映画「ビガイルド 欲望のめざめ」あらすじと感想(ネタバレあり)

2018年2月23日に公開された今作。

さっそく観に行ってきましたが、想像していた内容とちょっと違っていたので残念。

1970年代に制作されたクリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」の方が遥かにいいです。

今回の作品は原作を映画化したのではなく、イーストウッド主演作品のリメイク劣化版と言った感じです。かなり辛口なことを言っていますが、詳しい感想は後ほど・・・

あらすじに関しては白い肌の異常な夜の記事で書いていますので、詳しくはそちらで、ほぼストーリーは同じです。

もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)

キャスト

 

ニコール・キッドマン

学園長マーサ。責任感が強く、ジョンに対しては少し態度がきつめ。確かに招かれざる客で生徒たちを守らなければいけないという立場上仕方がないのかも。美しくキリッとした顔立ちのニコール・キッドマンには適役でした。

 

コリン・ファレル

ジョン・マクバニー伍長。お恥ずかしい話、この役者さん知りませんでした。でもファンタスティック・ビーストに出演していたので見たことは合ったんですけどね。今作では、男子禁制の楽園に迷い込んだ兵士役。敵軍に引き渡されてしまわないように、男手が必要だということをアピール。しかし、ある夜、エル・ファニング演じるアリシアの部屋に行ったことで事態は急展開を迎える。

 

キルスティン・ダンスト

この学園の唯一の先生、エドウィナ役。スパイダーマンのヒロインでおなじみですね。ジョンが「君はとても美しい・・。」なんて歯の浮くようなセリフを言うので、ニコール・キッドマンとエル・ファニングじゃなくて彼女が??なんて思ったり(失礼しました)。ちなみに監督のソフィア・コッポラのお気に入りの女優さんだと思われます。4作品も出ているので(笑)

話を戻して、「欲望に目覚める」のは彼女です。どうしようもなく好きだから、たとえアナタが怒り狂ってもこの愛は変わらないわ!!←この作品の重要な部分です。

 

エル・ファニング

アリシア役。とても可愛らしい女性なんですけどね。今回は男性を誘惑する重要な役・・・のはず。しかし彼女はあまり活かされていない感じが非常に勿体なと思いました。

ビガイルドの感想

先ずは良かったと思う点。映像にコダワッたと言うのが各シーンで感じられます。女性達の立ち位置。着ている衣装。木漏れ日。室内のインテリアなど、素直に「美しい」と思えた作品です。

しかし、厳しいことを言ってしまえば、ただそれだけの作品になってしまっているのが非常に残念なところです。

とりあえず全編を通して説明もなく終わってしまうような印象。観客が置いてけぼりをくらうことが何度かあります。魅力的なキャストばかりなのに、キャラクターの個性が見えてこない。多少は説明的なセリフもあっていいと思いますが、それさえもないので、ある程度時間が経ってから、「ああ、そういうことか」ということがよくあります。

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例えばエル・ファニングの役は、彼を誘惑するシーンがあっても良かったはず。白い肌の異常な夜はそれがしっかりと描かれています。ジョンとアリシアがいつの間に危険な関係になったのか全く分からず、いきなりジョンがアリシアの部屋に行くので、「間違えたのか?」「知ってて行ったのか」かなり後になってからわかります。

そう言えば、監督のソフィア・コッポラが来日した時に、色々と語っていましたが、「時代に忠実でありたい」「それを感じて欲しい」と。しかし、感じれたのは彼らの生活様式だけ。南北戦争を背景にしたテーマじゃなくても良い作品になってしまっています。

また、当時は奴隷社会で、本当は召使いも黒人のはずです。これはタブーじゃなくて当時を忠実に描くのであれば登場させるべきですよね。しかも原作では、なかなかよいセリフを言っているので、物語としても重要な人物になってくるわけです。

いや、ホントに色々と残念な作品になってしまっているのですが、なぜか監督賞を取っているので不思議ですよね。

なので、この作品じゃなくてクリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」が私としてはオススメしたい作品です。それぞれの女性が際立ち、時代に忠実な作品として仕上がっています。

白い肌の異常な夜のあらすじや感想はこちら

特に「ビガイルドってこんな内容なのか。」と思ってしまった方にぜひとも71年作品を見て欲しいと思います。

連れ(40代女性)の感想

原作小説を読んでいる途中でしたが、家族が映画を公開日に観に行くというので一緒に見てきちゃいました。劇場のポスターを記念撮影パシャリ。

映画館にて記念撮影

女性達が着る古い時代のドレスが素敵で、映像がきれいでした。おしゃれなインスタを眺めている様に、ロマンチックな衣装や画面を楽しめました。閉鎖的でミステリアス+美しく雰囲気重視+セクシー少々+こわい、映画でした。

物語の内容は、原作と比べてしまうと物足りなかった印象です。残念だったのは、南北戦争という時代設定が衣装以外は生かされてなかったこと。それに、時代や人物の背景がいろいろと説明されてないので、映画だけだと分かりにくいんじゃないかなと思いました。キャストが表情で語っているような雰囲気は好きですが。

女性登場人物ひとりひとりのミニドラマが楽しめる原作小説、おすすめです。(映画を先に観てしまいましたが、これから最後まで読むのが楽しみです。)