2010年9月に出版されたシリーズ第1弾。
探し物専門に扱う探偵事務所の日暮旅人と保育士の山川陽子の出会い。本当の親子ではない旅人と百代灯衣が気になる陽子は彼らをサポートすることに。不思議な目を持つ主人公の探偵物語のスタートです。
あらすじ
短編4作品からなる今作。
第1章の「椅子の声」では家具職人と資産家のお嬢さんの恋物語。本編とは関係ないので端折りますが、プロローグとしては素晴らしい、ほっこりするお話しで、主人公・旅人の不思議な能力が早くも披露される。
第2章の「探しものはなんですか?」は、旅人の娘・百代灯衣が通う保育園の先生・山川陽子が登場。灯衣を迎えに来るはずの保護者が来ないので、陽子は自宅まで送り届けることに。その時に自宅が旅人が運営する「探偵事務所」だと知る。
探偵事務所は繁華街にあり、灯衣の環境はあまり良くないことから、この親子をサポートすることにした陽子ですが、少しずつ旅人の人柄に触れ惹かれる。この章では陽子がキーホルダーをなくしてしまい、依頼したわけではないけど、旅人が雨の中探し出してくれた。実はこのキーホルダー、保育園の時に旅人が持っていたもので、誤って陽子のポケットに入ってしまい、旅人は引っ越してしまったので陽子がずっと持っていたのだ。
この時、旅人はもちろん気づいてたと思うけど、陽子はまさか旅人と保育園が一緒だったとは想像もつかなかったでしょう。
第3章の「景色の神秘」は本編とは関係ない短編。そして「地中の詩」では陽子が園の遠足で出かけた公園で深い穴に落ちてしまうハプニングが発生しますが、旅人が無事救出。
そして陽子が保育園児の時に埋めたタイムカプセルを掘り起こすエピソードは旅人も焦ったでしょうね。一緒の保育園に通っていたことを陽子に知られたくないと思っていたわけですから、なんとか防ぐことが出来たものの、なぜ彼は知られるとまずいのか、そこら辺は謎のままです。ただ、「ある人物を見つけ出すまでは気づかれるわけにはいかない」・・・らしいですよ。
感想
陽子と百代灯衣の繋がりだけでなく、実は幼いころ、保育園で一緒だった旅人と陽子。しかし何も言わず引っ越してしまった旅人のことを思い出せない陽子。まさか目の前の人物がキーホルダーの持ち主で、保育園の時に好きだった男の子だとは思いもよらない。
主人公自身のこと、娘のテイのことなど謎が多いままで終わったシリーズ第1弾。次が楽しみです♪