それなりにじっくりと小説を読み終えて期待を膨らませ、公開初日(2018年6/8)に観てきました。原作と同じく、恋愛なしのお仕事ハートフルストーリー。ピアノ、森、音を操る調律師、期待せずにはいられない音楽と映像美・・・
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映画のあらすじ
静かに雪が深く積もる北海道。高校生だった頃の主人公・外村(山﨑賢人さん)は、ピアノ調律師・板鳥(三浦友和さん)と出会い、彼が鳴らす「故郷の森を連想させる」ピアノの音色や仕事風景に深く興味を持ったことがきっかけで調律師を目指すことに。
専門の学校で基礎や技術を学び、地元に戻って板鳥さんが働いているお店に就職する。新人の外村はコツコツと仕事を覚えようとするが、お客さん相手の調律に四苦八苦。それは、まるで深い森の中で迷うような感覚。
同僚の先輩調律師・柳(鈴木亮平さん)に励まされたり、板鳥さんに支えられながらも、仕事の失敗が心に響く。調律が上手く出来ない・・・
人当たりも手際も良い先輩・柳、元ピアニストで耳が良い大先輩・秋野(光石研さん)、海外の有名ピアニストから指名を受けるベテランの板鳥。周りは凄い人ばかり。
自分には『才能』が無いのかと落胆して悩む外村は、お客さんであるピアニストの姉妹・ 和音(上白石萌音)と由仁(上白石萌歌)とのショッキングな出来事に心を打ち砕かれる。そして、その先には・・・。
↑映画館にて、案内ポスターを記念撮影。
原作と比べて、ざっくりとした内容や登場人物は同じだけど、凝縮させてあったり膨らませたり。映画ではテーマをハッキリさせて描かれていた印象。細部は違うけど、始まりと終わりは一緒でした。
映画化された『羊と鋼の森』の感想
ピアノとは縁のない私ですが、楽しそうに弾く姉妹の連弾や、情熱的なプロのコンサートシーン、じわりと心に響く久石譲さんのエンディング曲に心を満たされました。雰囲気があって静かな映画は好き。でも、私の感覚ではテンポが緩く思えたのか、2回程ちょっと眠たくなっちゃいました。
一番印象に残った映像表現
結婚披露パーティー開始前にピアノをお試し演奏する和音が、深そうな水中でもがきながら、ゆっくりと光に向かって浮上していくシーン。プレッシャーや苦難に「もがく姿」が青い水中で表現されている映像に見惚れました。
原作で好きだと思ったエピソード
無口でけだるそうな青年の散らかった自宅にて、長年放置してあるようなピアノを調律するお話し。やっぱ映画でも良いシーンになっていました。青年の笑顔が見れて満足です。
ピアノ演奏曲、BGM
予告でも流れていたエンディング・テーマは、明るいけどジーンとくる。いかにも久石譲さんっぽくて好き♪心の奥底がくすぐられながらも安堵する素敵な曲。じっくりと聞きたかったので、曲が終わり劇場が明るくなるまで大人しく座っていました。(←暗いうちに席を立つタイプ)
原作の小説が気に入っちゃったので
映画化される原作を読んでみようというのが小説を読むきっかけだった割に、凄く小説を気に入ってしまいました。結果、私のお気に入り評価は小説が(星満点の)5だとすると、映画は星3ぐらい。小説を気に入り過ぎた反動で辛口です。
私の好きなセリフやシーンが欠けていたり、私が思い浮かべていたキャラクターの細かいイメージが異なっていることも多かったので、その点がマイナス理由です。
小説では、天気や風景、心境が心地の良い言葉で表現されていたので、それを脳内で自分なりにロマンチックにイメージしてみたり。ぼんやり表現されている部分を「こうかな?いやこっちかな?」なんて、想像するのが楽しくて。
映画を見た後でも、前でも、原作の小説おすすめです!
最後に、作品情報を少々。
作品情報
2018年6月8日公開
映画化キャスト
外村(山﨑賢人 さん)
由仁(上白石萌歌さん)
和音(上白石萌音さん)
板鳥宗一郎(三浦友和さん)
秋野(光石研さん)
北川(堀内敬子さん)
柳(鈴木亮平さん)
濱野(仲里依紗さん)
外村の弟(佐野勇斗さん)
原作は、同名の『羊と鋼の森』(作者:宮下奈都さん)。映画公開前に漫画化もされている(漫画家:水谷愛さん)。