2014年11月29日に公開された注目の映画
「寄生獣」を観てきましたので感想を綴ってみたいと思います。
ネタバレも含まれますのでご注意くださいね。
キャストの演技
泉新一を演じた染谷将太は、ちょっと頼りない感じの高校生がハマリ役でグッド。
映画では父親は登場せず、母子家庭という設定で、母親との絆も更に深い印象を受けました。
母親が殺されてしまう設定なので、映画では特に母親を重要な人物として印象付けたかったのでしょう。
母親が寄生獣に殺されてしまった後、新一が唸るように泣き叫ぶシーンや、
複数の死体を目の当たりにして、呼吸が乱れますが、数分で落ち着きを見せるシーンなど
若手俳優の中では今注目されているだけあり、演技も素晴らしかったです。
また、今回特に注目したいキャストは寄生獣の中でも特異な存在、田宮良子。
深津絵里が好演していますが、これがまた冷酷で血の通っていない冷たさがにじみ出ており
完結編での活躍も期待したいところ。
泉新一を脅すセリフなど、淡々と喋る姿は本当に怖いの一言。
同じく寄生獣役として出演した東出昌大。
漫画での島田君は笑いませんが、映画では、これでもかと笑っていましたw
しかしその笑いも不気味さが出ているので、彼の口角が上がると非常に怖い。
ストーリー
漫画の内容を全て映画に詰め込むわけにはいかないので、
かなりカットカットで繋ぎ合わせて創りました、という感じです。
それでも内容は薄っぺらくなったわけでなく、もう一つの寄生獣の世界を十分楽しむ事が出来ました。
ただ、少し残念なのが、新一の仲間が出演しないこと。
顎に寄生された宇田さんのキャラは濃くて面白く、
絡みは漫画だと重要な部分を占めており、
例えば母親の脳を奪ったパラサイトにとどめを刺すシーンは
「新一くん、君が殺すべきじゃないよ」
みたいなことを言ってくれたのが宇田さんでした。
映像にしたら面白そうなんだけどなあ。
映画では新一1人で母親を殺したパラサイトと対峙しますが
実際に母親の肉体を目の前にしてとどめを刺すなんて中々できないですよね。
演出
ミギーに右手を食われてしまった新一は、
早速、街を歩きながら右手を前に出し、人差し指は目玉が!!
ミギーと喋りながら歩くシーンなど、人前はまずいんじゃないの?と
思える場面が多数ありで少々違和感。
でもこの作品ならではの”血みどろさ”は上手く表現されており、
生徒が真っ二つにされてしまうシーンや
新一が重症を負い、数日後に意識を取り戻して立ち上がるシーンは、
固まった血で衣服が床にへばりつき、バリバリとめくれるところは、そこまで表現するのかとちょっと感動。
CGに関しては頭部が変形する過程などは、内部構造も見えてある意味リアル。
しかし硬質化した刃物の様なものは、硬さがあるようには見えず、
もう少し金属のように冷たく硬いイメージで表現しても良いのかなと思います。
どちらかというと透明感があるような感じでした。
でも戦闘シーンは十分楽しめましたけどね。
そう言えば、パラサイトが湧いて出る最初のシーンは、海からでした。
生命の誕生は海からと言うことも含まれているのか分かりませんが、
作者的には宇宙人では無く、たんぽぽのワタのようにふわっと現れるイメージだそうですよ。
そしてもう一つ、漫画で見落としがちなシーンが、
寄生獣同士は向き合って会話しないこと。
これ、映画でもちゃんとやってくれましたよ。
どうしてお互いにバラバラの方角を向いているのだろうと不思議に思いますが、
寄生獣達は、後ろにも目をつけることが出来ますし、前後の概念が無いんですよね。
ちょっと嬉しかった演出の一つでした。
完結編へ予告
2部構成というのは、皆さんもご存知なので、
映画が終わってエンドロールが流れても誰一人帰りませんでしたw
当たり前ですね。
最後のシーンは、新一とミギーが会話している所を誰かが隠し撮りしている場面。
この誰かというのはもちろんフリーライターの倉森なんでしょうね。
倉森といえば、顎に寄生された宇田さんも関わってきますので、
映画では新一1人で解決するのでしょうか?
映画でのストーリーも気になるところです。
完結編では子供を産んだ田宮良子の最期や、無敵の後藤との決戦。
後藤の登場でCGもフル活用されると思いますし、
画面いっぱいに暴れまわる姿も見どころです。
次回作は更に環境問題が本ストーリーに関わってくることや、
新一とミギーの別れもどうなるのか非常に気になります。
来年が楽しみですね。
関連:「寄生獣 完結編」感想
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