ネタバレを恐れずサクッと整理!原作小説「精霊の守り人」の世界と感想

私も大好きな人気女優の綾瀬はるかさんが出演する、知的好奇心がうずく異世界ファンタジー『精霊の守り人』。今まで小説を読む機会は無かったけど、気軽に見れるドラマなら観てみようかな~と思う人もいらっしゃるでしょう。

しかし、ドラマ放映は大きく間を開けながらの三部作。(小説は全10巻+短編集2冊からなる大作シリーズですもの!)

細かな設定を忘れがちになりそう…

そこで、広大な世界設定を気軽に楽しむために、
あれこれ整理してみました。

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長期に渡るドラマ『精霊の守り人』、設定や用語を確認しよう!

ドラマや小説を楽しむ時に「あれ、これってなんだったけ?」と、さかのぼって確認したい瞬間が多いので、独特な設定や用語をメモ整理する特集ページを作りました。

水の精霊の卵と怪物『精霊の守り人』ネタバレあり

1冊目から、面白い!

凄腕の用心棒である主人公のバルサが守るものは、強烈にハードな案件。

バルサが守る、皇子チャグムが命を狙われる原因は、怪しげな力を持つ精霊の卵が宿ってしまったため。

宿ったモノが皇子に危害を加えるものだと、ヤバイ!

しかし、先住民の知恵(言い伝え)によると、退治しなきゃいけない怪物では無く、逆に「守らなきゃいけない精霊が生まれる卵」らしい!

恵みの雨を降らす精霊なので、無事に生まれないと悲惨な水不足で住民の命が危なくなるかも…

皇子だけでなく、多くの国民を守るために卵を守りたい!

ここで面白いのは、
バルサにとって2種類の敵が存在する事。

単純に大好物の卵を食べたい怪物ラルンガと、
複雑に精霊(真実)よりも政治(権威)を守りたい国の役人達。

どちらも、精霊を守らない存在です。

この地で生きていくために守るべき精霊の真実が、隠される悲しさ。

国と帝は、民のために、どうあるべきなのか?

真っ直ぐ命懸けで大奮闘するバルサに守られる帝の息子・皇子チャグムが、少しずつ、優しくたくましく成長していく様子も見所です。

庶民の暮らしや、先住民の文化、異世界を知ったことで知見が広がり、将来どんな統治者になっていくのか楽しみ。

「食欲」に誘われて水の精霊の卵を狙う、ラルンガ。
退治されるのが可哀想な気もしてくるけど、
鳥の卵を狙う獣のように、作物を狙う害虫のように、食われたくない生物と退治して生きたい人々もいることをグルグル考えちゃいました。

続いて、ドラマのシーズン1の原作となる
小説『精霊の守り人』『流れ行く者』の
あらすじと感想をまとめています!

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どんな内容?各巻あらすじと感想

東洋テイストに親近感と湿度を感じる、
異世界ファンタジーが心地良い。

もあっとした水の匂いや、土の匂いを感じながら読みました。

初めて読むのに懐かしさを感じる気がするのは、
小説の文化圏が自分にしっくりくるからなのかしら。

もしくは、児童文学として書かれたこの作品が、
児童文学を読んでワクワクしていた子供の頃の私を思い出させているのかも。

※新ヨゴのモデルは日本らしい。
また、周辺国はモンゴルやインドなどアジアのあちこちの国に似ていると言われています。

【ドラマのシーズン1原作】1作目『精霊の守り人』

1冊目から、面白い!

特に魅力的なのが、異世界の在り方と謎解き♪

この世(サグ)にダブって存在している異世界(ナユグ)。
草木と重なる深い水の風景…
精霊の卵が見せるナユグの風景は、とても魅惑的。

そして、キーワードを導く
先住民ヤクーの血を引く者たちの活躍が頼もしく、楽しい!

ストーリーのあちこちに散りばめられた、
謎解きキーワードを見付けるとワクワクしちゃう♪

100年に一度の大きな自然のサイクルに、
地上に生きる人間達も組み込まれているのも面白い!

『精霊の守り人』あらすじ

舞台は、山脈と海に囲まれた新ヨゴ皇国。
偶然か必然か、まるで運命に選ばれたかのように出会う、
「守られる存在」と「守り人」が繰り広げる物語。

凄腕と評判の高い30歳の女用心棒・バルサは、
11歳の皇子(おうじ)チャグムを守るため、逃亡の旅に出る事になる。

逃亡の原因は、皇子チャグムの体内に
「妖しい力を持つ水妖のようなモノ」が宿ったため。

皇子の父である帝が放った手強い追手や、
異世界の怪物との戦いは、まさに命懸け!

この地に長く住む先住民ヤクーの言い伝えをヒントに、
歴史の中に隠され、埋もれた答え(解決策)を探すバルサと皇子の命懸けの旅の結末は?

さらにストーリーを盛り上げるのは、
ブラックな大人の事情。

ファンタジーを引き締めるかのような、
権力者や政治のブラックさが後味の悪いスパイスに。

まるで史実の歴史ドラマみたいな厚みのある世界や、
命のやりとりが児童文学から溢れ出します。

なぜバルサは命懸けで「守り人」となるのか。
他者を守るために生きるバルサの重い過去と心境が、興味深い。

子供なりに感じて、大人なりに読み取る人間ドラマ。

まさに、著者の文庫版あとがきにある
「子供が読んでも、大人が読んでも面白い物語を書きたいから」に納得。

著者のあとがきと言えば、
読者に向き合う、こんな考え方が好き♪

どんな風土で、どんな暮らしが営まれているのか、
その匂いまで感じられるくらいに書きこまねばなりません。

出典:短編集『流れ行く者』あとがきより

えぇ、読みながら色々な匂いを嗅いだ気分です。
一番印象的な香りは、怪物ラルンガを引き寄せる花(蜜)の匂い。
こんな匂いかな?と想像が膨らみました。

小説の表紙以外はイメージイラストのない文庫版を読みましたが、
著者の丁寧で分かりやすい説明上手な文章のおかげで、
人々の暮らしや建物、大自然、異世界の風景をスッと思い描きながら読めたんだなと思います。

長い物語の始まり、1巻『精霊の守り人』。
1冊だけでも満腹感を味わいました♪

【ドラマのシーズン1原作】短編集『流れ行く者』

流れ行く者、好き!

長編シリーズが終わった後に書かれた短編ですが、
ドラマに合わせて2冊目に読んでみました。

人それぞれだと思いますが、
私にとっては『精霊の守り人』の次に読んで正解!

バルサやダンダが子供の頃の物語が書かれているので、
キャラに対しての理解や愛着をすばやく得られたと思います。

まだ「守られる側のバルサ」が描かれる短編集

バルサたちが、何を感じながら、どうやって育ってきたのか?
周囲の大人達の言動を含め、とても興味深く読みました。

未熟さや、あどけなさが可愛い♪

短編集『流れ行く者』紹介

大人のバルサが活躍するシリーズの番外編、
というか、過去編が4話書かれています。

短編だからか、バルサ達が可愛いからか、
あっという間に1冊読めちゃいました。

『浮き籾(うきもみ)』

ダンダが生まれ育った農村の様子やトラブル、
小さい頃のバルサとダンダの関係がゆったりと微笑ましく描かれます。

年上で頼りになる、気性の荒いバルサ。
心の奥底まで優しい、癒し系ダンダ。

子供目線で描かれるストーリーは、日本昔ばなしを読んでいるみたいな雰囲気。
ちょっとオカルトチックで、子供が楽しめそうな物語だなと思いました。

『ラフラ<賭事師>(かけごとし)』

刺客に追われる13歳のバルサと養父ジグロは、
ダンダやトロガイが暮らす地域を離れ、ロタ王国の賭博場で働いて生活。

器用で賢く度胸が良いけど、まだまだ未熟なバルサが可愛らしいお話し。
ジグロがバルサを育てていく描写を興味深く読みました。

ラフラとは、店に雇われて賭け事ゲームを仕切る職業。
賭事師として生きる(仕事だと割り切る)老女アズノの人生観が大人向けな読み物。

『流れ行く者』

養父ジグロが高熱で倒れて寝込んでしまったため、
非情にも用心棒を解雇され、賭博場から去ることに。

新しい高額報酬の仕事は、商人の護衛。
ベテラン揃いの順調な旅に思えたが、一転してバルサに大ピンチが訪れる!

定住出来ない流れ者の苦悩と、
金を貰って命懸けで客を守る事の報われなさが切ない。

『寒のふるまい』

数ページで書かれた、エピローグ的なお話し。
1話目でバルサを見送ったダンダが、
そわそわワクワクしながらバルサの帰りを待つ姿が可愛い。

癒しキャラのダンダが、
今回の旅で傷心したバルサをきっと癒してくれるはず。

この他の10冊はまとめて大人買いして、刊行順に読んで行きたいと思います。
各国の陰謀が重そうだけど、ファンタジーにつられて読めそう!

バルサとタンダって、お似合い♪結婚しないの?ネタバレ

ファンタジーや戦闘アクションが目立つ物語ですが、
ドラマになると増量強化されやすいのが、恋愛ストーリー部分。

バルサの背負った過去は重く、
恋愛する気になれない様子ですが

子供の頃から親しい、
バルサとダンダの恋心の描写にも期待が膨らみます♪

1作目の『精霊の守り人』から既に
いい雰囲気のバルサとダンダがゴールインできるか、気になっちゃう。
しあわせになって欲しい~。

そしたら、なんと!

シリーズが終わった後の短編で、
結婚したバルサとダンダの物語が描かれているそうです♪

ドラマでも描かれるといいな~。
最後のシメで読みたいお話しです。

※『「守り人」のすべて 守り人シリーズ完全ガイド』に収録

続いてのページは、登場キャラ徹底紹介。