2018年10月19日(金)公開の映画の原作小説を読みました。映像化に向いてそうだと感じるこの作品は、借金生活に苦しむ男が幸運にも「3億円」という大金を手に入れた物語です。あまりにも高額なお金に戸惑い、かつての親友にアドバイスを貰おうとするのですが・・・
鑑賞後の確認用にどうぞ!この先ネタバレが含まれます。
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映画の原作『億男』あらすじ&感想(ネタバレあり)
登場人物の説明を入れながら、あらすじを紹介していきます。まずは、主人公とその家族について。どんな境遇の男が、どうやって3億円を手に入れたのか?
主人公はどんな男?借金の理由と家族について
大倉一男(おおくらかずお) この物語の主人公。借金の返済のために、昼は図書館司書、夜はパン工場で働いて稼いでいるので時間や体力に余裕がない。返済予定は30年以上先と、まさにお金の奴隷生活を送っている。借金の原因は弟。3千万円もの借金を残して2年前に失踪してしまったため、一男が肩代わりしているのだ。
そして現在は妻や娘とは別居中。たまに妻から連絡が入り、娘と会える日もあるが妻は同席しない。唯一の同居人は猫のマーク・ザッカーバーグ、若くしてIT長者となった男の名前が由来である。 |
まどか 一男の一人娘、9歳。家計を心配して一生懸命に節約する、両親が大好きな少女。 |
万左子 図書館で出会って結婚した。出会った頃の彼女は「心から欲しいものがない」と真剣に悩んでいたが・・・。 |
どうやって3億円を手に入れた?
娘とデートしていた日、親切な老婦人からもらった「福引き券」で「宝くじ10枚」を当て、後日その宝くじで「3億円」が当選した。
何か良いことした見返りというわけでもないのでまさに、たなぼた。ラッキー過ぎて実感が湧かないの分かる気もします。
興奮はしたが身に余る大金を手にして、どうしたらいいのか分からなくなった一男。世の中の宝くじ当選者の悲惨な末路と同じ道を歩むのも怖い。そこで、一男の最初で最後の親友・九十九(つくも)なら正しい方向に導いてくれると思い付き、彼に相談することに決める。
九十九はどんな人?
九十九(つくも) ボソボソと喋る猫背でうつむきがちな、くせ毛の男。しかし、落語を演じる時は別人のように口が達者になる。大学で知り合った一男と九十九は落語研究会に入り、大学生活の4年間を毎日のように共に過ごして堅い信頼関係で結ばれていた。
落語の腕前も学校の成績も最上級、プログラミングの才能は理工学部の中でズバ抜けていた。大学卒業後は、SNS系のネットベンチャーを立ち上げて大成功!大金持ちになって、家賃が高額そうな有名タワービルにひとりで暮らしている。仕事仲間は失っているが資産家。 |
九十九との再会
ためらいながらも、15年振りに親友に会いに行く一男。九十九に、これまでの経緯や今の気持ちを正直に話した。一男は3億円の使い方の正解と、15年前に九十九が見つけると言っていた「お金と幸せの答え」を九十九に求める。
それを聞いた九十九が、一男に「お金」とは何かを説明し、全額現金にするべきだとアドバイス。すると、一男はその通りに実行する・・・。
九十九のお金の説明が独特で面白いんだよね。
高額すぎて落ち着かない一男が、3億円を全部カバンに詰め込んで九十九の部屋に持ち込むと、九十九は派手なお金の使い方を実践してみせる。しかし!翌朝には九十九と共に3億円が消えてしまう。
ここで思わず警察に駆け込んだりしないところに、一男と九十九の絆の深さを感じます。(私には無理だわ~。それに物欲とかでお金の使い方は自己解決できると思うしw)
九十九を探す日々、出会った億万長者たち
消えた3億円は、きっと九十九が持っている。一男はショッキングな出来事に落ち込みはしたが、なんとか九十九の居所を突き止めようと動き出す。少ない手掛かりを元に、九十九と一緒にビジネスをしていた3人の男女を探して会いに行くが・・・。
九十九の居所だけでなく、自分が知らない15年間の出来事と今の彼がどんな人間なのか知りたかった一男は、彼らからたくさんの情報を得られた。しかし、酸いも甘いも経験豊富な億万長者達のビックリするようなお金の使い方を目の当たりにしたり、それぞれの幸せには思えない人生や心の闇を覗いてしまったり、波乱の長旅となる。
この九十九を探す旅は、モロッコ旅で行方が分からなくなった一男を九十九が探したシーンとだぶります。
3人の過去と現在はこちら。
安田十和子(やすだとわこ) 当時は宣伝を担当、九十九の恋人だった美女。現在は、市役所勤めの夫と家賃2万円の公務員宿舎でつつましく暮らしてる。しかし、実際には夫に内緒で12億円分の札束に囲まれて生活していた。 |
百瀬(ももせ) 優秀なプログラマーだった、関西弁で調子良く喋るコワモテで野太い声の男。競馬場の個室VIPルームを使い、3億円をはした金と言う。賭け事の才能があり富が増えるが・・・。 |
千住(せんじゅ) 九十九の仕事仲間として親友だった男、営業を担当していた。人々が魅了される怪しげな「ミリオネア・ニューワールド」という熱気を帯びた億万長者セミナーを開催している。 |
「信じることができる人を求む。」という求人広告を出した九十九の元に集まり活躍した3人、十和子・百瀬・千住。彼らは、大きく育った九十九の会社を買収したい大手企業の巧妙な分断工作に乗せられ、巨額なお金を前に信頼関係が崩壊・・・。
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