詳しく解説「パイレーツ・オブ・カリビアン・ワールドエンド」あらすじと感想

2007年5月に公開されたシリーズ3作目。

ワールドエンドのあらすじ

デイビー・ジョーンズの心臓を手に入れたカトラー・ベケット卿フライングダッチマン号をも操る今やカリブ海だけでなく世界の海を支配する勢いがあり、海賊に対する厳しい圧政の下、容赦ない処刑を行っていた。

ティア・ダルマによって蘇ったバルボッサ、そしてエリザベス・スワンウィル・ターナー達一行は、選ばれし9人の海賊長であるのサオ・フェンの海図を手にれるためにシンガポールに来ていた。

海図を盗み出そうとしていたウィルは捕まり、サオ・フェンたちと乱闘になるが、海軍が押し入ってきたので状況は一変。海賊と海軍の戦いの最中、ウィルは父親を救うため単独でサオ・フェンに交渉を持ちかける。ベケット卿と取引がしたいなら引き合わせてやるといい、サオ・フェンはそれに応じる。

一方、海軍の大将に任命されたジェームスノリントンはベケット卿とともにフライングダッチマン号に乗船。デイビージョーンズの心臓を手に入れたベケットは海の妖怪クラーケンもをジョーンズに始末させ、箱の秘密を知ったエリザベスの父親も殺そうとしていた。

一方、ジャック・スパロウは死者の国ではなく罰を受ける場所(デイビージョーンズの墓場)に囚われており、幻覚と戦っていた。陸に打ち上げられたブラックパール号を必死に海まで引っ張ろうとしていたが、所詮1人ではどうすることも出来ず、諦めてふて寝していたとき、船が勝手に動き出して海の方へと進んでい行った。船の下を見ると、石で出来たカニの大群が船を動かしていたのだ。これはティア・ダルマの仕業に違いない。

バルボッサ船長率いる仲間たちは大きな滝に船ごと落ちてしまったが結果的にジャックが居る世界にたどり着く。ジャックとともにブラックパール号でこの異世界から脱出しなければいけない。

囚われの場所(墓場)から戻り方がわからなかったがブラックパール号を逆さにする(ある意味船を沈める)ことで元の世界に戻ることに成功。

(船が逆さになった状態)

評議会が行われる難破船の入江に行く前に水分補給に立ち寄った島ではクラーケンの死骸が転がっていた。その島ではウィルと交渉成立していたサオ・フェンが待ち構えておりジャック達一行は捕らえられてしまう。結局、ウィルはサオ・フェンに騙され、サオ・フェンはベケット卿に騙され、ブラックパール号は海軍の手に渡ってしまった。

バルボッサはこの難曲を乗り切るにはカリプソを開放するしか無いと評議会で訴える。

カリプソ
海の女神。デイビージョーンズが封印の仕方を教え、最初の評議会で人間の体に封印された。ジョーンズが愛した女性。

ベケット卿が乗船するエンデバー号に乗せられたジャック。得意の話術でベケット卿と交渉するのだが、彼は自分に有利な形に持っていくことが出来るのか。エンデバー号からブラックパール号に乗り移ったジャックは裏切り者のウィルを牢屋に閉じ込めてしまった。

サオ・フェンの船に乗り込んだエリザベス。どうやらサオ・フェンはエリザベスのことをカリプソだと思い込んでいるらしい。

二人が話し込んでいる時にフライングダッチマン号がサオ・フェンの船を襲撃。サオ・フェンは大砲が直撃し、死に際にエリザベスに銀貨を託し彼女が次期船長となったが、サオ・フェンの部下とともに直ぐに捕まってしまう。サオ・フェンは死ぬ間際までカリプソだと思いこんでいた。

囚われの身となったサオ・フェンの部下たちとエリザベスはフライングダッチマン号の牢屋に入れられたが、ノリントンの手引で脱出に成功。この時、ノリントンは息絶えている。

一方、ウィルはブラックパール号の牢屋から抜け出し、後方から来るベケット卿が乗船するエンデバー号が追跡しやすいように樽を海に投げ入れていたがジャックに見つかり海に落とされてしまう。

この時、ジャックはウィルに大切なコンパスを手渡しているが、「俺だったらどうするのか考えたら分かるだろ。」と言っている。上手くベケット卿を利用しろということだろう。

ウィルは漂流後、コンパスを武器にエンデバー号に乗船し評議会が行われる難破船の入江を案内する代わりに自分とエリザベスの安全を保証するよう要求、そしてデイビージョーンズには父親を開放するよう要求した。

サオ・フェンの代わりに船長となったエリザベスが評議会に加わり、更に彼女は評議会の海賊王に多数決で選ばれた。と言っても自身とジャックが投票したことで決まった。

この評議会では掟の番人で、ジャックの父親、キャプテン・ティーグが登場している

海賊は掟が全て。彼に逆らうものは命がない。

ベケット卿と戦う決意をした海賊たちだったが無数の艦隊に恐れをなしたジャックは苦笑いでパーレイを宣言。ベケットは戦って全滅するか、降参して一部の人間だけが生き残るかと問うたが、戦うことを決意したエリザベスたち。

バルボッサが評議会を開いた理由はカリプソ開放の許可を得ることと、開放するためには9人のキャプテンが持っている銀貨が必要だった。(銀かと言っても実際はガラクタだった。)

彼女を開放すると、巨人へと姿を変えて、そのまま消えてしまったかにみえたが、フライングダッチマン号との戦闘中に天候が悪化し大渦が突如として現れた。カリプソは開放する直前にジョーンズの裏切りを知ることになる。

ジャックとデイビージョーンズの二人は心臓が入った宝箱とカギのはげしい奪い合い。恒例のマスト上での戦闘が繰り広げられる。

船上の結婚式

死を覚悟したウィルはエリザベスに求婚したが、さすがに戦闘中で「こんな時に?!」と言われてしまったが、エリザベスもそれに応じる。ジョーンズ率いる魔物たちに勝ったとしても大渦に飲み込まれて生きて帰れそうにない二人はバルボッサが神父の代わりをして二人は敵味方が暴れまわる戦闘中に結婚、口づけを交わした。

 

仲間の死

ブラックパール号から乗り移ったエリザベスとウィルも加わり、形勢逆転となるところで、ウィルはジョーンズによって胸を刺されてしまう。奇しくもその剣は自分が制作した最高の剣だった。ジャックはジョーンズの心臓をナイフで刺そうとするがためらい、最後は生き絶え絶えのウィルの手にナイフを持たせてジョーンズの心臓を一刺しする。フライングダッチマン号はウィルを残したまま、渦に飲み込まれてしまった。※この時点でウィルがダッチマン号の船長になる

勝利を確信したベケット卿はエンデバー号単独でブラックパール号に接近。しかし沈んだはずのダッチマン号が再浮上し、ブラックパール号と挟み撃ちしてエンデバー号は炎上。ベケット卿は炎の中に消えていったのであった。

それぞれの道へ

ジョーンズの死後、ダッチマン号の船長になったウィルは、復活したが元の体ではない。前船長のジョーンズは使命を怠ったために半魚人の姿になったが、死者を送り出す仕事をすれば人間の姿でいることが出来、10年に一度、陸に上がることが許される。

フライングダッチマン号の船長として永遠に生き続けなければならないウィル。エリザベスは彼の心臓を大切に保管し、10年に一度、彼らは再開を喜び合うだろう。

フライングダッチマン号ではウィルの父親、ビル・ターナーが乗船しており、父子の新たな旅が始まったのである。

ジャックを残して出港したバルボッサたちは青春の泉を目指して旅立ったのである。そしてジャックもまた単身、命の水があると言われるフロリダを目指して旅立った。

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エンドロール後の世界

10年後・・・。沈みゆく夕日を眺めているのはエリザベスと大きく育った男の子。夕日が沈んだ瞬間、緑色の閃光が走る。ここへ来るとウィルの存在を感じ取ることが出来るのだろうか。

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ワールドエンドの感想

ジョーンズの心臓をめぐる冒険は2部のデッドマンズ・チェストから続いているので、第1部に比べて非常に濃い内容になっています。

冒険活劇ではありますが、デイビージョーンズとカリプソ(ティア・ダルマ)の悲しいラブストーリーやターナー親子の家族愛など温かい人間ドラマが描かれる。ウィルとエリザベスの二人の恋の行方も気になるところ。

昔、約束の日に姿を表さなかった海の女神カリプソに激怒したジョーンズは彼女を人間の姿に封印してしまったが、それ以降務めを果たさなくなったジョーンズは半魚人という醜い姿で海を支配していた。

彼は決してカリプソを諦めたわけじゃない。思い出のオルゴールが悲しい音色を響かせているころ、ティア・ダルマもまた同じオルゴールを物憂いげに眺めていた。

カリプソが海の女神に戻った時、ジョーンズはしっかりと彼女を感じ取っていた。嵐で雨が振り始め、濡れるデイビージョーンズの表情は分からないが怒りにも悲しみにもとれる複雑な雄叫びをあげた。

壮大な冒険の裏に見え隠れする男女の切ない恋物語。改めて視聴し直すとそうした人間ドラマのほうが印象深く残っていました。確かに初見はまだ私も若かったですから、ジャックのアクションにしか目が行かなかったのかもしれません(笑)

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