ドラマ「下町ロケット」の相関図とキャストについて

池井戸潤さんの代表作が10月秋にTBS系で放送されます。
主演を務めるのは二枚目俳優からコメディまで何でもこなす阿部寛さんで
ヒロインは朝ドラの顔となった土屋太鳳さん。

阿部さんが出るだけでかなり胸アツな私ですが
ぜひとも大ヒットしてほしい作品です。

前回は原作のあらすじや感想をご紹介しましたが、
今回は企業間の構図、主要登場人物キャストについてのまとめです

※ドラマ情報がまだ少ないので入りましたら更新していきます

原作の感想はこちらでご紹介しています

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もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)

キャスト(主要人物のみ)

佃航平(阿部寛)
幼いころは宇宙飛行士になるのが夢。宇宙科学開発機構の元研究員でロケット打ち上げプロジェクトの主要メンバーだったけどプロジェクトの失敗で退職。父親の後を継いで佃製作所の社長となる。

佃利奈(土屋太鳳)
航平の娘。中学2年生で何かと父親を煙たがる思春期にありがちないまどきの女の子。そっけない態度だけど父親のことが嫌いなわけじゃない。

佃和枝
夫が健在の時は専務として働いていたため今でも社員からは専務と言われることも。プライベートで唯一の相談役とも言える。娘との間に上手く入り込んでくれるクッション役

沙耶
元妻。利奈が生まれて航平が家業をついだ後に離婚。航平とはサークル仲間だった。今はキャリアウーマンで国際的に活躍している。

 

佃製作所

殿村直弘
白水銀行からの出向者。真面目な性格で今回のゴタゴタでは経理部長として奔走してくれる。感情を表に出さないタイプだが、感極まって泣くことも。主要取引銀行からの出向者だけあり、お互いに遠慮している部分があるが、会社のことを真剣に考える殿村の本心を知った時からグッと距離が縮まっていく。(個人的に2番目、3番目あたりの主人公と思っています)

山崎光彦
見た目は正にオタク系でコミュニケーションがちょっと苦手。航平の大学時代の後輩。根っからのメカニック。

江原、迫田、真野(若手社員グループ)
所属は違うけど社長と意見対立する若者たち。

 

ナカシマ工業

三田公康
特許侵害を訴えた張本人。「法を守っていれば何したっていいんだよ」と目的のためなら手段を選ばないやり方は

 

帝国重工

財前道生
宇宙航空部 開発担当部長。このまま行けば出世コース。実はナカシマ工業の三田とは大学の同級生。佃に対して初めは「所詮、中小企業の社長だ」と高をくくっていたが・・。

富山敬治
財前の部下。宇宙航空部 宇宙開発グループ主任。スターダスト計画の目玉だった新型エンジン開発に関わる特許を佃に先を越されてしまい、事あるごとにそれが態度に出てしまう。

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下町ロケットの「相関図」

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(帝国も、あわよくば買収という話も出ていた)

とりあえず企業間のみで作ってみました。
時系列にまとめると、

1、京浜マシナリーが年間10億円規模の取引中止を宣告
2、ナカシマ工業が理不尽な特許侵害訴訟を起こす(狙いは買収)
3、主要取引銀行の白水銀行から3億円の融資を断られる
4、帝国重工が佃製作所の特許の譲渡・使用許可の交渉に乗り出す

京浜マシナリーは下請け企業に対して容赦の無いコストダウンをすることで有名。
今回は更に悪質で一方的な取引停止という暴挙に出る。

売上の1割を占める取引企業で増産の話もあったことから設備投資をしていた佃製作所にとって大きな痛手となり
更に追い打ちを掛けるようにナカシマ工業の訴訟の話が出てくるのです。

実はこのナカシマ工業という会社はマネシマと言われている通りパクリ企業で有名。
そして何が悪いってパクって自分の物にしようとするのだからたちが悪い。

今回も佃製作所に何ら否があるわけではないですが、
知的財産権のエキスパート弁護士を抱えるマネシマに対してこちら側は分が悪い。

更に先行きが不透明なばかりか、経営危機に陥ってしまう佃製作所に対して貸し渋るのは
いくら父親の代から取引がある銀行といってもこればかりは仕方がない。

白水銀行とは揺るぎない信頼関係があると思ったのに・・・

しかしそれは企業側の勝手な思い込みであり、
例えて言うなら整理ポスト行きが決まった株式に誰も投資しないのと同じ。

今回、銀行の担当者や支店長は状況によって態度が変わるという
いかにも悪者として描かれていますが現実はもっと残酷なのかもしれません。

 

そうした難局をなんとか乗り切った後に、一度も取引実績のない最大手の帝国重工が
名乗りを上げたのはロケットエンジンに搭載されるバルブシステムの特許を
佃製作所に先を越されてしまったからなんです。

「小さい会社なんだからさっさと特許をよこせ!」

と言いたいところだけど、そこはグッと我慢して佃製作所の門を叩いたのが
帝国の宇宙航空部開発部長・財前道生という人物。

彼は、
佃の品質を肌で感じた時、心の中で少しずつ変化が現れたのです。

しかし彼の部下で開発責任者の富山は最後まで佃を認めようとしなかった。
それもそのはず、自分が開発したバルブシステムを僅差で先越されたのだから
技術者としてのプライドをズタズタに引き裂かれ、立場がないのである。

帝国重工では財前と富山の対立を描くなど、
大手だから全員悪という描き方ではなく、もう一人若手技術者である浅木のように
佃製作所に誠意を持って接してくれる人物も存在する。

ここで整理すると、
はじめに登場した京浜マシナリーやナカシマ工業、白水銀行などは
悪として表現されていますが、帝国は内部の対立で人物を際立たせて
複雑な相関図を作り上げています。

もちろん佃製作所の内部もしかり。
若手メンバーの真っ当な主張、経営は夢物語じゃないなど
我々も生活があるんだと、かなり現実的な意見を述べています。

そうした企業間の対立で終わること無く、開発者として、営業マンとして、社長として
時には思春期の娘の立場など、それぞれの考え方が交差し衝突しあう描き方が
今作のキーポイントなんじゃないかと思いました。

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