10月28日に公開となる今作。
天使と悪魔が2009年でしたから、実に7年ぶりとなるシリーズ最新作です。
トム・ハンクス演じるラングドン教授がまた事件に巻き込まれてしまうわけですが、今回は規模がデカイ。人類の生命を脅かす犯人のプロジェクトとは一体なんなのか?そしてラングドンはなぜイタリアのフィレンツェに来ているのか?
非常に気になる内容だったので公開前に小説を読んでみました。ダン・ブラウンの作品は初めてですが、読み応えありますね。
で、タイトルにも書き加えましたが、見事に騙されました(笑)ラングドン教授が騙され、そして我々読者も見事に騙される。
それでは地獄編にふさわしい欺瞞に満ち溢れた世界をご紹介していきたいと思います。
もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)
簡単なあらすじ
ハーバード大学教授のロバート・ラングドンが目覚めたのはフィレンツェの病院だった。
担当医のシエナ・ブルックスいわく、何者かに襲撃された時に拳銃で撃たれ、銃弾が頭頂部をかすめて意識を失ったという。
2日間の記憶が全く無いことから、なぜイタリアへ来て、そして襲われたのか分からない。そうこうしている内に、拳銃を持った女がまたラングドンを襲いに病院を襲撃。
シエナの同僚医師が撃たれ、ラングドンとシエナは間一髪で病院を抜け出し、シエナのアパートへ身を潜める。身の危険を感じたラングドンはアメリカ総領事館に連絡して救援を要請。しかし彼の元へ来たのは病院に現れた黒いスーツを身にまとった女だった。
なぜ?
政府に狙われているのか?
ラングドンはジャケットのポケットに身に覚えのない金属製の筒を発見。調べてみると投影機だとわかり、壁に映し出された絵はボッティチェリ作の「地獄の見取り図」だった。しかし原画と一部違うことに気づき、隠された暗号を読み取ると「探して見つけよ」と分かる。これは幻覚で見た女性の言葉と同じだ。
自分がなぜこんな物を持っているのか、なぜフィレンツェに居て命を狙われているのか?シエナと共に真相究明に乗り出すのだった。
もう少し詳しく「インフェルノ」あらすじ(ネタバレあります)
自分の置かれた状況を理解できないまま、追われているので逃げながら真相究明に乗り出すラングドン。
暗号を解読し、たどり着いたのはダンテのデスマスクでしたが、ヴェッキオ宮殿の展示室は盗まれた後でした。監視カメラの映像を確認するとラングドンと美術館の館長イニッツィオ・ブオーニがデスマスクを盗む姿が映し出されていました。
追われる身なのに更に窮地に立たされるラングドン。もちろん盗んだ記憶は全く無い。イニッツィオはデスマスクを盗んだ当日、心臓発作で倒れて亡くなりましたが、亡くなる直前にデスマスクをとある教会に隠したらしい。その場所は彼の秘書を通じて知ることが出来たので、デスマスクを無事手にいれることに成功。
この時に世界保健機関の職員と名乗る人物がラングドンに接触。フェリスと名乗る彼は、どうやらラングドンがなぜフィレンツェにいるのか知っているらしい。急いでいたのでとりあえずフェリスも同行することに。
デスマスクの裏に書かれたメッセージは、どこかへ導こうとしているようにみえる。マスクの所有者は生化学者のベルドラン・ゾブリスト。
メッセージを読み取ったラングドン達は一先ずサンマルコ大聖堂へ向かったけど、ここで世界保健機関の局長エリザベス・シンスキー率いるSRS(監視・支援対応チーム)にラングドンが捕まり、シエナだけが逃げ延びる。
シンスキーから真相が明かされる
幻覚の中で見た謎の老齢の女性は、まさに目の前にいるシンスキーでした。もちろんイタリアに来たのは彼女の依頼。ゾブリストが残した脅威を探し出すためにイタリアにきたのですが、大機構(世界規模の組織力がある秘密結社?)の組織メンバーがラングドンから投影機を奪い取ろうとしていたのです。
「取り返そうとした」と言ったほうが正解かもしれません。ゾブリストは誰にも邪魔されずにウィルスの研究がしたいと大機構に依頼。シンスキーが所属する世界保健機関などの邪魔が入らないように外界との繋がりを遮断し研究に没頭。そして作り上げたのが人類の脅威となるウィルスでした。
そしてゾブリストは投影機を指定した日にシンスキーに渡すよう大機構に依頼したのですが、それよりも先に情報を入手したシンスキーが投影機を盗み出した。依頼された日よりも早くシンスキーの手に渡ったので大機構はラングドンから投影機を奪うことになったのです。(かなり複雑ですね・・・)
ゾブリストは世界保健機関に挑戦状を叩きつけ、自分のプロジェクトを阻止できるものならしてみろ!ということなのでしょう。
大機構は依頼主がまさか危険な人物だと知らなかったので引き受けたわけですが、事実を知ったことでシンスキーに協力。そして今回、シンスキーと会ったラングドンはことの真相を知ったのです。人類の危機が迫っていると。
ゾブリストが残した動画メッセージにはとある地下神殿の場所で、そこには水がありビニール袋が浮いていました。水溶性ビニールで数日掛けてゆっくりと溶けて、やがて中身が放出される仕組みになっている。その期日が明日。間に合わなければウィルスが解き放たれて世界に一気に拡散される。
ゾブリストのメッセージを頼りにイタリアを駆け巡るラングドンはやがて間違いだと気づき、ビニール袋が設置されているのはトルコのイスタンブールだと分かる。
シエナ・ブルックスはどこへ行ってしまったのか?
かなり重要な部分なので知りたくない方は気をつけてくださいね。
ラングドンと離れ離れになったシエナはどこへ行ってしまったのでしょうか。
実はですね、彼女は医師ではなく、ゾブリストの元恋人だったのです。ずっと孤独に生きてきた二人は惹かれ合い、恋人になったのですが、ゾブリストが研究に没頭するようになってからは彼女との連絡も断ってしまったようです。
彼女はようやく彼を発見したのですが、それは教会から身を投げる瞬間だったのです。死ぬ前にゾブリストがシエナに送った手紙にはプロジェクトの全容が記されていたので、彼女は彼の意思を継いでウィルスが世界に拡散されるようにしむけた・・・・・ということはありません。
シエナはラングドンと離れた後、ゾブリストが設置したビニール袋があるイスタンブールに来ていたのです。もちろん阻止するために。
ではどうして彼女はシンスキーに協力しなかったのか?
シエナは、政府にウィルスの技術が渡れば確実に兵器化されることを危惧していたのです。だから単独でゾブリストの計画を阻止しようとしていた。
ラングドンとシンスキー率いる世界保健機関、そしてソロで行動するシエナ。果たしてウィルスが入ったビニール袋は回収できたのか・・・。
長くなってしまったので結末は次のページです。