1巻

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第1巻「あなたのことはそれほど」あらすじ

主人公の三好美都(みつ)は小学生の時に転校してきた有島光軌(こうき)に一目惚れ。中学生になると想いは募るばかりだけど自分からは話しかけることはせず、彼の誕生日にコッソリ机の中にプレゼントを忍ばせたり・・。

そんなある日、光軌から声を掛けられ、言葉をかわす仲になり、美都の部屋に彼が入った時、二人は一線を越えてしまう。しかし、関係はそれっきりでお互いに別々の高校に通うことに。

そして光軌が高校の時に出会ったのが今の奥さんの戸川麗華。優等生タイプで、なんでもそつなくこなし、チャラい光軌とは正反対。彼が突然自分のことを「れいか~」と呼ぶので内心「ドキ!」としてしまった彼女(父親が付けた麗華という名前にコンプレックスを抱いている)

そんな彼に興味が湧いたのか、彼の言葉で心に変化を感じた自分に興味が湧いたのか。あまり積極的な性格ではない彼女が突然、彼にキスをするという大胆な行動に出てから、二人の距離は縮まった。

高校卒業してそのまま交際スタート、そして結婚。周りもびっくりするほどの意外なカップルの誕生だった。

美都の話に戻すと、社会人になった彼女は歯科医院の事務をしており、そこへ患者として訪れた夫・渡辺涼太と出会い、スピード婚。

涼太が美都に一目惚れした感じですが、料理が上手で優しい彼にまんざらでもない美都。

幸せな結婚生活がスタートするかと思いきや、美都と光軌が街で偶然再会したことで新婚夫婦に亀裂が入る。お互いに既婚者だとわかっても別れようとせず、むしろ美都は、この奇跡とも言うべき出会いを大事にしたい!そんな心境だった。

最後の章では光軌の大学時代が描かれていますが、浮気未遂事件が起きている。同じ学生の可愛らしい女の子からアプローチされた光軌がグラつきそうになりましたが、タイミングよく麗華から連絡が来て、事なきを得る。

彼の性格が垣間見れる章でした。

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感想

第1巻から主人公の身勝手でワガママな性格がよくわかりますが、子供時代に片思いだった彼に、そこまで運命を感じてしまう彼女っていったいなんだろう。

結婚した相手は2番目に好きな人とは言え、夫に「子供はいらない!」とまさに子供みたいなことを言ってのける彼女の頭の中はもう光軌の事しか考えていない。

まだ物語が始まったばかりなので、不倫の話はソコソコ。主人公の美都と光軌の子供時代、光軌と麗華の高校時代、美都と夫の涼太の出会いが描かれる1巻。

その中で一番印象に残ったのが、光軌が「れいか~」と呼び、麗華の振り返った表情。私の名前を大きな声で呼ばないでよ~!みたいな恥ずかしそうに怒った表情が可愛かった。

もともと麗華は、光軌に対してタイプが違う人間なので関わることはないだろう、なんて考えていたけど、そんなちょっとチャラい彼に名前を呼ばれて、何か特別な感情が生まれたことに気づいた。

そんな心理描写が上手いな~と思えた一巻でした。

また、イマドキの可愛い女の子と地味な麗華を天秤にかける光軌の行動は、本当にそこら辺にいそうな男子で面白い。妹から言われた一言が胸に響いているのか、家庭環境が複雑な麗華の事が単純に心配なんだろうなと思う。

※妹は「麗華さんみたいな人が彼女なら、本気で選んできてるんだなと兄を尊敬するよ」と言っていました。

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