ドラマ「エイジハラスメント」原作の感想とネタバレ「オバサンと言われたくない女性たち」

テレビ朝日系で7月9日からスタートするドラマ「エイジハラスメント」
武井咲さん主演で女性の年齢に関わるいじめ問題をぶった斬るという内容ですが・・・

どうやらドラマは大きく設定が異なるようですね。
ということで今回は内館牧子さんの原作本を徹底紹介していきたいと思います。

Sponsored Link

あらすじ

30代以上の女性の方に質問します

年齢を気にしていますか?

夫が自分よりも若い子と不倫していたらどうしますか?

簡単にいえばそんなお話なんで、
主人公の30代女性が初めて会社で受けたエイジハラスメント、
外には出さないけど以前から気にしていた年齢、でもそれなりにキレイという自信もあったことから
予想以上にショックを受けて、退職。

更に夫が若い子と不倫するという離婚危機に直面した彼女はどうするのか。
そして突然近所に越してきた夫の妹からの無神経な発言など、
彼女の周りで巻き起こる年齢差別にどう立ち向かっていくか、という内容です。

 

主人公の大沢蜜は「波屋」というとんかつチェーン店で働くパート社員で年齢は34歳。

「私ってかなりイケてる。そこらの34とは違うわ」

という自信があり、
もちろん周りからも「キレイね、羨ましいわ」なんて言われる女性。

でも30代になってから日に日に年齢を気にし始めており、
美容院で流し読む雑誌はどれも「40代からの~」「女性は40代から~」
などなど、自分はまだ30代だからなのか上から目線のセリフが目立つもしっかりと雑誌の内容をメモる彼女が痛々しい。

今回、「波屋」が創立10周年記念パーティをするということで
取引先企業も招待し接待役に駆り出されることになった各チェーン店の女性たち。

その中に主人公の蜜も選ばれ、美容院で髪型もセットし着付けも完璧にして会場に行ったのに
まさかの予定変更。

「社長さん相手なので、やっぱり若い子のほうがいいでしょ?」

ということで上司に平謝りされながら選手交代となったのです。
それでも蜜は感情的にならずに、着物を着てきたのはこの後の予定のためと
余裕をかましながら会場を後にするも、抜け殻のように帰っていったのは言うまでもありません・・・。

34年間生きてきて、初めて受けたエイジハラスメント。
ただ、これから始まる物語の序章に過ぎず、

  • 義妹の差別発言
  • 夫の不倫

と言った問題が彼女に重くのしかかります。
自分は本当に年齢を気にしているのか、それとも他になにか気になることがあるのか
そんな30代の女性の心の葛藤やらが表現された内容ですが
現実的じゃない描写があるのであまりよい評価ではないようです。

 

義妹の挑発的な発言がありえない

夫・直哉には名古屋に住む15歳も離れた妹・英美里がいて、
このほど大学の交換学生制度を利用して東京の大学で学ぶことになり
兄夫婦が居るマンションの別の部屋を借りて暮らすことになったわけですが、
これがまた蜜に凄い好戦的でね・・。

会ってそうそうに蜜にチクリという英美里がこちら↓

「お義姉さんってお兄ちゃんより2つ年下ですよね」

「てことは34歳?」

「なんで?」

「ううん、ただ聞いただけ。お義姉さんとこの前、会ったのっていつだったっけ?」

「英美里ちゃんが大学に入った時じゃなかった?」

「そっか。3年前か。そっか。」

(エイジハラスメントより)

義理の姉にこんな失礼な言い方する義妹っています?w
久しぶりに会って懐かしがってるわけじゃないですよ。
これはまだ軽めのジャブに過ぎませんが、

「女って一気に老けるよね。2、3年ぶりに会ってギョ!とか。」

英美里ヒドすぎw
こんなドイヒーな夫の妹が同じマンションに越してきたことで、
更にストレスの原因が増えたわけですが、この設定にリアリティがちょっと感じられないんですよね。

例えば大学生ですから悪気がない一言ならよくありがちですが
会う度に挑戦的な言動で蜜の感情を逆なでする妹の設定っていったい・・・。

確かに今作の主人公は30代の女性、
彼女たちに「オバサン」と言ってはいけないというのがテーマのようですが、
職場の若い女の子や義妹を徹底して悪者役に回らせるのはいささか矛盾してるのかなと思います。

例えば主人公の蜜さんの発言が、若い子へのエイジハラスメントをはらんでるんです。
ということは、かなり限定したエイジハラスメントをテーマに書かれているので
それが評価に反映されてるのかなと私も思います。

男性に「オバサンって言うな!」というわりに若い女性をバカにしてる主人公、という感じなんです。
だから賛否両論なんでしょうね。

Sponsored Link

夫の浮気から自分を見つめなおすきっかけに

34年間、特に年齢を気にすること無く?生きてきた蜜。
職場でのハラスメント、無神経な義妹で若い子に敵対心を抱くようになっていた頃にまさかの夫の浮気。
しかも相手は大学生で卒業後は北海道で獣医になるのが夢という女の子。

普通なら発狂です、離婚です、完全に終わりです。

夫的に彼女が北海道へ旅立つまでの短い間の情事だからいいだろう、もう会うこともないんだから。
罪悪感はあるものの、罪の意識が薄い夫が許せないのは当然です。

しかし離婚したら私はどうなるんだろう
1人でやっていけるのだろうか?

そんな疑問が湧いてきた蜜は、
看護師の夢を諦めて大学を中退し、親の反対を押し切って直哉と結婚した事を後悔せずにはいられない。
がしかし、

あと1年で大学を卒業できるのになぜ待てなかったのか、
離婚したら周りから「それ見たことか!」

と言われるのが悔しかったからそれも頭に引っかかっていたのでしょう。
彼女の行動は時には嘘をついてまで見栄を張るなどプライドが少々高いところがネックですが
夫の浮気について、言及せずにそのまま受け流した、というのは意外でした。

ただ、彼女も気持ちの整理がつかなかったので、
北海道へ夫の不倫相手に会いに行ったのです。

たまたまきっかけがあったからですけどね。

焦った夫もその後を追うように北海道に向かい、揉め事もなく無事帰ることになりますが
状況が違っていたら未来も変わっていたのでしょう。

  • 北海道で獣医として働いていた彼女の直向な姿をみて追求する気にはなれなかった
  • 二人の関係が終わっていたこと

チャラチャラした子で、今も不倫関係が続いていたなら離婚していたでしょうね、ええ。
でもお互いにそういう話になったら受け入れようと思った二人ですが・・・

 

夫婦のほっこりする場面は良かった

妻が倒れた?!
夫が怪我をした?!

お互いにそんな場面があったわけですが
妻のほうはギックリ腰、夫はこむら返りでしたw

「無事でいてくれたらそれでいい。」

そんな思いでドキドキしながら妻、夫の元へ行ったら
大したこと無くて、しかもギックリとかコムラという言葉で思わずクスっと笑ってしまう。
何だかんだ言ってお互いに心配してるんだなとホッコリする場面でした。

 

さいごに・・・

実は不倫が発覚した時に、何を思ったのか
蜜は親に100万円を借りてアンチエイジングで若返ろうと迷走w
20代の女に負けてたまるか!と思ったものの怖気づいてやめてしまう。

読みながらそれは違うだろうと思いましたが、踏みとどまってくれてホッとしましたw
でも最後まで浮気について妻は夫に切り出さず、夫もまた不穏な空気を感じながらも浮気は胸の奥底に。

二人は高校時代の思い出に浸りながら、やりなおそうよという雰囲気で
離婚は踏みとどまってくれたようですが、まだまだ心配な夫婦です。

そう言えば、結局アンチエイジングをしなかった蜜は
親から借りたお金で大学に通うことを決意。
中退でしたからね。
今の年齢をあるがままに受け止めて何か誇れるものを持とう!
そう誓った蜜ですが、経済的に大丈夫なのだろうかと、これまた心配になった出来事でした。