいたことは確実となった。

しかも殺された一家の父親は教師で、
少女が小学校6年制の時の担任だったという。

本当に彼女の犯行なのか?

少女が入所している施設に勤務する臨床心理士の高島菜見子は
診療所を営む医師・為頼英介と街で偶然知り合い、
事件と少女の関連について相談を持ちかけたことから
為頼は今回の事件に大きく関わることになってしまった。

彼は外見だけで

・どんな病気を患っているのか
・治るのか・助からないのか

ということまで診断できる驚異の医師だった。
そしてなぜ今回の事件と関わることになったのか、
実は殺人を犯す人間はある特有の外見、彼いわく犯因症が出ていれば分かるのだという。

そんな特殊能力を持っている彼が徐々に犯人を追い詰めて
事件解決へと導くことが出来るのか、というお話です。

「無痛」感想(ネタバレ少々あります)

この物語の著者・久坂部羊氏は医師ということもあり
その知識を最大限に活かしたストーリーと言っても良いでしょう。

ただ、彼の凄い所は、医者が単に物好きで
書いたわけではないことは世間の評価をみれば明らかですが
今作でも知識を深めるために、

・精神鑑定実施マニュアル
・分裂病犯罪研究
・痛みの世界史
・顔面考

などの専門書を参考にこの本を書き上げています。
とくに顔面考は主人公が得意とする診断力に大きく影響していることでしょう。

そして今作は「刑法39条」

1、心神喪失者の行為は、罰しない。
2、心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

この条文があることで凶悪犯罪者を逮捕しても
精神障害による犯行であれば罪を問うことが出来ない、ということを大きなテーマとしています。

これは私も含めて大変多くの方が理不尽さを抱いているに違いありませんが、
その理不尽さを徹底して問うているのがこのミステリー小説なのです。

本書は600ページを超えていますが、
練り上げられたストーリーや登場人物の設定など
世界観が魅力的で、少々生々しいところもありますが
最後まで息を飲むとはまさにこの本のことでしょう。

原作を読んでいない方はオススメですよ♪

さて、
本編の感想は、変わった主人公のお話からしていきましょう。

殺人事件のミステリーと言えば、
主人公は決まって刑事か渋い探偵かキャサリン(笑)です。

しかし本書に登場する為頼英介は、
中年で白髪交じりの髪を伸ばし、くたびれたジーパンがトレードマーク。
後ろ姿は初老の侘びしさまで漂う男です。

そんな風が吹けば飛んでいってしまいそうな男は
小さな町医者ですが驚くべき能力を隠し持っているのです。

患者の見た目だけで
たちどころに健康状態や病気の進行具合を読み取ることが出来るという
並外れた能力を持っているのですが、うだつの上がらない町医者なんです。

物語の主人公としてはどこと無く頼りない感じですよね。

 

14歳の少女、ストーカー男の登場で真犯人が読めない

14歳の少女は南サトミといい、
ドラマで描かれているように会話は全て携帯のメールで行われる。

幼い頃から情緒不安定で自傷行為もあり、
発作的に暴れだすこともあることから高島菜見子が勤める
精神障害児童施設「六甲サナトリウム」に預けられることになったのです。

そんな彼女が「私が犯人」と衝撃の告白をするも
為頼の見立てでは

殺人犯の特徴ともいうべき犯因症が見られなかった

ことから彼女が犯人ではないことは明らか。
しかし現場からはサトミの毛髪が付着した帽子、
更に現場の足跡の靴は彼女の証言通りの場所で見つかったことから
自分の診断に自身があったものの不安は隠せないでいた。

後に、何者かが彼女を犯人に仕立て上げたという
裏付けが見つかり、為頼の診断は間違いではなかった事がわかる。

そしてもう一人、佐田要造という人物。
高島菜見子の元夫でDVがきっかけで離婚、
その後はしつこく菜見子に付きまとうストーカーに。

自己中心的で勘違い男、自分はまだ彼女に愛されていると考えており
復縁を迫るも、その気持ち悪い行動から
我々読者は彼が一家4人を殺したのではないだろうかと
思えてしまうほどです。

と言うのも彼はインターネットで、
「心神喪失」「刑法39条」などを調べ
実際に心療内科に通い心神喪失者を演じるなど
悪質で計画的に行動していたことから
菜見子が殺されてしまうのでは?という心配もありました。

しかし為頼と対面した時に、彼もまた
犯因症の症状はなく、人を殺すほど度胸はないと
為頼は確信したのです。

ただ、佐田の登場は今作で重要な意味をを持つ。
大きなテーマである「刑法39条」を脅かすものであり、
かなり意味のある重要なキャラクターであることは確かです。

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ということは真犯人は一体誰なんだ?!

ということになりますよね?
ここでもう二人登場人物をご紹介します。

1人は、
為頼と同じ診断能力があり白神メディカルセンターの院長・白神陽児。
はたから見れば手術の成功率が高い優秀な外科医に見えるが
実は治らない患者を他の病院へ回すことで自然と成功率も上がっていたのです。

2人目はその白神メディカルセンターで雇ってもらうことになったイバラ。
彼は痛みを感じることが出来ない無痛症で無毛粧だった。

特異な体質だったこともあり、幼少の頃は虐めにあい、
現在はコミュニケーションはとれるが精神年齢は低く
幼い子供のように片言で話す。

IQが低かったが、白神の治療のかいもあり、
徐々に上がっていき、病院での雑務が出来るようになったということです。

しかし彼には問題があった・・。

顔面に犯因症の症状が出ていたのです。

ということはもうお分かりですね、
真犯人は無痛症のイバラだったのです。

これがですね、本当に中盤にならないと全く分からず、
本のタイトルである「無痛」と今回の事件となんの関係があるんだ?!と
おバカさんな私は思っていました・・笑

 

人の痛みを知らない無痛症だから躊躇なくやれる

イバラは紛れも無く一家4人を殺した犯人ですが
実は心神喪失者であり、責任能力が無いことから
逮捕されても病院で治療ということになる。

彼もまた精神病を患った1人で被害者ということに・・。

一応事件は解決か、と言いたいところですが
今回の事件は顔見知りて怨恨による犯行が高いことから
誰からが関与していた可能性がある。

実は殺された一家の妻と白神の弟は学生の頃
交際しており、結婚の話まででていたのです。

しかし彼女が教師になって、学校で知り合った先輩教師から
強引なアプローチで交際→結婚という急展開に。

彼女を奪われたと言っても良いでしょうね。
弟はショックのあまり自殺してしまい、
それをずっと白神は根に持っていたということです。

幸せそうに写っている一家4人の写真とともに
その一家の妻が寄稿したとする文章は、
あまりにも弟の存在など無かったことのような
無神経さが白神には許せなかった。

それが犯行の動機です。

その彼に付き合わされたのがイバラ、
しかし彼は一家4人以外に自分の意志で人を殺めており
心神喪失者だからといって許されるわけではない。

しかも結末は意外?な展開に・・・。

 

現実的にも起こりうるから怖い結末

イバラは病院で治療を受け、
少しずつ安定してきたかと思いきや
「病院を抜けだしてしまった」という報告を受け愕然とする為頼。

彼は一体どこへ行ってしまったのか。
小説はそこで終わってしまったのでわかりませんが
殺人犯がまた野に放たれてしまったという恐怖もまた
39条の問題点として作者が最後に問いかけたのだろうと思います。

いかがですか?
続編があるかのような書き方で終わっていますが
実はあるんですよね。

「第5番 無痛」というタイトルで
為頼、イバラが登場し、驚異のウイルス・新型カポジ肉腫、
医師連続殺人事件など新たなストーリー展開が楽しめます。

しかし著者は医者であるにもかかわらず
続編は日本の医師会を痛烈に批判する辺りは、正直で好感が持てますね。

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