逃げきれる?「ナオミとカナコ」原作ネタバレありの感想&二人の結末は

2016年1月からフジテレビ系で放送されることになった今作。
直木賞作家の奥田英朗さん著者で原作は非常に人気が高い作品です。

メインキャストは広末涼子さんと内田有紀さん、
話の内容からしてW主演ですね。

「私たちでアイツを排除しようよ。」

親友の二人が暴力を振るう夫の殺人を計画、そして実行する。
その過程をリアルに描いたサスペンスドラマです。

小説を読む前から面白そうなだぁと思っていましたが
すっごい引きこまれて1日で読破!

今回は分かりやすく徹底して紹介したいと思います♪

登場人物&相関図の紹介はこちら

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「ナオミとカナコ」ちょっと長めのあらすじ

葵百貨店の外商部に勤務して7年目を迎える小田直美。
家賃9万円の賃貸マンションに暮らしていることから給料はそれなりにもらっているよだが
決して満足しているわけではない。

大学で学芸員の資格を取ったのも百貨店の催事で行われる美術展に関わりたかったからだ。
就職してすぐは売り場に配属されたけど経験が必要だからと2年我慢し、
その後は希望していた催事部の業務が縮小し、不本意ながら外商部に配属されたのである。

外商部といえば法人個人問わず何百万と使う上得意さんを相手にする商売であり
基本はベテランが担当するわけだから20代の直美を配属させるのは異例だった。

仕事内容は例えばお客様のお宅に訪問して

「こちらのエルメスのバーキンなどいかがでしょうか?」

「あら、その色いいわね、それをくださる?」

そりゃ、業務とは全く関係のないお客のワガママな要望にも応えるのも無理はない。

そんな彼女が大学時代に知り合ったのが服部加奈子。
加奈子が石川、直美が新潟という同じ北陸出身ということもあり
すぐに仲良くなったが決して性格が似ているわけではない。
しかし物事の考え方や価値観は似ており、一緒にいて安心できるまさに親友といえる仲だ。

加奈子は大学卒業後、大手電機メーカーに就職。
職場仲間に誘われて行った合コンで
銀行員の服部達郎と知り合い結婚後は専業主婦になった。

久しぶりに会いたいと直美が加奈子のマンションを訪問したことで異変に気づいたのだ。

誰が見ても驚くほど加奈子の頬が赤く腫れ上がっている。
どうやら夫の達郎から暴力を振るわれたらしく酷い有様だった。

達郎は有名私立大学卒業で爽やか青年、
交際1年目でプロポーズされ、ゴールイン。

幸せな家庭生活を夢見ていた加奈子だったが
まさか夫から暴力を振るわれる生活が待っていたとは誰が想像するだろうか。

手を上げた時は決まって

「ごめんよ、昨日は悪かった・・もうしないよ」

そんなDV男にありがちなセリフを言われて許してしまう彼女にも問題はあるが
エスカレートする夫の暴力に肉体的にも精神的にも限界が来る前に
行動を起こそうとしたのが親友の直美だ。

当然親友だから心配というのもあるが、
幼少時代に父親が母親に暴力を振るっていたという
背けたくなるつらい過去が彼女にある。

なんとかしなければ・・・・

もちろん初めは離婚を勧めたけど、
そんなことは出来ない、そんな話を切り出したら私は何をされるかわからないという。

それでもこの現状を変えなければいけないし
今も生傷が絶えない加奈子の顔を見るのも辛い。

「ねえ、アンタの夫を排除しようか?」

そんな突拍子も無い提案を出した直美はもちろんホンキだが
加奈子は冗談だと思いつつもこれ以上耐えられないという思いから
二人は夫殺人計画を立てることになった。

華麗なる完全犯罪・・・・
一人の男を殺した彼女たちの運命は・・・。

ちょっと長くなってしまいましたが^^;
あらすじはこんな感じになります。

 

「ナオミとカナコ」の感想&もう少し詳しくご紹介

※ネタバレありますのでご注意ください

本書は438ページありますが、
「ナオミの章」「カナコの章」とそれぞれ二人の視点で描かれており
後半はDVを受けた加奈子の殺害前後の心理描写が上手い具合に表現されています。

ふたりとも女性ということもあり、意を決して人を殺したのは良いが、
急に不安な気持ちになったり、冷や汗、手の震え、緊張、脇汗など
動揺を隠し切れない言動は見ていてハラハラする場面が多数ある。

彼女たちのそうした不安は完璧と思われたいた殺害計画が実は凡ミスが多く、
普通なら配慮すべきことなのに全く気にしていなかったことがあるのです。
詳しいことは後述しますが、最初に直美が計画した内容がこちらになります。

直美の基本計画

先ず達郎を失踪させたように見せかけたい。
銀行員が顧客のお金を着服すれば立派な犯罪になるので
逃亡する理由として十分でしょう。

そこで直美は顧客を達郎に紹介し、
彼の銀行に新しく口座を開いてもらい、直美が顧客の口座から加奈子の口座に送金する。

実は直美の顧客である斎藤夫人は認知症の疑いがあり
更に都合が良いことに直美を全面的に信頼している。

自宅のパソコンも触る事ができるので、
そこで上手く送金処理を行ったのだ。

そう、達郎が送金したように見せかけて・・。

加奈子がお金を引き出せば、夫が着服したことになるだろう。

夫殺害後、加奈子が捜索願を出し、
直美は斎藤夫人の口座からお金が消えたことを達郎の銀行に問い合わせる。

あまり高額でなければ銀行も大事にはしたくないので
警察に被害届を出さずに内々で処理をすることに期待してのこと。

そして達郎が海外へ逃亡したことにすれば完璧ではないか。
実はこの計画の追い風となった人物が登場したのです。

達郎にソックリな中国人・林竜輝

まず直美と林竜輝の接点をご説明しないといけません。

ドラマで女優の高畑潤子さんが演じる中国人の李朱美。
直美にとって最悪の第一印象である彼女は、
300万円の腕時計を展示会の時に持ち帰ってしまい、
一悶着あったのです。

金額も金額ですし窃盗なので普通なら警察に被害届をすぐに出しますが
実はこの女社長”上得意さんのお連れ”なので百貨店としては穏便に済ませたいのだ。

「あの時計、値札がついてなかったからタダだと思ったね。」

そんな風に悪びれる様子もないこの李社長の態度に腸が煮えくり返る直美ですが
まさか二人が今後、頻繁に会う関係になるとは誰が想像しただろうか。

そんな李社長のもとで働いている林の姿にびっくりしたのが直美で
加奈子の夫に驚くほど似ていることから「これは使えるかもしれない」と悪知恵が働いたのです。

加奈子の夫にソックリな林にATMでお金を降ろさせることで
あたかも夫がおろしているかのようにみせかけ、
夫殺害後は林に夫のパスポートを持たせて中国に帰ってもらうという流れです。
もちろん、彼もタダで動くわけはないので、200万円という報酬を払うことで引き受けたのです。

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夫・達郎を排除する方法

夫が酔っ払って寝ている間に首を絞めて殺害し、
女二人でどうやって運び出せばよいのか?

ココらへんのドタバタ劇が妙に面白かったですが、
ガタイの良い男性がすっぽり入るケースなんてそうはない。

当然はじめはスーツケースを探すのですが
日本で販売されているもっとも大きいサイズでも小柄な女性が入るか入らないかの大きさで
成人男性を入れることは出来ない。

そんな中、ふと立ち寄ったスポーツ用品店で
店員から勧められた遠征バッグとやらが丁度良い事に気づき、
達郎をこのバッグに入れて運び出せばバレないだろう。

人気のない早朝に女二人がバッグを車にのせ、
山のなかに埋める。

中国人の林が上手く出国してくれれば完全犯罪だと疑わなかった彼女たち。
しかし蓋を開けてみると素人丸出しのイタイ犯行計画が徐々に彼女たちを追い詰める結果になっていく・・・。

長くなってしまったので2ページに分割しました

二人がおかした痛恨のミスとは?