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1961年60号の中身は?
(出典:60号より)
この号で一番の目玉となるのが「洗濯機のテスト」です。
当時は三種の神器と言われていた電化製品のひとつ。
各メーカーから発売されている商品の中から12種選び、
使いやすさ、洗いあがり、耐久性などを比較するというものです。
(出典:60号より)
東芝、サンヨー、シャープ、日立、ナショナル、富士。
こうしてみると今はないメーカー、存続が危ぶまれているメーカーなどがずらりと並んでいますが、
この時代は手回しの脱水機が付いた製品がまだまだ主流であることが分かります。
テストをした結果は?
表示通りの分量が洗えるのはシャープの脱水装置付きだけ
驚くべきことに表示通りに衣料を入れると回らない洗濯機があり、
「表示の8割を入れたほうが回りやすい」というとんでもない説明書きもあったとか。
じゃあ8割程度に減らして景気よく回るのかといえばそうではなく
5割程度にへらしてようやく一人前に働き出す洗濯機もあるようです。
ここで面白いのが本誌のコメント
「いくらハッタリ時代とはいえ倍にもふっかけるというのでは技術や良心や伝統や奉仕やらの看板が泣きましょう」
(引用元:60号より)
こんな時代が日本にもあったんですね・・・。
今では考えられません。
そして汚れが一番落ちるのはナショナルの噴流式、落ちにくいのは日立噴流式と三菱攪拌式
しかし洗い時間は各洗濯機の説明書通りで行っているので
一番汚れが落ちるナショナルの洗い時間が長いことを考慮したほうが良いという見解になっています。
その他、
・ゆすぎ時間が早いのは?
・衣服を傷めないのは?
という洗濯機にとって大切な項目と、あとは扱いやすさをテストされていました。
(当時はダイヤル式が主流だった)
脱水装置が付いたものもあったが、絞り器で絞ったほうが効率が良いという結果に。
上の写真のように洗濯機の横にハンドルが付いていたんですよね。
結局、編集部がA評価を出せる製品は一つもなかったようで、
12種のうち、B評価が2点、それ以外は評価なしという結果となりました。
改良の余地がまだまだあるのに製品化した感が否めなく、
このようなテストをなぜメーカーはしないのだろうと疑問に思います。
しかも編集部は自腹でやってますからね、
今回、一台あたり22000円前後の洗濯機を12台も購入して試験に挑んでいるように、
商品テストは本誌の中でも本気度が違います。
例えば、これは朝ドラでも取り上げられるエピソードだと思いますが、
ベビーカーを100km押して耐久性を試したり、
昭和39年74号では電気ミシンのテストに2630909円投資しています。
そういったことを考えると、160円(当時の本誌の値段)でこんな貴重な情報が手に入るのですから
安いものですよね。
以上、60年前、50年前の「暮しの手帖」のご紹介でした。