原作「ようこそわが家へ」ちょいネタバレ・結末は池井戸さんらしい終わり方か

読書が苦手な私ですが、ほぼ1日でサラッと読めてしまったのは、

やはり序盤からグイグイ引き寄せられるストーリーとテンポの良さでしょうか。

文庫本で437ページもありますが、文字が大きいので1ページあたりの文字数も少なく

天皇の料理番を読んだあとだから尚のことライトに思えたのかもしれません。

あっ、ライトと言っても内容は濃いですよ!

 

さて、原作の感想はすでに書かせていただきましたので、

ストーリーの内容をもう少し整理したいと思います。

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「ようこそわが家へ」嫌がらせに来た真犯人は?

ネタバレしますのでご注意ください

主人公の倉田太一が会社帰りの電車で、

割り込みをした男を注意したことで、ストーキングされ、

翌日。庭に植えた花が踏み潰され、更に数日後、

郵便受けに瀕死の子猫が横たわっていた。

その後も執拗な嫌がらせが続き、倉田家は警察に被害届を出すも、

あまり真剣に取り合ってくれないことから

自分たちで犯人を突き止める!

というちょっと危険な行動を開始。

犯人は割り込みを注意したあの男なのか?

 

実はですね、

このストーカー男はあまり重要じゃないんです(笑)

確かに倉田家にとって平穏を乱すヤツですから一刻も早く逮捕して、

素性を明らかにして欲しい人物ですが、

庭の花を荒らし、郵便受けに子猫を入れた後の

嫌がらせの数々は別の人間の仕業なのです。

そう、犯人は二人居てもう一人は

息子の健太深い関わりのある人物だったのです。

 

健太は芸能プロダクション構成ライターのバイトをしているのですが、

そのプロダクションで働く30代の男の逆恨みによる犯行だったのです。

また逆恨みか・・・(;´∀`)

健太は大学生でライターとしても安く仕事を引き受けてくれるので

プロダクションとしても自然と健太に仕事を依頼するようになったのです。

当然、納得がいかないのは30代の男ですよ。

 

だって生活の基盤を健太に取られたようなもんですからねぇ、

父親の逆恨みよりもこっちの方が恨みの度合いが高いのかなと。

会社で健太がストーカー被害を受けているという話を

聞き耳立てて聞いていたこの男は、

便乗していたずらしてやるか

という気持ちからスタート、それが次第にエスカレートしていき、最終的には・・・・。

 

リアルでありそうな話ですよね?だからちょっとこわいんです(;´∀`)

ようこそ我が家へって招かれざる客だったんだね・・・

考えただけで地味に怖いからやめて(汗)

 

「ようこそわが家へ」結末は?

上記で、あまり重要じゃないとご紹介した最初のストーカー男。

やっぱり気になりますよね?(笑)

元々、倉田家とは関係のない人物で、

本当にたまたま父親の太一に注意されてプライドが傷つき、犯行に及んだわけですが・・・。

 

結局なぜ犯人が明らかになったのかというと、

ほとぼりが冷めてから、

またイタズラに来たんです(笑)

バカでしょ?

確かにこの事件が起こる前に、駅で犯人を発見した太一は

逃がすわけにはいかないと、犯人の腕を掴み、

犯人は太一を思いっきり蹴りあげて逃走したという経緯があります。

 

男は倉田家のポストに赤いスプレーを吹き付けたわけですが

設置しておいた防犯カメラに犯人の姿がバッチリ写っていたんです。

 

手がかりになったのは犯人が所有していた希少なブランドバッグ。

警察にも連絡してブランド販売店に問い合わせて御用。

もし希少なバッグを持っていなかったら捕まえるのは困難だったかもしれませんね。

 

で、捕まった男は、大手出版社に務める37歳の赤崎信司。

独身で副編集長を務めるプライドの高い男、

仕事が行き詰まり、精神的に追い詰められていた時

考え事をしながら歩いていたら並ぶのを忘れて電車に乗り込んでしまったらしい。

そこで倉田太一に注意され、公衆の面前で恥をかかされたから犯行に及んだということなんです。

 

犯人いわく

悪気がないから余計腹がたっと

ということらしい。

赤崎は副編集長の職を解かれ、社会的制裁を十分に受けたので

謝罪を受け入れてそれで終わりにしたい。

争い事を好まない平和主義の父親・太一らしい終わり方でした。

 

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もう一つのストーリー、お父さんガンバレ!

出向といえば銀行だけでなく一般企業でも行われていることですが、

今回の主人公は池井戸さんお得意の銀行員。

取引先のナカノ電子部品株式会社の総務部として経理を任されていますが、

2000万円分の在庫が合わないことが発覚し真相究明に乗り出します。

正義感がある・頼れる・男らしい、そんなイメージは一切ない男

が主人公なのだからついつい応援したくなりますよね。

 

不正疑惑があるのは営業部長の真瀬。

これがまた中途半端にデキるから面倒なんですよ、

さらに銀行からの出向組である倉田を目の敵にしているような態度。

なぜ銀行員を嫌う?

真瀬の銀行嫌いはどうやら過去の銀行の対応に不満があったらしく、

それをず~~~~っと根に持っているようなんです。

自分のせいなのにね

 

まぁ、この真瀬だけじゃなくて、

この会社の社長問題あるんですよ。

会社の成長に大きく貢献した真瀬を過度に評価しており

倉田がいくら正当性を主張しても

「この報告書、証拠あんの?」

なんて社長がいうから

めっちゃムカつくよね怒

 

そんな不利な状況の中、

倉田の部下で経理のスペシャリスト西沢摂子の存在が非常に大きい。

今回の事件は彼女の手助けなしでは解決できなかったと言っても過言じゃない。

 

舞台はナカノ電子部品株式会社なんだけど

取引先企業の人間も複雑に絡み合い、真瀬に協力したものがいたので

真相を暴くことが困難だったという感じです。

 

詳しい内容は省かせて頂きますが、

結局、真瀬個人の借金が原因なんです。

やっぱり借金か・・・。

真瀬はナカノ電子部品に入社する前、

以前働いてた同僚同士で会社を立ち上げるも失敗、

借金だけが残り、必死に返済している状態だったのです。

 

今回の事件で一番弊害になってたのって

社長じゃないの?

 

それでも最後には倉田に頭を下げた社長、

その場面を想像して、ちょっとホッとしました。

 

池井戸さんの作品なので、ラストは正義が勝つ!

という安心感はありますが、それでも読者を

ここまでハラハラさせるのはやっぱり凄いの一言。

池井戸さんの本の感想はこちらで書いています

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