ちらほら出てくるミステリーの名作たち
本作では密室・アリバイ・時間・足跡などなど基本的なミステリーネタを、それぞれの話で楽しむことが出来ますが、実はさり気なく名作ミステリーを紹介しちゃってる箇所が幾つかあるのです。
綾羅木幸三郎が出張で娘の有沙の子守を橘に頼むというのがいつものお決まりパティーンなんですが、その出張先の事件がこんな感じ↓
1、岡山で落ち武者伝説にまつわる8つの連続殺人事件
2、ナイル川をクルーズする豪華客船の船内で、大富豪が何者かに銃で打たれて死ぬ
3、瀬戸内海の孤島で起きた三姉妹連続殺人事件
4、爬虫類のたくさんいる館で起こった密室殺人事件
5、降矢木家という謎めいたお屋敷で、弦楽四重奏の楽団員が連続して殺害される事件
どうですか？
知っている作品はありますか。
1は「八つ墓村」、2はナイル川に死す、3は獄門島、4は爬虫類館の殺人、5は黒死館殺人事件です。ミステリーに興味が湧いて、次に何読もうかなと思っている方は上記の名作を読んでみるのも良いかもしれませんね。ただ、「黒死館殺人事件」はかなり難しい内容なので覚悟が必要です（笑）
さて、今作の感想はと言うと、専門用語など難しい言葉は出てこないのでスラスラ読める。31歳の何でも屋と10歳の「ふしぎの国のアリス」のコスプレをした女の子という凸凹コンビが殺人事件トリックを暴いていく・・・と言うより有沙がトリックを解明して橘が横取り、プンスカ怒った有沙がポカポカ橘の背中を叩くというのがパターンです。
ドＳで泣き虫、そして暴力的という怖いもの知らずのお嬢様でも時には10歳の女の子らしい一面を覗かせることもある。4話のラスト、橘に「抱っこして～！」という彼女の甘えたセリフはこれまでのドＳっぷりを全て帳消しにしてしまうほど可愛らしさがある。
これはシリーズ化されるのでしょうか？もし続編が出たら読んでみたいと思える作品です。
