映画「不機嫌な果実」感想「南果歩の体当たり演技が魅力※ネタバレあり

4月29日からドラマがスタートするということで
せっかくだから19年前に公開された映画をチェックしようということで観てみました。

主演は南果歩さんで、
「よく引き受けたな」
というくらいとても大胆なシーンがありました。
松竹としては珍しいR15指定の作品になりましたからね。

というわけで今回は映画作品を徹底紹介したいと思います。

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もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)

キャスト

今では母親役などで活躍する南果歩さんも当時は33歳、
不倫をする妻をこれでもかと艶っぽく演じていますが
ある意味彼女の演技があるからこそ、この作品がかろうじて生きているのだと思います。

時代なのか、何となくチープな感じは良しとして
最初のシーンに演技がド下手な石原良純さんを登場させ
これから1時間20分見れるのだろうかと不安にさせられる。

しかし本格的な不倫相手である根津甚八さんとの絡みは
激しく求め合う男女の息遣いやその場の空気感など臨場感は最高。
南果歩さん演じる主人公の女性がアレの最中に男を見つめる余裕のある感じが魅力的でした。

夫が相手をしてくれないから楽しんじゃえ
そこには一切の恋愛感情なんて無いわ!
そんな余裕のある表情を彼女は見せてくれたのです。

そしてもう一人気になる女優さんが鷲尾いさ子さん。

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仲村トオルさんの奥さんで娘が二人いるそうですが
鷲尾さんが原因不明の難病にかかってしまい今現在も闘病生活を続けているとのこと。

私生活がちょっと心配の彼女が今作で演じた役は
高校の時に家出して放浪生活をした後、現在はバーテンダー。
一応、主人公の南果歩さんとは同級という設定らしい。

この女性は映画オリジナルで、
最終的には主人公の満たされない感情を刺激する相手になります。

それにしても石原良純さん演技下手だなぁ・・・(笑)

 

映画「不機嫌な果実」感想

原作を読んだ後なので、ほとんど忠実通りだなというのが第一印象です。
逆に読んでしまったから内容がつまらないのか?と思ってみたりしましたが
やっぱり映像にするほど引き込める力はなく、
夫に相手にされない妻が不倫に目覚めてホンキになり、
不倫相手と再婚するも現実はそう甘くなく満たされない生活がただ待っているだけです。

さて、
原作とはちょっと違うニュアンスにしようと試みたのが
オリジナルのキャラクターである鷲尾さん。

バーに複数の男を連れてくる主人公の南果歩さんは、
なんだか鷲尾さんを挑発しているのか、優越感に浸っているような印象。

鷲尾さんは果歩さんの夫と不倫相手の男二人の合計3人と関係を持ち
誰かの子を妊娠・出産するというエンディングを迎えるのは
予想外の展開でしたが、その可愛らしい赤ちゃんを果歩さんは見せられ、
二人の立場は見事に逆転してしまったのです。

バスを降り、赤ちゃんを抱えさっそうと歩いて行く後ろ姿を
寂しそうに、悔しそうに見つめる果歩さん。

この着地地点は演出はどうであれ原作と同じ。
主人公は不倫では飽きたらず、モチモチとした可愛らしい赤ちゃんを産みたいという
願望へと変わっていったのです。

一人で買い物に行ったりオープンカフェで行き交う人々を眺めてみたり、
やっぱり私は男と関係をもつことしか人生を楽しめないのか?
そんな自問自答をしていた女はいつしか女性しか出来ない出産に憧れを抱く。
しかし離婚し再婚した相手は経済力がなく子育てに苦労するのは目に見えている。

バスに揺られて彼女は何を思っているのでしょうか。
やっぱり原作で度々登場している「私だけが損している」と思ったのかな。
ラストの南果歩さんの気の抜けた表情はなんとも言えないですね。

関連:原作のあらすじや感想はこちら