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映画「ソロモンの偽証 前編・事件」の原作小説の感想・ネタバレあり

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ソロモンの偽証 原作 第1部

映画「ソロモンの偽証」が2015年3月7日に第1部、4月11日に第2部が公開されます。

久しぶりに興味を引く作品でしたので、原作小説を読んでみようと手にとって見ると700ページの大ボリューム。

しかもこの700ページが3冊もあるじゃないですか(笑)

そっと返そうかと思いましたが、折角なので第1部を読んでみることに。

なので今回の感想は「第1部事件」の感想となります。

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第1部はプロローグ

「ソロモンの偽証」は分厚い本が3冊、合計2100ページの、化け物長編小説。

子どもたちが本格的に事件の解明に乗り出し、裁判を行うのは第2部からで、

第1部を読んでみて、改めて序章に過ぎないと感じました。

 

簡単なあらすじ

クリスマス・イブの夜に学校の屋上から男子生徒が飛び降りたという

事件発生から、その後も様々な事件が多発し教師は収束すべく奔走、

メディアが取り上げたことで話がややこしくなり、何が事実で何が真実なのか混乱が生じ始める。

もうこれ以上、大人たちに任せておけない、私達で事件究明しよう!

第1部はこんな感じで終わりました。

 

700ページは確かに長いですが、登場人物一人一人丁寧に描写しており、

特に中学生たちのセリフは、しっかりと子供目線で書かれていて個性が立っており、

「こんな子いそうだし、自分が学生だった頃、いたような気がするなあ。」

そんな気持ちで読んでいました。

 

また、子供はまだ未熟だという大人の愚かな考えに対し、

大人顔負けの子供たちの思考力と行動力が、この物語の面白さでもあります。

親の考えが甘ければ指摘し、言葉が可怪しければ揚げ足を取る子供。

人によって態度を変える担任の新人女性教師は生徒から見限られており、

大人でも脇が甘いと観察している子供たちは見逃しませんよ、という生徒の大人びた態度も面白い。

 

学校をテーマにした作品だけに子供たちを等身大で書いている著者の宮部さん、さすがです。

思春期で多感な時期の中学生、いじめ問題を取り上げ、心の闇の部分もしっかりと描写しています。

 

飛び降り自殺で終わるはず・・だったのに

クリスマス・イブという素敵な日に悲しい事件が起きた城東第三中学校。

柏木拓也の自殺は両親も納得し、現場も他殺の可能性は極めて低いことから警察は自殺と判断、

悲しい事故として終わると思っていたけど、何者かが「告発文」を学校関係者に送付。

内容は、自殺ではなく悪ガキ同級生三人が柏木君を屋上から突き落としたという目撃証言だった。

 

学校関係者と警察は、告発文の内容は偽りだと判断し、公表はしなかった。

だけど告発文が送られた一人、担任の森内恵美子の自宅では思いもよらぬトラブルが発生し、メディアに露見してしまった。

告発文は森内の目に触れることなく、悪意ある第三者が入手して、そのままメディアに流れてしまったのだ。

 

この悪意ある第三者というのが森内の隣人で夫に見捨てられた垣内美奈絵。

玄関先で夫と愛憎劇を披露してしまった際に、森内は笑みを浮かべながらその光景を見ていたのですが、

それが気に入らなかったらしく、それ以降、美奈絵は森内に対して敵対心を一方的に抱いていたのです。

 

森内をギャフンと言わせたいと考えていた美奈絵は森内の郵便物を

定期的に抜き出していたところで告発文を発見、捨ててあったことにしてメディアに流したというわけです。

 

さすがに慌てたのが校長以下教師たち。

告発文は伏せていただけにメディアに先に公表されると非常にまずい。

こうして隣人の美奈絵がいたずら心でしでかしたことが、この後大きく影響していくとは夢にも思わなかったことでしょう。

担任の森内は、周囲から告発文を受け取ったのになぜ捨てたのか!と責め立てられ、

最終的には辞表を出してしまうまでに。

ただ、彼女は郵便物が盗まれた事を調査するかしないかで第1部が終わっていますので、

この後、濡れ衣が晴れることを祈っています(笑)

 

ある意味この物語はおかしな隣人がいなければ発展しなかったわけです。

学校側が告発文を伏せていたのはいただけないですが・・。

 

とにかく担任の森内という女性教師は性格に問題があり、

生徒からの評判も悪く、教師としては失格なのでは?という印象を受けました。

美人でキャリアウーマン、自信に満ち溢れていた彼女ですが、

ボロボロと崩れ落ちていく姿に誰も手を差し伸べる人物はいないのでしょうか。

 

告発文を書いた女子生徒

明らかに自殺だった事件なのに、世間の認識を大きく覆し動揺させた告発文を書いたのは誰なのか。

ワルガキ同級生3人は恐喝・窃盗・傷害など札付きでいじめも頻繁に行っていた。

このいじめを過去に受けたことがあった女子生徒・三宅樹理がどうやら嘘の告発文を書いたようです。

 

ニキビが酷い顔を罵られ、顔を足で踏まれ、ひどい仕打ちを受けた樹理。

この3人に一矢報いたいと常々思っていた時、柏木の死を他殺にして悪ガキ3人が犯人であると告発したのである。

 

学校、警察は冷静でしたが、保護者らは告発文の内容を重く見て事態は深刻化、

更にはメディアが番組で取り上げることで、ますます学校で起きた事件は大きな関心を引く事になりました。

 

この三宅樹理という女子生徒は、一言で言えば変わり者、

主人公の藤野涼子に対しては敵対心を抱いており、周りの生徒は距離を置くような人物。

唯一親しくしている浅井松子に対しても上から目線で罵倒することもあり、松子が泣いてしまうこともしばしば。

それでも松子は樹理を見捨てず優しく接し、あろうことか告発文の作成に加担してしまうことに。

樹理の言うことを信じてしまう純粋な生徒だったのです。

 

大人を欺き、嘘を上塗りする樹理、第1部では重要な人物となります。

 

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いい子が突然壊れた理由

柏木卓也の死体第1発見者である野田健一は、どこにでもいる普通の中学生。

母親は心の病?か働けず自宅療養、父親は不規則な仕事で夜勤もあり、健一が一人で食事をすることも珍しくない。

家庭の事情があるだけに”いい子”で通してきた健一も、ある出来事で”プッツン”してしまったのだ。

 

会社員だった父親が、母親の療養も兼ねて軽井沢でペンションを経営する事を計画。

健一に意見を求めたが、聞いただけで計画は進めることに。

健一いわく、療養なんて無理な話で、ペンションで客商売となれば、家庭と仕事の境界線が無くなり、

父さんが母親を見る時間、プライベートの時間が無くなり、一層悪化してしまう可能性が高いと、父親以上にまともな意見を主張。

自分の意見を受け入れてくれなければ自分は行かない、友達の家にお世話になるか・・・、

そんな事を考えていた健一ですが、ひどく思いつめてしまったのか、両親を殺害する計画を実行。

健一の様子がおかしいと、周りの生徒が察して、事なきを得ましたが、

第1発見者である健一の精神的ストレスは他の生徒よりも強く感じていたのかもしれません。

 

もう一人の犠牲者

三宅樹里と親しくしていた天然でおっとり系の浅井松子。

告発文が表に出たことで事が大きくなり、更にはその内容は嘘だったということに今更ながら気づき、

樹理と話をつけると家を飛び出し、そのまま帰らぬ人となってしまった。

交通事故だったのか、それとも樹理が・・・。

 

問題児の3人は

問題行動が目立つ3人は樹理の告発文によって殺人犯に仕立てられてしまったわけですが、

その間にも暴行事件を起こしたりと、ますます評判を落とし学校にも登校しない始末。

ただ、一人は登校し始め、もう一人も久しぶりに登校したと思ったら二人が取っ組み合いの大喧嘩。

ガラスを割って3階から落下するという大惨事を巻き起こしてしまった。

事故発生後、生徒たちは順次すみやかに帰宅するようにと、またしてもあの事件がよみがえる。

次から次へと問題が発生する城東第三中学校の生徒は

「またか・・。」という空気と、このまま大人たちに任せていても良いのかという思いが強くなり

自分たちで事件究明を決意するのでした。

 

「ソロモンの偽証 第1部」まとめ

学校で起きた転落死は自殺で間違いないのか。

だとしたら柏木はなぜ、わざわざ学校で自殺しなければいけなかったのか。

冒頭プロローグでクリスマス・イブの19時頃、電話BOXにいた少年は柏木か?

電話の相手は誰なのか?逃げるように去っていった君はそのまま学校へ行ったのか?

疑問だらけの第1部が続編で解決できることを願いたい。

ちなみに第2部を読まれた方の話では「ソロモンの偽証」が誰なのか明確になるといいます。

 

第1部の事件まとめ

  • 柏木卓也の転落死
  • 三宅樹里による嘘の告発文
  • 担任森内自宅の郵便物窃盗事件(犯人未逮捕のまま)
  • 野田健一の両親殺害未遂事件
  • 悪ガキの主犯・大出俊次の自宅全焼(放火?)
  • 浅井松子の交通事故死
  • 悪ガキ3人による他校生暴行事件
  • 喧嘩で悪ガキの一人が3階の校舎から転落(命に別条なし)

以上、第1部「事件」という副題に相応しい数々の事件が多発する今作。

三宅樹里や担任森内の隣人・垣内の異常性。

この2人は実際に会ったら怖いんでしょうね・・・(笑)

 

主人公の藤野涼子と三宅樹里が保健室で一緒にいる時のこと。

カーテンで仕切られたベットで二人がそれぞれ休んでいたのですが、

突然、三宅が顔が見える程度にカーテンを開けて、無表情に藤野を見つめ、

藤野が優しい言葉をかけても、無言で薄ら笑っているという気味の悪さ。

優等生の藤野を一方的に憎んでいた三宅が体調が悪くなった藤野を見て、面白くて仕方がなかったそうだ。

 

こんな感じで、普通は飛び降り自殺で終わるはずが、

精神異常者によって、こじれて事態は悪化していく。

確かに三宅樹里もいじめを受けた過去があり、

酷いニキビで塞ぎこんでしまうのは同情の余地がありますが、ちょっと壊れすぎちゃいましたね・・・。

 

映画「ソロモンの偽証」は小説と違う?

映画で一番驚いたのが主人公の藤野涼子役に藤野涼子が演じること(笑)

彼女はこの映画で銀幕デビュー。

著者の宮部みゆきさんの許可を得て芸名が決定したのだそうです。

注目すべきは彼女の演技力でしょうね。

 

予告を見て思ったこと

第1発見者は野田健一ですが、主人公の藤野涼子も第1発見者に加わっています。

そして藤野家に届いた告発文は父親が確認し、そのまま涼子の目に触れることはありませんでしたが、

映画では涼子が手にして開封していますね。

これがこの後どのように影響を与えるのかわかりませんが、

何しろ2100ページの長編小説を映画にしなければいけませんので、

削って繋ぎあわせて、修正してという作業は大変かもしれませんね。

オリジナルの面白さに期待したいと思います。

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