かなり怖い結末「白い肌の異常な夜」あらすじと感想(ネタバレあり)

今回は1971年にアメリカで公開された映画。

私が生まれる前の作品で主演は若かりし頃のクリント・イーストウッド。とは言うものの、このとき彼は既に40代。そんな彼が10代の女の子と、あんなことやこんなことを・・・・それは後述するとして、まずはキャストから簡単にお話します。

ちなみにこの作品を知ったのは自分が子供の時に深夜に放送していたのを偶然見ていて、「これは羨ましいな~・・。」なんて多感な時期に思っていたわけです。ある意味、私の映画史の中で強烈な印象を残している作品でもあります。

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キャスト

物語の内容を知る前に出演者を知らないとイメージが湧かないですよね。とりあえず主要な人物だけご紹介しますね。

ジョン・マクバニー(クリント・イーストウッド)

北軍伍長。戦争で重症を負い、森で倒れていたところをエイミーに助けられる。学園では南軍に引き渡されないように、あれこれ画策する。園長には同情や共感を得るために嘘をつき、エドウィナには甘い言葉で囁く。

 

マーサ・ファーンズワース園長(ジェラルディン・ペイジ)

ジョンが回復したら南軍に引き渡すつもりだったが、徐々に心変わりする。彼に心を奪われた1人。兄がいたらしいが今は行方不明。その兄とは兄妹を超えた関係があった。

 

エドウィナ・ダブニー(エリザベス・ハートマン)

学園で唯一の先生。真面目で交際歴はなく、父親が遊び人だったので基本的に男性を信用していない。しかしジョンの甘い囁きに完落ちする。

 

キャロル(ジョー・アン・ハリス)

17歳のおませな女の子。授業中に抜け出してジョンのところへ行き、誘惑する。独占欲が強く、敵に回すと怖い。ジョンとは初対面でいきなりキスをする大胆な性格。

 

「白い肌の異常な夜」のあらすじ

※ネタバレあります

1863年のアメリカ内戦時の物語。

ミシシッピー州の農村部にある女性だけの寄宿学校、マーサ・ファーンズワース神学校の生徒、エミーがきのこ狩りに森へ出かけた時に重症の北軍兵士、ジョン・マクバニー伍長を発見。

エミーはジョンを学園まで連れていき、園長のマーサは彼の傷が回復したら南軍に引き渡すことにしたのですが・・・。

ジョンと生活を共にすることで女性陣たちの心に変化が現れる。厳しい口調だった学園長マーサは必ず施錠していたジョンの部屋を開放し、エドウィナはジョンに恋をし、キャロルは彼を誘惑する。また一番年下のエミーもジョンに恋をしてしまった1人。

ジョンは学園を追い出されないために、エドウィナを味方につけ、園長に媚びを売る。しかしキャロルを嫉妬させてしまったため、北軍兵士がいるという合図の青い布をキャロルが門にくくりつけたことでジョンは危うく捕まるところだった。

園長が機転を利かして、なんとか南軍は帰っていったが、ジョンはキャロルを一層警戒するようになった。

そしてある夜、事件が起きる

ジョンとマーサがワインを飲みながら語り合ったその夜、ジョンの部屋の鍵を開放し、マーサは自分の部屋に戻った。(私の部屋に来て・・ということですね)

その気持に答えようとしたジョンだったが、階段で待ち構えていたのがキャロル。彼女を無視すればまたとんでもないことになるかもしれない。仕方なく、3階屋根裏のキャロルの部屋へ行き、二人はベッドへ・・・。

物音に気づいたエドウィナがキャロルの部屋で二人が抱き合っているのを見て発狂。ジョンを階下へ突き落としてしまい、ジョンは骨折。

マーサは、何を思ったのか、骨折した脚は、放置すると壊疽するから切断するしかないといい、眠らせたジョンの右足を膝下から切断。最初は怒り狂っていたが、冷静さを取り戻したジョンはマーサの部屋にあった銃を盗み、引き出しにあった兄との手紙のやり取りをみて兄妹がただならぬ関係であることを知る。

銃を持ったジョンは酔っ払いながら「これからは俺がここの支配者だ。気の向いた女を指名して遊ぶことにする」と荒ぶったこといい、マーサは何か手を打たないと取り返しがつかなくなると考え、ある決断をする。

ジョンは、マーサが脚を切断したのは自分の部屋に来てくれなかった仕返しだ!と主張。また、生徒の前で園長と兄の関係を暴露され、うろたえるマーサ。

マーサはエミーにキノコを取りに行くように言い、ジョンを夕食に招待する。表面上は「仲直りをするために」ということだが、実はジョンが大好きなキノコは毒が入っていた。(エミーが毒キノコを取ってきたわけではありません。マーサが毒を盛ったのです)

実は夕食に招待される前、ジョンはエドウィナと婚約し、二人で学園を出ようとしていたのだが・・・。

翌朝、死体となったジョンを布で包み、皆で埋めに行き、何事もなかったかのように、また学園生活が始まるのでした。

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映画「白い肌の異常な夜」の感想

まずはじめに疑問に思うのが日本語のタイトルですよね。

「The Beguiled」を直訳すると「騙す」とか「欺く」という言葉が出てきますが、なぜ「白い肌の・・」としたのか。確かに官能的なタイトルではありますが、今なら絶対に却下されるタイトルですね(笑)

2018年2月に公開される映画の副題は「欲望の目覚め」で「The Beguiled」というメインタイトルはしっかりと使われています。やっぱりこうあるべきですよね。

さて、時代背景は1860年台のアメリカで南北戦争真っ只中です。近代化が進み奴隷制廃止を訴える北と、奴隷制存続を訴える南との戦いです。

そしてマーサ・ファーンズワース神学校があるのは南で、ここでも黒人女性が召使いとして働いていました。そしてある生徒が「畑仕事なんて黒人のする仕事よ!」なんて言っていましたから、本当に時代を感じる作品です。

でもこの作品のテーマはあくまでも人の心理です。女性だけで生活している場所に男が紛れ込んだらどうなるのか?表面上はお淑やかに、にこやかにしている女性達ですが、お互いに探り合い欺瞞に満ちた世界に変わっていきます。

もちろん、そこに入り込んだジョンも保身のために平気で嘘をつく男です。

最後は丸く収まるかのように見えましたが、園長が学園を守るために取った行動によって全てが終りを迎えるのです。

最後に一言。キャロルに誘惑されたら私は自信がありません(笑)男性なら一度は憧れる設定ですが、踏み外してしまうと恐ろしい結果になってしまうという典型的な物語ですね。