1983年に公開され大ヒットとなった今作。
主演はオーディションで特別賞を受賞した当時15歳の原田知世さん。
ブレンディのCMでお馴染みのあの人です。
松任谷由実さんが作曲した主題歌も大ヒットも後押し、
芸能界入した翌年にスクリーンデビューを果たしスターへと駆け上がった彼女。
今回、たまたま視聴する機会があったので観てみましたが
岸部一徳さんとか懐かしい面々も登場し、当時の時代を楽しみました。
と言っても自分は子供だったのであまり覚えていませんが・・・
ということでシリーズ化された初代の作品をご紹介したいと思います。
もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)
「時をかける少女」あらすじ
土曜日の午後、理科室の掃除を任された芳山和子(原田知世)が
実験室で人の気配を感じ、入ってみると試験管など使われた形跡があり
フラスコが床に落ちた状態で液体が漏れ、白い煙が立ち込めていた。
液体の匂いを嗅いだせいか気を失い、
同じ掃除当番だった深町一夫(高柳良一)と堀川吾朗(尾美としのり)に運び出され
気がついた時は医務室だった。
そんなアクシデントが起きてから、彼女は時空を超える能力に目覚め
過去へ、そして何故このようなことになったのか真実を求めて時空の旅をする。
キャスト
(1983年公開の映画のラストシーン)
当時15歳という原田知世さんのスクリーンデビュー作。
芸能界に入って間もないですから演技に初々しさがあって、とにかく可愛い彼女。
「と~き~を~、か~け~る~しょう~じょ~♪」
映画の主題歌も彼女が担当し大ヒットしましたね。
あのメロディーは一度聞けば頭から離れません(笑)
劇中では学生服・弓道着姿・体操着と彼女の10代の魅力がこの1作に凝縮されているのが嬉しいところ。
さて、肝心の未来から来たという謎の人物&深町一夫を演じた高柳良一。
この人、演技下手だな~と思ってみていましたが、実は監督から
棒読みで演技するようにと言われていたらしい。
どうも、大変失礼いたしました。
結末がわかった上でもう一度彼の演技を見てみると面白いかもしれませんね。
そしてもう一人の男子生徒で和子に想いを寄せている堀川吾朗を演じたのは尾美としのり。
彼は幼い頃からすでに芸能界で活躍しており、
私が印象に残っているのは「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」「結婚できない男」「あまちゃん」。
もちろん他にもたくさんドラマや映画に出演しており、脇役として欠かせない存在です。
優等生キャラの神谷真理子を演じた気になる女優・津田ゆかり
(教室のシーンより。左が津田ゆかり)
彼女は主演の原田さんと同じく1982年のオーディションで受賞し芸能界デビューしますが
1986年になんと引退。まだまだ活躍される人だったはずですが残念ですね。
有森也実さん系の綺麗な方で個人的に凄く気になった女優さんでした。
そして教師役を演じた岸部一徳さん。いや~若いですね。
世代ではないですがザ・タイガースで一世を風靡し、後年は俳優としての地位を確立。
今作では生徒同士の恋愛だけでなく、教師の恋愛も、面白おかしく描かれているのも見どころの一つです。
映画と小説の決定的な違いは結末か
まず、全体像として小説はSF色が強いですが、
映画は恋愛とSFのバランスが半々と言ったところ。
和子は深町に恋をし、堀川は和子に恋をする。
そしてもう一度観直してみると、優等生キャラの真理子は堀川に思いを寄せているのかな?と思わせるシーンがありました。
それが先ほど上で紹介した画像になります。
後ろで和子と堀川がお喋りをしている時に、うつむき加減で冴えない表情をする真理子。
こうしたカメラワークは小説では絶対にできない表現の仕方なので面白いですよね。
そしてもう一つ決定的に違うのは結末です。
小説では深町が未来へ帰り、その後はまた来るかもしれないという終わり方をしていますが
映画では和子が大学生になった時に実際に戻ってきています。
「薬学部の実験室はどちらでしょうか?」
「それなら、この先よ」
「ありがとう」
去っていく彼の後ろ姿を眺めながら
(どこかで会ったことあるような・・・・)なんてことを思ったのでしょうか。
もちろん記憶を消された和子が気づくことは無いと思いますけどね・・・。
さて、80年代の作品ですから、演出はチープさがあるのは否めませんが
出演する俳優のアップを大胆に映し出すシーンが多く、
会話でなく表情で表現しなければいけないので、出演者も苦労したのかなと思います。
そう考えると15歳の原田さんはよくやったと思いますよ。
映画の最後にNGシーンがほんの少しだけ流れますが、「ゴメンナサイ!」という表情が可愛くて辛い・・・(笑)