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「疾風ロンド」衝撃の結末
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「K-55」を無事取り返したとき、パトロール隊の根津と栗林はちょっとした口論になっていました。
今回のことは研究所は公表すべきと主張する根津。彼の言うことは当然です。しかし栗林は頑として言うことを聞かず、公表はしないと言い張る。そんな様子を見ていた栗林の息子・秀人は「K-55」を別のものにすり替えていたのです。
もちろんすり替えたのは真奈美が持ち帰る前です。彼女は買い手が見つかれば売り飛ばすと話していたので中身が違って愕然としたでしょう。K-55は秀人に頼まれた根津が一時的に預かることになったのです。
秀人は父親が隠蔽しようとするその考えが許せなかった。自分の立場が危うくなっても正義を貫く。そんな思いで父親を説得することが出来るのか、ラストはそんな終わり方をしています。
感想
いや~、ホントに最後のページまで気が抜けないストーリーでした。真奈美が「K-55」を引き取りに来た時はページ数がないのに一体どう終わらせるのだろうか?と不安でしたから(笑)。
父親に頼まれて、どこのスキー場なのか写真を手がかりに必死に探す息子の秀人。父親が好きなものを買ってやると言ったのだから友人・知人を頼ってスキー場探しに必死に探すのも無理はない。しかしスキー場に着いてしまえば息子の役目も終わりかと思えばそうじゃない。地元の中学生に一目惚れし、その子も事件解決へと導く重要な人物だった。
レスキュー隊の根津とプロスノーボーダーの千晶の恋愛もほろ苦いところを見せてくれる。スランプ気味の千晶は気晴らしに根津の仕事を手伝いたいと言い出し、結果的に「K-55」を奪った男をとっ捕まえて大手柄をあげるなど連携プレーが冴え渡る。
息子と出会った地元の女の子やプロスノーボーダーの千晶。ストーリーに関係ないように見えた前半でしたが、「K-55」を回収するという本ストーリーに徐々に絡んでくる巧みな文章構成。さすが東野圭吾さんですね。
映画では珍しくコメディ要素が強いみたいですが、ぜひ見たい作品です。
プロスノーボーダーは育美ではなく千晶です。育美は中学生。
コメントありがとうございます。修正しました。