1983年に公開された映画。
主演は「セーラー服と機関銃」で人気女優となった薬師丸ひろ子と松田優作。殺人事件に巻き込まれる女子大生とボディーガードを頼まれた探偵のラブロマンスを描いた作品。身長差30cmの二人に注目です。
もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)
あらすじ
キャスト
新井直美(薬師丸ひろ子)女子大生
辻山秀一(松田優作)探偵
直木幸子(秋山リサ)辻山の元妻で今は和也の愛人
国崎剛造(藤田進)組長
国崎和也(鹿内孝)組長の息子 殺される
国崎三千代(中村晃子)和也の妻
岡野(財津一郎)組の幹部
永井裕(北詰友樹) 直美のあこがれの人
進藤正子(坂上味和) 永井の恋人
基本的にはこちらの原作のあらすじを参考にしていただければ良いと思いますが、映画では登場人物の設定と真犯人が違っていました。
暴力団の組長の息子・和也が殺されたことで、ホテルで一緒だった幸子が疑われる、というのは同じです。原作であれば、隣の部屋にいた岡野が排気口を通って和也を殺したのですが、映画ではなんと、直美と同じ大学に通う進藤正子が犯人でした。
和也が経営するキャバレーにバニーガール姿でバイトしていた正子。そこで売春もしていたらしく、辞めたいと思っていたが、「両親に言うぞ」と脅され、辞めるに辞めれず、和也に殴られることもあったので、和也に対する憎しみは増していったのでしょう。
原作を知っていたので、「え?犯人違うの?w」と思っていましたが、この物語はラブロマンスがメインですからね。細かな設定はあまり気にすることはありません(笑)
憧れていた大学の先輩との恋は失恋に終わり、落ち込んでいた時に辻山と出会う。もちろん、直美にとって”ただのおじさん”ですし、自分を付け回すストーカーという第一印象は最悪です。
でもあれよあれよという間に、辻山に恋をしてしまう。セリフがなくても彼女の表情を捉えたシーンが満載で、乙女心が存分に楽しめる一作となっています。
なので薬師丸ひろ子を楽しむ映画でもあるw
この映画が発表される前から”売れっ子”だった彼女。更には相手役にはちょっとクセのある俳優・松田優作との絡みにファンも「うわぁ~~~!!」ってなったはずw
ラストシーンのキスは衝撃ですからね↓
当時、清純派女優として人気だっただけに、かなり体を張ったシーン。現在のドラマのキスなんて唇がちょっと触れる程度で「きゃ~」なんて言ってますからね。あんなのはキスじゃないと言わんばかりの名シーンでした。
そして私が一番印象に残っているシーンがこちら
松田優作に「探偵ごっこじゃないんだぞ!」と怒られるシーン。
(なによ、私だって真剣なんだから!)
なんてセリフが聞こえてきそうな可愛らしい表情の彼女。ストーリーももちろん面白いですが、何よりも彼女を見て楽しむというのがこの作品の醍醐味かもしれません(笑)
感想
探偵と女子大学生という普通なら絶対に関わることのない二人。年齢差もありますが、何と言っても30cmの身長差がさらに二人の年齢のギャップを感じさせるのでしょう。
物語としては途中から自然と方向が変わる点も面白いですよね。初めは直美の問題でしたが、幸子という元妻の登場でストーリーがガラリと変わり、ヤクザも登場するハチャメチャな展開に。
それでも一貫して変わらないのが直美のラブロマンス。「出会い→片思い→別れ→旅立ち」原作では二人は結ばれますが、残念ながら映画ではハッピーエンドにはなりません。
なんとなく想像していた通りの展開で、逆に原作は「出来すぎている」と思えるくらいですから、丁度いいです。確かに真犯人が変わっていたのは予想外でしたが、空港で熱い~~~いキスを交わしたあのシーンが全てを吹き飛ばしてくれます。
エンドロールは、直美を見送る辻山の姿が静止画ではなく映像としてずっと流れています。この時、彼はどんな思いで、1人佇んでいたのか。色々想像を掻き立てるラストでした。