2018年4月30日に最終巻が発売されたので早速読んでみました。
結末に納得がいかない人続出で「炎上」しちゃいましたが、確かに「う~ん」ていうところもあるんですけどね~。
そんなわけで今回は10巻の内容をサクッとご紹介したいと思います♪
もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)
「恋は雨上がりのように」10巻のあらすじ
年が明け、ファミレス「ガーデン」はまだお正月休み中。
雪がコンコンと降りしきる中、店長のアパートへ手編みのセーターと手紙を持って出かけた橘あきら。お正月の挨拶というよりも店長に誕生日プレゼントを渡すのが目的です。
とくに部屋ですることもないので、二人は初詣に出かけて解散する予定だった店長。でもあきらは店長の部屋に戻りたいらしく、送っていくから車に乗ってと言っても中々乗ろうとしない彼女。
「あたし、絶対に乗りません!」
日が暮れるから早く帰ろうと言っても、帰りたくないという。そんな駄々をこねるあきらに店長は、あの部屋に戻っても俺が橘さんに出来ることはないと、あるのは書きかけの原稿と万年筆だけだと彼は言う。
「橘さんにも待たせたままの季節の続きがあるんじゃないの?」
と言われたあきらは「走りたい・・・」と素直に答えたのです。
帰りの車の中で、お互いに「今日のことは絶対に忘れない」と言っていたので、二人の恋物語は多くを語らずにこれで終わりかなという感じです。
でも、店長は「橘さんは忘れたっていいんだよ」と彼女に言ってましたが、17歳のこの片思いは一生忘れないでしょうね。むしろ店長のほうが忘れてしまいそうな気がしますよね。
店長・近藤の妄想
あきらが店長のアパートでくつろいでいた時、(俺と橘さんが同級生だったら・・・)という妄想シーンが結構なページ数で描かれていました。
橘あきらはもちろん陸上部に所属していて、近藤は新聞委員。陸上選手としての橘にスポットを当てた記事を書くことで二人の接点を作り、お互いに気になる存在として、やがて恋が始まるのかな、という妄想ストーリーでした。
そんな妄想をしていたもんだから、不意にあきらから「学生時代に運動部と接点ありました?」と聞かれてギクリとする店長でした。
実際に橘さんと付き合うことはありえない、でも自分がもし若かったら・・・と思うとステキなラブストーリーが待っていたのかもしれない。そんな店長の気持ちが妄想シーンでヒシヒシと伝わってくるので、ちょっと寂しい気持ちになってしまいました。
気になる最終話の結末
あれから約5ヶ月後・・、青空が美しい6月のある日、陸上競技場で県大会が行われていました。
1年のブランクがあったのに、見事復活した橘あきら。そして他校で一年下のライバル倉田みずきも出場しており、親友の喜屋武はるかが見守る中、倉田を抑えて優勝したあきら。
気持ちよさそうに走る彼女の姿を見て、そして帰ってきてくれたあきらを見て思わず泣き出してしまう親友。
そして店長はというと・・・、
スタッフに「店長、凄い!おめでとうございます!」なんて言われていましたが、別に店長が凄いわけじゃなく、同級生の九条ちひろが芥川賞を受賞したのが話題になっていただけでした。
確かにあきらが県大会で優勝し、店長が芥川賞を受賞!なんて展開は出来すぎますからね。店長はあい変わらずガーデンで働く毎日を過ごしているわけです。
ちなみにあきらから貰った手紙はまだ読んでいません。何が書いてあるかなんて今となってはどうでもいいこと、なんて男らしいこと言ってますが、未練があるから彼女との恋はそのままにしておきたいという思いの現れじゃないかと思ったり。
別れ際、店長はあきらに可愛らしい日傘をプレゼントしており、県大会の日、あきらは自慢げにそれをさしているシーンで10巻は終わりでした。
日傘とあきら。彼女の心の中で降っていた雨はあがったのかな、というラストですね。
「恋は雨上がりのように」10巻の感想
オジサンの妄想と、予想していた結末。高校生の片思いが成就しないのは仕方がないですが、結構アッサリと終わってしまったので4年間の連載は何だったんだと思う人も多かったんじゃないかな。
あっさりと恋を諦めた主人公のあきらちゃん。悩んでいた1年間って一体・・・。
キュンキュンしていた読者は完全に置いていかれた感じになってしまうのは仕方ないですよね。
大人になった橘あきらがファミレス「ガーデン」を訪れて店長と再会。もちろん恋愛に発展しなくてもいいですが、二人が語り合っているシーンで終わるのも悪くないのにと思ったり。
二人の恋愛はともかく、問題はサブキャラです。
喜屋武と山本先輩の恋の行方は?
加瀬は腹違いの姉に恋をしていますが、その後二人はどうなったのか?
西田さんは吉澤にフラれたけど、祖母宅の二人のキュンキュンシーンはなんだったのか?
17歳の売れっ子小説家を登場させた理由は?
全て消化不良のまま終わってしまっているのが残念。あとは読者の皆様のご想像におまかせします的な。「片思い」をしているキャラが多いのもこの物語の特徴でもありますが、どんな展開でもいいのでその後が知りたかったのが正直な感想です。
ただ一つ言えることは年下の女の子から言い寄られて理性を保ち続けた店長はある意味、凄いと思いました。実際にいないと思いますよ、こんな人(笑)