映画「海街diary」の原作漫画の感想「色んな事が共感できる作品」

2015年6月13日に公開される映画「海街diary」。

鎌倉で暮らす4姉妹の生活を描いた青春ドラマで、

どこにでもありそうな話だけど、ちょっとだけ複雑な家庭環境・・・、

様々な出来事が起こりながら、姉妹や同じ街で暮らす人々と

支えあい、励まし合いながら生きていく、ほっこり系のストーリー。

 

読む前から雰囲気だけで、なんとなく良さそうだなぁと思って手に取りましたが、

想像通りほっこりしますし、笑いどころもちゃんと抑えた女性目線の文体に好感が持てました。

たぶん女性の方なら「あっ、これ分かるぅ~!」という場面が多々あるのではないでしょうか。

私は男性ですが、そうした日常生活で起こりうる出来事が作品の中にたくさん散りばめられている日常青春ストーリーです。

関連:映画を観てきました!(別の人の感想です)

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複雑な家庭環境で親に恵まれなかった4姉妹

 

鎌倉で暮らす三姉妹は幼いころ、父親が不倫で家出、

その後母親も男を作って家を出ていき、祖母と孫の姉妹だけで暮らすことに。

便りのなかった父親の訃報で山形に出向いた時、

腹違いの妹・すずと出会い、四人は一緒に鎌倉で暮らすことに。

そこから物語が始まるわけですが、上記の通りかなり複雑な家庭環境なので

姉妹の結束力はどこの家庭よりも強い印象を受けました。

 

すずを最初に見た三姉妹の印象は中学生なのに

落ち着いていて大人の印象を持ったようですが、

実はすずはこの山形で自分の居場所を見つけられずに、

”時間が止まった”状態でいました。

 

それを察知した長女の幸が

「鎌倉で一緒に暮らさない?」

と声をかけたのがきっかけ。

すずはその場で即答し、鎌倉で三姉妹とともに暮らすことになったのです。

 

ただ、すず自身、自分の母親が三姉妹の父親を取ったという負い目を感じており、

そうした気持ちが時々、表に出てきて感傷的になってしまう時もしばしば。

もちろんそんな時は姉妹のフォローがしっかり入りますけどね。

 

この漫画は時間が止まっていた四女すずの成長ダイアリーでもあり

母親が他界した後、父は新たに再婚。

そんな父親もガンで亡くなってしまい、心閉ざしてしまうすず。

傍から見ると”しっかりものの中学生”なんだけど、

実は心の扉は固く閉ざされており、

そんなすずを敏感に察知した姉妹との出会いで、大きく変わっていくすずの人生。

 

「鎌倉に移り住んでよかったね。」

 「悩みがあることはいいことだよ、選択できる余地があるってことだから。」

 

新しい友だちも出来、好きな人も出来た。

部活を通じて関わっていく人たち、

そして将来のことを考え始めたすず。

高校はどこへ行けばいいのだろう?

このままサッカーを続けていいのだろうか?

 

学生時代に青春を謳歌しきれなかった私にとって、

すずの人生は、辛いこともあるけど充実しているようで、ホッとしました。

父の死がきっかけというと、ヒドい言い方ですが、

父のお陰で三姉妹と出会えたこと、

中学生らしさを取り戻したすずは感謝しているのかもしれませんね。

 

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愛の狩人、次女の佳乃

長女のサチと、何かと喧嘩が絶えない次女ですが、

何だかんだやっぱり姉妹。

口を利かない日が続いても、カマドウマ(便所コオロギ)が発生すれば、

長女に救援を求める次女がなんだかかわいい。

 

次女は、男運が無いというか、

その場のノリで付き合ってしまう傾向があり、

姉妹からは、それで突っ込まれることが多々あり。

でも、最近の”愛の狩人”は、路線変更したのか、

全く眼中になかった職場の上司が気になる存在に。

タイプを変えたというより、今まで気が付かなかった

上司の人柄に気付き始めた、というところでしょうか。

現在、ターゲットロックオン状態で、

次女の恋愛も今後の楽しみの一つとなっています。

 

愛の旅人、長女の幸

「昼間の月が見えるとなんだか得した気分」

と、すずが言っていましたが、

幸もまた何かに気付き始めたようです。

幸の職場シーンで度々登場するおっちょこちょいの”アライさん”。

周りからは”仕事ができない人”と言われ、ちょっと残念な方ですが、

実際にミスをしたり遅刻をしたりと幸がカバーすることもあるわけです。

 

そんな彼女の短所しか見ることが出来なくなってしまった幸ですが、

大切な彼女の長所を見落としていたことにハッと気づく。

 

患者やその家族の心のケアを誰よりも大切にしているアライさんとともに

緩和ケアの病棟で少しずつ成長していく幸。

このアライさんという人物、名前だけで今のところ姿を見せてくれません。

いったいどんな容姿なんだろう・・?

そんな楽しみもあるわけです(笑)

 

この物語はすずの何気ない一言から物語が繋がっていくというか、

長女と次女のエピソードへと流れていく感じが、この本の王道パターンなのかな。

上記のように例え話からエピソードで拾う箇所は多数あります。

 

港町ならではの料理が魅力的

鎌倉といえば海の幸が豊富で

作品の中にも度々美味しそうなシーフードが登場します。

鎌倉に行ったら食べてみたい生しらす丼や、ちょっと変わったしらすトースト。

そしてアジのフライなんかも鮮度が良くて絶対美味しいんででしょうね。

だからこの本を読んでいると鎌倉に行ってみたいと思っちゃうんです(笑)

 

映画「海街diary」のキャストはイメージと違う?

長女の幸役を演じるのはこじらせ女子の綾瀬はるか。

現在「きょうは会社休みます。」の印象が強いので、ちょっぴりイメージと違うかな。

もともと彼女は天然系ですから、しっかり者の長女をどこまで演じる事が出来るか。

 

また、すっかり清純派から大人の女性に変化した長澤まさみの次女役は、ある意味マッチしてそうです。

2015年6月13日公開される「海街diary」。

身近にありそうな出来事で共感できる、感動する作品になるか、注目ですね。

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