本人が出演!映画「15時17分、パリ行き」の感想(ネタバレあり)

3月1日(木曜日)に日本で公開された今作。

クリント・イーストウッド監督作品としては38作目となる今作は、実話を元にした映画で、なんと事件当事者が出演するという異例の作品。

当事者とは言え、素人さんを起用して迫真の演技が出来るのだろうか?と疑問に思いましたが、観終わった後は「凄い」の一言。俳優経験がないのに、なぜあれほどまでに自然体で演技ができたのか、話の内容も含めて素晴らしい作品でした。

Sponsored Link

もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)

あらすじ

ストーリーは何となくおわかりだと思いますが、一応あらすじをサラッとご紹介。

アメリカのカリフォルニア州にある都市サクラメント。幼馴染のアレク・スカラトス、スペンサー・ストーン、アンソニー・サドラーの3人はここで育ち、大人になった。

中学で離れ離れになったが、大人になっても交友は続き、アレクとスペンサーの二人は軍に入隊。

肥満体型だったスペンサーは友人に「お前には無理だ」と、からかわれたことで一念発起。1年かけて肉体改造をして、まさに軍人のような体型になったが、希望していた隊に入れずひどく落ち込む。

今まで本気で頑張ったことはなかったけど、本気で頑張っても報われなかったとで、かなり悲観的になったが、とりあえずは軍には入った。彼は戦争で誰かを助けたいという目標があるらしい。(戦争が大前提なのか?)

ある日、アレクが恋人に会いにドイツまで行くというから、スペンサーがヨーロッパ旅行を計画。アンソニーはスペンサーに強引に誘われる形に。3人はヨーロッパ旅行を楽しむはずが、運命の列車に乗ったことで旅行が暗転、テロに巻き込まれてしまう。

テロ発生

ライフル、小銃、ナイフ、300発の弾丸を持ち込んだ1人のテロリスト。居合わせた乗客がライフルを奪うことに成功したが、小銃で撃たれてしまい、再びテロリストの手に渡ってしまったライフル。

ライフルを構えた犯人に飛び込んだのがスペンサー。撃たれたら終わりという状況で、まさに猪突猛進。犯人は引き金を引いたが、弾は放たれること無く、スペンサーは犯人と取っ組み合いに。しかしスペンサーは軍で柔術を習っていたので、犯人の首を締め上げることに成功。

犯人が持っていたナイフでスペンサーは首と指を切りつけられ負傷したが、この事件で死人が出ること無く無事制圧できた。

弾丸の数から乗客全員をターゲットにした無差別大量殺人未遂事件。何百人という犠牲者が出たかもしれない今回の事件は3人の幼馴染と1人の英国人のおかげで未然に防ぐことが出来たのです。

事件後

3人はフランス大統領からレジオンドヌール勲章を授与され、本国アメリカではホワイトハウスに招かれ、バラク・オバマ元大統領と面会を果たしています。また、それぞれ軍の勲章、そして一般市民であるアンソニーはアメリカ国民が授与される最高位の勲章が授与されています。

ちなみにエンドロールの途中で事件後について映像が流れるので映画が終わってもすぐに退場しないようにしましょう。

 

「15時17分、パリ行き」の感想

心強い仲間(幼馴染)がいたから、いつもの雰囲気で撮影を行うことが出来たのか?

改めて思うのは、シロウトさんとは思えない違和感の無い演技。3人はすんなりオファーを受けたのかどうかわかりませんが、巨匠クリント・イーストウッドからのラブコールは流石に断れなかったかな。

さて、この映画では、幼馴染の3人の子供時代からスタートしますが、落ちこぼれっぷりが半端ない。担任の先生からは特別学級に・・・なんて話も出ましたが、なんとか普通に義務教育を終えて、それぞれの道へ進んでいく。

3人の中でも特に中心実物とも言うべきスペンサー・ストーン。子供の頃から真剣に何かに取り組んだことが無く、軍に入りたいと言っても友人から「お前の体型では無理だ」と言われ、汚名返上のため、目標だった軍に入隊するために、生まれて初めて本気で頑張ったが・・・、ダメだった・・。

Sponsored Link

いわゆる、彼にとって初めての挫折です。母親から慰めの言葉を掛けられても卑屈になるばかり。

「自分はついていない」

軍に入っても落第生で、なんとなく人生の楽しさが見えてこない・・そんな時に休暇を使ってヨーロッパ旅行に出かけたのが始まりでした。

自分はついてない?。いえいえ、とんでもない。ライフルを構えた犯人に勇敢にも立ち向かった彼は、普通なら射殺される可能性が非常に高い。ですが、運良くライフルから弾は発射されること無く、犯人を取り押さえることが出来て、犠牲者を1人も出すこと無く、テロを制圧したのですから、強運の持ち主ですし、まさにヒーローです。

彼らのおかげで何百人という乗客の命が助かったのですから、不思議なものです。ヨーロッパ旅行にたまたま出かけ、偶然にもパリ行きの列車に乗ったアメリカ人が起こした奇跡。幼い頃から落ちこぼれ人生だった男がヒーローになった瞬間でした。

そう言えばスペンサーは空軍で医療も学んでいたので、負傷した乗客を適切に処置することも出来たのです。今回の事件は偶然が重なりすぎて怖いぐらいですが、やっぱり幼馴染の3人は、偶然じゃなくて必然的にいたのかな?とも考えちゃったり。

なんだか運命を感じる物語・・・じゃなくて実話です・・・。