「これは怖い」ドラマ「火の粉」原作のあらすじと感想ネタバレあり

ミステリー小説にふさわしい最後の場所は

バカ息子俊郎は相変わらず武内を信じきっており
そんな武内とこっそり計画していたのが別荘での休暇。
両親に骨休みして欲しいと俊郎が考え、武内の別荘でやることになったのですが、
それに気がついた尋恵は動揺を隠せない。

武内が待つ別荘に尋恵、俊郎、まどかが先に向かい
父親は後で行くといい、自分の中で解決できていなかった
自傷行為について的場邸で確認していたのです。
種明かしは前述した通りで、梶間勲もそれに気づく。

しかしそんなことをしている暇はないだろうとツッコミたくなるのが我々読者。
あなたの家族が危ないですよ!と声を大にして言いたいですが
彼はホントに最後の最後まで頼りない人間だった・・。

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さて、別荘ではこれでもかともてなしをする武内は
時間がかかるバウムクーヘンを暖炉の前で汗をかきながら作っていた。
しかしここ別荘で池本の死体を見てしまった尋恵は食欲がなく
頑なに拒否し続けたことで武内の怒りが爆発、
さすがの俊郎も武内の豹変に驚き、帰ることになったが
素直に帰らしてもらえるはずがありません。

怒り狂った武内はまず俊郎を、そして尋恵に襲いかかる。
そこへ現場に到着した父と雪見ですが、立ち尽くす父に対して
雪見は義母の尋恵とまどかを助けに武内と対峙する。

そして俊郎が殺されるという寸前で父・勲は武内に怒りの鉄拳を叩きつけるのですが
やはり何をするにも遅い、遅すぎる。

結局、父親の一撃で武内は絶命し、家族は一命を取り留め、
勲は懲役1年6ヶ月の実刑で幕を閉じた。

2年前の一家3人が殺された事件は隣に住んでいた池本夫妻に飛び火して
更に判決を下した梶間一家にも燃え上がるほどの火の粉が飛んできた。

「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」

確かに梶間勲は自責の念にかられていただろうけど
介護を妻に任せたり、司法の道に進んだにもかかわらず
死刑と向き合うことが出来なかったことから、彼の性格がなんとなく垣間見れる。

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兄弟がいる中、母を引き取り、マイホームを建てて
それで自身の責務は果たしたと考える淡白な夫、そしてそんな夫に素直に従い
1人で義母の面倒を見ていた尋恵の献身ぶりは日本女性の鏡です。

そしてバカ息子の妻の雪見も、武内の策略にハマり
一家から引き離されてしまったが、何としても家族を守らねばと
心強い嫁を演じてくれた。

この物語は真犯人に無罪を言い渡してしまった男の物語ではなく
その妻と嫁の活躍を描いた作品であると改めて感じました。