映画「予告犯」を徹底紹介キャスト・ネタバレあり犯人の真の目的とは友のためか

(画像は映画の告知動画のキャプチャ)

2015年6月6日に公開される「予告犯」は
2011年から2013年まで「ジャンプ改」に連載されていた漫画です。
動画共有サイトやSNSなどインターネットが普及した現代社会などリアリティ溢れる描写で再現。
原作漫画を読んでみましたので、作品の感想や魅力的なキャストをご紹介したいと思います。

Sponsored Link

あらすじ

主人公の奥田宏明は派遣先IT企業の正社員を目指していたが社長から嫌がらせを受け退社。
不当解雇とも言えるこの仕打ちを受けてから悲観的になり、その日暮らしの生活をしていた。

そんなある日、バイト先で唯一心許せる仲間たちと出会い、あることをきっかけに固い結束を誓いあう。
同じような境遇で夢半ばで諦めた者達、これ以上失うものは何もない者達が何を思い立ち上がったのか。

彼らは新聞紙を頭に被り、動画共有サイトで犯行声明を出し、次々と事件を起こすが
被害者たちはみな社会のルールに反するもの、社会的制裁を加えるべき相手が対象なので
「シンブンシ」たちを支持するものも多く、まさに英雄扱い。

ただ、これは序章に過ぎず、彼らがやり遂げようとする真の目的は別にあった・・・。

 

魅力的なキャストたち

犯人グループ

yokokuhan3

(画像は映画の告知動画のキャプチャ)

主犯・奥田宏明(別名・ゲイツ)生田斗真
IT企業のプログラマー、正社員を目指す派遣社員として3年務め上げた会社の社長から悪質ないじめにあい、辞めてしまう。
犯人グループ「シンブンシ」の主犯格で頭もよく、犯行の筋書きはほぼ彼が担う。グループ内ではゲイツと呼ばれている。

 

yokokuhan2

葛西智彦(別名・カンサイ)鈴木亮平
背が高く長髪、ほっそりした体型。ミュージシャンを目指して上京したけど、挫折。音楽の話を始めたら止まらない。結構過激なバンドをやっていた時にファンからもらったペンダントを首から下げている、この中には致死量20人分の青酸カリが入ってるらしい。
配役には鈴木さん。朝ドラ「花子とアン」の夫役で急上昇、今は「天皇の料理番」で兄役を演じてます。役作りのために激痩せしましたからね。今最も注目される30代俳優です。

寺原慎一(別名・メタボ)荒川良々
福岡出身でホークスファン(一応漫画では別名のソルトバングになっている)でホークスの帽子がトレードマークだったけど目立つので別の帽子を被っている。31歳なのに不規則な食生活で中年太りに。工務店の実家を継ぐのを諦め、パチスロにはまってしまったが、きっかけがあればやり直したいという思いがある。俳優は独特な雰囲気でカロリーメイトのCMが印象的の荒川さん。

木村浩一(別名・ノビタ)濱田岳
宮城県出身、コミュ症+女性恐怖症。高校卒業後は引きこもり生活をしていたが父の死をきっかけに家をでることに。俳優は2006年頃からブレイクした個性派の濱田岳さん。

 

重要人物

ネルソン・カトー・リカルテ(ヒョロ)
フィリピン出身の日系人。母親が亡くなる直前に父親は日本人だと聞かされ、父親を探すためにお金を貯めて日本へ渡る。
来日後はネットカフェの清掃員として働いていたが業績不振の店で給料未払いの末、仕事を失うことに。どうやら店長は夜逃げしてしまったらしい。
その時手に入れたワンタイムパスワードキーが犯行グループの重要なアイテムに。
ボタンを押すとランダムで6桁の英数字が表示されるのでヒョロは「おみくじマシーン」だと思っていた。

 

警視庁

yokokuhan4

吉野絵里香(戸田恵梨香)
警視庁サイバー犯罪対策課課長、26歳で警部補になったエリート女性。美人だけど思ったことをストレートに言うため、周りの男性が引いてしまうこともしばしば。
ただ、仕事に対する熱意は誰よりも強く、責任感もある。今回の「シンブンシ」と名乗る犯人グループの検挙に全力で取り組む姿勢が印象的。
女優の戸田さんと名前が一緒なのは偶然?雰囲気から何からベストチョイスな配役と言えます。

Sponsored Link

予告犯をもう少し詳しく!ネタバレあり

「明日の予告を教えてやる!」

動画共有サイトに犯行声明を出してから実行するグループ「シンブンシ」がターゲットとする相手は
食中毒事件を発生させて誠意ある対応をしなかった会社、ネット上で相手を誹謗中傷したヤツ、
度を超えた悪ふざけをネットにアップするヤツ、東日本大震災で日本人をバカにした反捕鯨団体などなど、
胸クソ悪い相手なのでネットでは彼らの犯行を支持する者が徐々に増えていく。

彼らの真の目的はそこじゃないんだけど、
リーダーのゲイツは自身の苦い経験から一度だけ犯行予告ではない動画をアップしたことがあるんです。

同じ境遇の人間がいたら俺に言ってくれ、俺がかわりにやってやる!!てね、

この世で一番嫌いなものは

自尊心を奪い取ろうとするやつだ!

そんなことを彼は言ってたので、自身の経験だけでなくヒョロの死で
更に社会に対する失望感や憎悪が増していったのでしょう。

そして最後の予告は自殺。
その様子を生配信しながら4人全員が死んだという呆気無い終わり方に
ネット住民は不満を募らせていましたが、
実は死んだのは奥田(ゲイツ)ただ一人だけで、他の3人は睡眠薬で眠っているだけでした。

3人は奥田に脅されてやった・・・。

そんな奥田の筋書き通りに事が運び、3人は5年から6年の懲役という軽い処分で済んだということです。

納得がいかなったのは彼らを追っていた女刑事・吉野絵里香

暴行、傷害、拉致監禁、サイバーテロ・・・
彼らが結束して行ってきた数々の行動を突き動かすものとは一体なんなのか。

誰かの為になることがわかっていれば、
それが例え自分の利益にならなくても行動することがある。

親、兄弟、大切な人のために自分の命を顧みない自己犠牲の精神と同じですよね。

 

シンブンシ達の目的は達成されるのか?

物語が始まって直ぐに亡くなってしまうヒョロ。
屈託のない笑顔、いつでもポジティブで、奥田を尊敬の眼差しで見ていた彼。
自暴自棄に陥っていた奥田にとって唯一心の安らぎを与えてくれた親友とも呼べる存在だったのです。

彼は死に目になんて言っていたのでしょう?
お金がないので腎臓を売って日本に来たヒョロは

「父ちゃんに会えたらそれでいい。」

予告犯は彼の遺骨を父親に渡すところまではいっていませんが、
吉野課長がその意志を継ぎ、日本のどこかにいるであろう父親に彼の遺骨をきっと渡してくれるんだろうなぁ・・
そんな終わり方をしています。

 

感想

物語の序章は、「シンブンシ」とは関係のない
未成年者の犯罪を検挙するシーンから入りますが
ごちゃごちゃわめく子供を黙らせて、さっそうと帰る姿はまさに美人刑事・吉野の登場に相応しい。
サイバー犯罪を絶対許さないという彼女の姿勢と存在感・・、一発目から強烈な印象を与えてくれます。サイバーテロがこれから始まる相応しいスタートです。

また、作中には実在する人物や団体に似たような名称が登場、
堀江さんとか、反捕鯨団体とか、辞職に追い込まれた議員が所属する政党とか、

「直ちに影響はない」

とか、分かる人はわかりますよね。
そんな物語とは関係ないところでクスっと笑わせるところがこの漫画の良さでもあり
リアリティを感じるのだと思います。

そう言えばインターネットで一時流行った
メントスゲイザー現象(メントスにコーラ)も登場しましたからねぇ、あれにはびっくりしました(笑)。

そんな笑わせてくれる場面もありますが、
犯行を繰り返すシンブンシ達とそれを必死に追う警視庁のサイバー犯罪対策課との構図。
彼らの素性が少しずつ明らかになり、徐々に追い詰めていき、最後は捕まえることがデキるのか!
と思いましたが、あの美人の吉野課長は一歩遅かった・・・。

彼女の悔しさ、そして最後の最後で奥田に対する気持ちに変化が現れたこと。
ココらへんの描写は実に上手い。

また、東日本大震災で家族が犠牲になった青山祐一の存在が意外と大きい。
彼が手を貸していなければ、計画は破綻し警察に捕まっていたでしょうからね。

たった3冊のコミックですが、重い内容で考えさせられました。