「下剋上受験」桜蔭の結果は?!原作あらすじ&感想・ネタバレあり

1月13日からTBS系で夜10時から放送されることになった今作。

お受験には全く縁がなかった中卒のお父さんと娘が有名市立中学の受験に挑戦するというお話し。しかも実話ということで早速、書籍を読んでみましたが、物凄い壮絶な受験勉強の日々が生々しくリアルに描かれていました。

これはドラマにしたらさぞ面白いだろうなぁ~、お父さん役には俳優の阿部サダヲさんですからね、ハズレはないでしょう。

個人的にも大好きな方なんですが、子供と一緒に体当たりで演技をするのは「マルモリ」以来なのかな?どちらにしても笑ったり泣いたり怒ったり、喜怒哀楽の表現力が豊かな方ですから、今作に相応しい俳優さんであることは間違い無し。

もちろん主役はお子さんだと思いますが、キーパーソンはやっぱりお父さん。書籍で一番感じたのが父の苦労でしたから、阿部サダヲさんが悪戦苦闘する様子が想像できます。

今回はそんなドラマの原作を徹底紹介したと思います。ドラマを楽しみながら気になったことがあればこちらの記事を見ていただければと思います♪

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簡単なあらすじ

ひょんなことから全国統一小学生テストを受けた桜井家の娘、佳織。しかし2万6千人受けた中、下から数えたほうが早いという散々な結果に終わる。

父親の桜井信一は中卒、その両親もまた中卒。お金に苦労するこの生き方を娘にはしてほしくない。そんな将来に不安を感じた父親が中学受験に挑戦することを決意。しかも最難関と言われる「桜蔭中学」を目指そうというのだからさあ大変!

小学5年生の夏休みも終わり、2学期が始まると同時に桜井家の父娘は無謀とも言える有名私立中学合格を目指して受験勉強をスタートさせたのです。

塾にはあえて入らず、父親自ら指導のもと、参考書を買い漁り、毎日睡眠時間を削って二人三脚で勉強に励んだ二人。

そして1年5ヶ月後、桜蔭中学の門をくぐり入学試験に挑んだ二人。果たして結果は・・・・・

 

「下剋上受験」もう少し詳しいあらすじ※ネタバレあり

娘の全国統一小学生テストで現実を知った桜井家。これはやっぱり遺伝なのか。桜井信一と妻の香夏子は中卒で信一の両親も中卒。流石に娘も中卒とはいかないまでも、一流大学に進み、一流企業に勤めるようなことはまず無いだろう。

これではダメだ!と思った信一は娘に中学受験をさせることを決意。しかし地元の私立中学を受験するのではなく、あの超最難関と言われる桜蔭中学を受験するという。挑戦なのか、無謀と言うべきか、娘の佳織とともに桜蔭中学の受験勉強をスタートさせたのです。

 

なぜ親塾なのか?

もちろん、有名塾に足を運んだようですが、その時に受けた学力テストはご想像の通り。でもそんな結果でも塾に入れるという。しかし塾に入れたからと言って桜蔭に入学できる保証はなく、むしろ無難な中学を勧めてくるだろう。塾に通うにもバカ高い費用を払わなければいけないし妻は絶対反対する。

塾に”カモにされるくらいなら”自分で教えたほうが良い、ということで親塾になったのです。

もちろんそれだけじゃない。「勉強しろ」と言うだけの無責任な親ではなく、自分も一緒に受験勉強をするから「頑張ってみないか?」と娘に語りかけたのです。

 

嫁もドン引き、父親の大胆な勉強スタイル

20011年9月、娘は小学校5年生。貴重な夏休みが過ぎてしまった頃に、桜井家の戦いが始まった。タイムリミットは1年5ヶ月後の2013年2月1日の桜蔭中学入学試験。

父親は早速、書店へ行き、参考書やテキストなど合計で6万円分購入。あとで買い足すことを考えると10万円くらいは掛かる。嫁のパート代が吹っ飛ぶのだからイヤミの一つも言われて当然ですが、これはまだ序の口。

なんと、コンビニに置いてあるようなコピー機を自宅に置いたのだ。リース代は1か月2万4千円。さすがの嫁も激怒したらしく、父親は夜間のポスティングのバイトを始めたそうですが、直ぐにやめてしまったとか・・・夜は予習をしなくちゃいけないから・・という言い訳で^^;)

 

ただ、勉強するだけじゃダメ!創意工夫のやり手オヤジ

本当に父親の信一さんは中卒なのだろうか?本を読んでいるとつくづく感心してしまうのが父親の勉強スタイルだ。

例えば10分で解かなければいけない算数の問題を30分以上かかってしまうとする。普通なら反復して練習すればきっと10分で解けるようになるよ。そんな楽観的な考えでは絶対に短時間で弱点を克服出来ない。そこでお父さんはふと考えてみた。

10分で解ける人と解けない人の違いは何か?

そんな時はやっぱり本屋さんに行くのが一番いい。書店で計算に関する本を読んでみると計算の仕方がまるで違う。「46×7=」は「40×7」と「6×7」を別々に計算して最後に足せば計算がし易い。

早く解ける人は数値の見方が違うのか・・・。塾の先生なら直ぐにこうした計算方法を教えてくれるはずだが、親塾ならそうは行かない。それでもお父さんは「なぜ?」を追求して問題を解決したのだから凄い。

また、子供が問題を間違えた場合はどうするのか?

例えば漢字の書き取りテストで書けなかった漢字はノートに100回書く。と言うのは罰ゲームのような感じで子供のモチベーションが下がってしまう。だけど、子供が間違えたら、お父さんが10回漢字を書くというスタイルを導入した。けっこうこれで子供は頑張るらしい。

こんな感じで二人三脚でただ頑張るだけでなく、限られた時間を有効に活用して子供のモチベーションを維持しつつ受験勉強に励む。それが桜井流の教え方だ。

 

親が教えるデメリットは何か?

子供がなかなか覚えない。同じことを何度も説明するとついカッとなってしまい、怒鳴ってしまう。他人の子供なら我慢できることが自分の子供となると理性が働かないことがある。

その夜に怒鳴ったことを反省し、またそれを繰り返す。桜井さんの場合は、イライラを押さえるために心療内科で薬を処方してもらい、毎日バクバク食べて乗り切っていたとか。皆さんは決して真似しないでください。

 

最初で最後の貴重な夏休みの過ごし方

1ヶ月以上ある夏休み、桜井家はどのように過ごしたのか。実は1日の勉強時間は12時間以上!朝9時から深夜1時30分まで続いたという。小学5年生の夏休みの過ごし方ではありません。しかし6ヶ月後には桜蔭中学の受験日が迫っており、詰め込まなければ時間がない。

夏休みが終わっても朝7時に起床し、学校が終われば夜1時まで勉強。眠くなれば娘と一緒にコンビニまで行って眠気を吹き飛ばす。”桜蔭を目指す”、自分は最難関の中学を目指しているんだという気概をモチベーションに変えて親子は頑張る。

 

禁じ手、ついに強行手段に出る父親

2013年1月、来月には桜蔭中学の入学試験が控えているが、このままでは間に合わない。苦肉の策として学校を休むことに決めた父。そう、1月全て・・。

体の不調ということで休ませてもらったわけですが、1ヶ月休んで受験に失敗し公立に通うことになったらどうするの?それなら受かりそうな私立を受験したい・・・。娘の真っ当な意見に心揺れそうになりますが、そこは我慢して父親は桜蔭を受けることを押し通した。

 

桜蔭中学の入学試験の結果は?

実は、落ちてしまったのです・・・。

2011年の9月から2013年1月末まで親子二人で頑張った受験勉強。1年5ヶ月、睡眠時間を削って毎日数時間机に向かって猛勉強しましたが結果は不合格。

でも試験を受ける前日、娘さんは1年5ヶ月という短いようで長かった壮絶な受験勉強の日々の感想を父親に聞かれると

「けっこう楽しかったね」

と言ったそうです。この一言は父親にとってどれほど救われたことかわかりません。普通なら「大変だった」「しんどかった」と本音がポロッと出そうですが、お父さんに気を使ったのか、それとも本当に勉強を楽しんだのかわかりませんが、その楽しさを教えたのは紛れもなく父親である信一さん。

さて、佳織さんは公立に通っていると思いきや、実は別の有名私立中学に通っているのです。決して父を責めること無く、むしろ今こうして友人とともに勉強していることが嬉しいという佳織さん。

日々の何気ない授業が楽しくて仕方がないそうです。そんな娘さんに育て上げたお父さんの努力は桜蔭中学合格を手にすることはできなかったものの、素晴らしいものを手に入れたのではないでしょうか?

 

「下剋上受験」の感想

本編がスタートする前に著者の桜井さんの「おことわり」のような話しが最初に書かれてありますが、かなり学歴コンプレックスをお持ちの方なんだなと言う印象でした。「中卒」という言葉に強い劣等感を感じ、周囲の人達は自分の事をどのように見ているのか?そんなことも気にされる方でした。

実は私もお恥ずかしながら中卒で、桜井さんの気持ちは痛いほど分かるんです。

社会に出てから見えない大きな壁があり、それ以上は先に進むことが出来ない。もちろん自分が選んだ道なので文句を言うつもりはないですが、社会に出てしまうと中々修正をすることは難しいんですよね。

私は結局、大人になってから高校卒業資格を取って通信で大学を卒業しましたが、だからと言って一流企業に勤めているわけではありません。それでも結構満足していますが、ただ、何が言いたいかというと桜井さんのように、もし自分に子供がいたら、私立の中学も含めて色んな選択網があるのだと教えるでしょう。

私は小学生の時、本当にバカでした(笑)知らないことが多すぎでした。知らないということは時には「損をする」ということも大人になって初めて気付いたわけですが、特に義務教育の時はとても貴重な時期だと思いますので、この時期の親御さんの教育はとても大切なのだと痛感します。

桜井さん親子が落ちてしまった原因はなんなのか

これはあくまでも私個人の意見なのですが、圧倒的に足りなかったのは「時間」でしょうね。5年生の9月から勉強を始めたわけですから、もし1ヶ月前の8月からスタートしていれば、かなり違っていたと思います(1日8時間勉強するとして約1ヶ月240時間勉強出来ますからね)。もし4年生から始めていればもっと違っていたでしょう。

桜井さんは教えるセンスが良いので、時間配分を考慮して無理のない受験勉強をされていたと思います。結局、時間が足りないので1日の勉強時間が多くなり、睡眠時間が削られる。寝不足が続き、集中力が低下したり暗記しても忘れてしまうような状態もあったでしょう。

桜井さんいわく、頭が整理整頓出来ず、必要な時に必要な知識を取り出すことが出来なかったのでは?と語っています。ゴチャゴチャの机の引き出しから目的のものを取り出すことは困難ですからね。

余裕をもって計画的に進めていれば、知識の整理整頓をしながら寝不足にならずに、受験対策が出来たかもしれません。

でも娘さんは有名な私立中学に入学し、今勉強が楽しいと言っているわけですから、お父さんと過ごした日々は無駄じゃなかったということです。

見習うところは沢山ありますが、決して真似はできませんね・・・^^;

改めて本当に”凄い人”だと思います。

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