もくじ (文字クリックでジャンプ出来ます)
透明な子とは?
透明なゆりかごに時々出てくる「透明な子」という言葉。この作品の一つのテーマと言って良いですが、では一体どんな子をさすのか登場した子供を例に考えてみました。
カナちゃんの話
カナちゃんは沖田さんと知り合いで小学5年生の女の子。父親はDV男だったので両親は離婚。その後再婚したけど新しい父親から性的虐待を受けていたのです。しかもカナちゃんは、この事を言ったら母親が悲しむから黙っていいました。沖田さんはなんとかして彼女を救ってあげたいと思い、本来なら看護師は患者と知り合いでもプライバシーに踏み込んでいけないけど、自身も幼い頃に経験したことを打ち明けたら彼女が話してくれたのです。その事実を知った母親はすぐに離婚。カナちゃんが普通の暮らしが出来るまで7年かかったそうです。
透明な姉妹
沖田さんが幼い頃、託児所で出会ったサヤという笑わない女の子。大人でも子供でもない、そんな雰囲気の子だったそうです。託児所に行くと必ず居て、体はやせ細っていたので、ちゃんと食べていなかったのでしょう。サヤちゃんは妹がいて、その子も一緒に託児所に居たけど、ある日、自宅マンションから転落して死亡。事故で処理されたけど不審なところもあったらしい。そして7年後、サヤちゃんが妊娠して産婦人科に来たことで沖田さんと再開。無事、女の子を出産して、亡き妹と同じ名前をつけて育てています。
作者の沖田✕華さんってどんな人?
沖田さんは子供の頃、ひらがなが書けない、2ケタ以上の引き算が出来ないなど、学習障害と診断され、またコミュニケーションも苦手だったらしく、孤独な幼少時代を過ごしていたそうです。
母親から「恥ずかしいことしないで!」と怒られていたので、自分は「恥ずかしい子」なんだと思っていました。頑張っても成績は伸びず、どうしていいかわらかなかったとか。理解してくれる大人が側に居なかったので、沖田さん自身も「透明な子」という辛い幼少時代を経験していたのです。
高校卒業後は看護師として働きますが、コミュニケーションが取れずに退職。思いつめて自殺を図ったこともあるようです。その後はなぜか夜のお仕事に転身。現在は漫画家として活躍されているという変わった経歴の持ち主です。
なので彼女は辛い幼少時代を過ごしていますし、産婦人科医院で看護師としての経験もありますので、誰よりも「透明な子」を察知することが出来るのでしょう。