美しき罠の原作「残花繚乱」の主要な登場人物は10人ほどしか居ませんが、
見事に入り乱れた人間関係となっています。
相関図にすると面白いと原作の感想で書きましたが、
見事に凄い入り乱れております(笑)。
残花繚乱の相関図
西田リカが柏木荘太との不倫に終止符を打ち、
落合圭一と新たな人生を歩み始めるところからスタートするこの物語。
二人の5年間の不倫は柏木の妻・美津子も知らないはずもなく、
長いこと黙認していたけど、二人の関係を終わらせるために、
荘太の親友の弟・圭一をリカに紹介したのです。
しかし、圭一とリカが結婚まで発展してしまうのは予想外で
この展開に美津子の悔しい歯ぎしりが聞こえてきそうですね。
この落合圭一というのは、実は美津子に恋心を抱いており、
美津子もまた圭一との淡い恋愛を妄想していました。
その後、柏木家では、何事もなかったかのように、
お祝いごとが有るときは圭一とリカを招待していましたから
荘太、美津子、リカが何を思い、笑顔で接していたのか想像するだけで色々と怖いです。
書道教室仲間の悪女
問題は書道教室で知り合った桐谷麻紀という女性です。
リカの婚約者と知りながら圭一に近づき、
妻がいることを知りながら柏木と大人の関係になってしまう彼女に対して、
西田リカは怒りを通り越して哀れみの目で彼女をみていました。
そして最後に知った書道の先生の過去のラブストーリー。
龍子がまだ高校生の頃、たまたま知り合った落合修介という大学生と恋に落ち、
二人は親の目を盗んでは会って、愛を育み、結婚を誓い合う仲に。
親は婿養子で後を継いでもらうことを条件に結婚を承諾。
実家の離れを改築して、これから新婚生活が始まるという時に龍子は逃げ出してしまいました。
実は修介の隣に居た親友の荘太に恋をしてしまったのです。
荘太と龍子が一緒になることはありませんでしたが、
修介を裏切った後ろめたさと、若くして亡くなった修介への複雑な思いを、
物語が進むに連れて、紐解かれていきます。
また、書の個展を開いた時に荘太の娘・美羽がふと目の前で立ち止まり、
龍子と目があった時があります。
なにか不思議な感覚を覚えた龍子でしたが、
まさか自分が恋した男の娘だったとは思いもよらなかったでしょう。
書道の先生で、今回の恋愛事情とは関係のないサブキャラなのかと思いましたが
しっかりと複雑に絡み合う一人だったと言うことです。
最後まで驚かされっぱなしの作品でした。