感想と解説(ネタバレあり)ぼくは明日、昨日のきみとデートする原作小説

ネタバレ注意!私の解説ノート&感想 の続き

ここから読み始めた方へ、お知らせ。
このページは、ネタバレがてんこ盛りとなりますのでご注意ください!小説に書かれている設定に私の考察を加えて、整理しています。

行動メモの必要性(考察と感想)

行動メモと箱は、証拠を作って信じて貰うための「私達の歴史に必要な」アイテム。本文から読み取れたのは、これだけ。

でも、これだけだと納得いかなかった私は、『時尼』を読んで納得のいく答えを見付けました。行動メモの必要性は、会える場所と時間が分かるから!「歴史を変えたくないから会うのではなく、会いたいから行動が知りたい」ってのなら納得できます。

でも、高寿が15歳の愛美に未来(自分の過去)の出来事を伝えた理由は、自分の未熟な過去を知らせて、彼女の苦痛を少しでも和らげたかったのかなと思いました。

どれぐらい具体的に語ったかはナゾですが、20歳の愛美の(不自然なほど)完璧な頑張りを見て来た彼は、そんな彼女のためにかなり詳しく話したのかもしれません。

「いろいろあるけど、僕を信じて!」ぐらいの勢いで、愛美が具体的な未来を知らない方が自然に楽しめそうな気はするんだけどな。「運命」に縛られ過ぎているように見える二人には、切なさよりも悲しさを感じます。

2枚存在する手紙と写真(考察)

んん?手紙もそうだったけど、箱の中には証拠写真がすでに入っているのだから、新しく写真を撮ったらダブっちゃう。

あ、そうか。お互い1枚ずつ所持することにすれば、いいのか。そしたら、20歳の愛美が完全に消えた後は、同時に2枚存在することにはならないですね。

この後、もう少し続きます!

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タイトルの意味を視覚で確認

ここでも、表を使って視覚で確認していきたいと思います。

小説イメージ

分かりやすくタイトルに補足すると「ぼくは(ぼくの日付け感覚で言う)明日、(きみの日付け感覚で言う)昨日のきみとデートする」となります。また、愛美の立場で考えても同じ現象に。

高寿の感覚 愛美の感覚
昨日↓ 明日↑
今日↓ 今日↑
明日↓ 昨日↑

「時が進むほど、相手はどんどん出会いのスタート地点に近付いて」始まりと終わりが重なる。なんとも切ない設定ですね。

日々の感覚を考察すると、恋人が日々記憶を失っていくように感じるのかな?

二人の未来(感想)

待ちに待った20歳の短い恋愛を楽しんだ愛美、彼や彼女にとっての最後の日が描かれる切ないラスト。二人の未来はどうなるんだろう?

高寿はイメージが湧かないけど、愛美は女優として仕事だけの人生を送りそうだな、なんて想像。

一途なのは素晴らしいけど、20歳の二人の15年後は35歳だから、まだ若い。それぞれの世界で良い人に出会って、彼らに新しい幸せが見付かったらいいな~と複雑な気持ちになりました。