今回、2018年の8月6日にNHKでスペシャルドラマが放送されるので調べてみると、既に映画化されている作品。早速レンタルしてみましたので内容をご紹介です。
10年以上前の映画なので、なっちゃんが若い!
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映画データ
公開 2007年7月28日
監督 佐々部清
キャスト 田中麗奈、麻生久美子、吉沢悠、中越典子、伊崎充則、金井勇太、藤村志保、堺正章、小池里奈、田山涼成、ほか
映画「夕凪の街 桜の国」感想(ネタバレあり)
「夕凪の街」では広島に原爆が落とされ、その13年後が舞台。普通の暮らしを取り戻しつつある広島市民、しかし原爆の影響が残っている地域や被爆者の心の傷は今もなお、消えることはなく、苦しみ続けている。
麻生久美子演じる主人公の平野皆実は同じ会社で働く男性と、意識し合う仲になっていた。でも自分は幸せになっちゃいけないのだと、自分に言い聞かせていた彼女は彼のアプローチを断り、結局26歳という若さでこの世を去った。
(13年たったけど、私を見て「やった!また一人殺せた」とちゃんと思うてくれとる?)
第1部とも言える「夕凪の街」では、そんな彼女の心の声が衝撃的でした。皆実は亡くなる前、彼に被爆者としての苦悩、家族を失った悲しみを打ち明けていましたが、「生きててくれて ありがとう」と優しい言葉をかけてくれた彼。
ずっと前から誰かに聞いてほしかったのだと私は思う。沢山泣いて、胸につかえていたものがほんの少しだけでも取れて、ホッとした麻生久美子さんの表情が印象的。
そう言えば、彼女の弟役は伊崎充則さんなんですが、彼って演技上手いですよね。子役時代から”自然な演技が出来る子”という印象でした。久々にみましたが、最近活躍が減ってしまったのが残念。
ただ、近所の小学生の女の子の役で背が高い小池里奈さんが登場しましたが、伊崎さんと並んだ時に背が変わらなかったんです・・(笑)
大学生と小学生の女の子という設定なのに・・・、可愛らしい子だったけど、他にいなかったのか?と思えてしまう二人の体格差。劇中では結婚して、第2部の「桜の国」へと繋げていく人たちですけどね。
「桜の国」について
桜の国は平成19年を舞台に、第一部で結婚した石川旭と大田京香の子供たちのお話。
その子供役を演じたのが、なっちゃんこと田中麗奈さん。不倫役を演じるほどすっかりおとなになった彼女は現在アラフォーですからねぇ、信じられません(笑)
そんななっちゃん演じる主人公の石川七波は、被爆者の二世として力強く生きているわけですが、子供時代に亡くなった母親と祖母の存在が、彼女の心に時々影を落とすのです。
忘れ去りたいと思っていた記憶。でも久しぶりに幼馴染と再会したことで辛い思い出が蘇る。ですが、父の後を追って広島までやってきた彼女は、父と母が確かに生きた桜並木の街を、そして子供時代を過ごした街を、もう一度大切な思い出として心にしまっておくことが出来たのです。
また、この物語のキーアイテムとなる髪留め。皆実が使い、母の手に渡り、旭が持ち、妻の京香にプレゼントして、最期は娘の七波が使う。
やがて七波(田中麗奈)が結婚して、その娘に託されるのでしょう。「夕凪が終わっても物語は終わっていません」という言葉を具現化したもので、子供やそのまた子供というように、子孫へ繋がっていく消えることのない記憶なのです。
ラストシーンでは・・・
50回忌という節目の年に、歳をとった旭(堺正章)は広島に来て姉を知る人々と交流していましたが、そんな父が七波に
「お前は皆実姉ちゃん(麻生久美子)に似ている、だからお前は幸せにならないとな。」
と言われ、思わずポロッと涙を流すなっちゃん。つられて私も泣いてしまいました・・。エンディングロールでは広島平和記念公園の原爆の子の像の前で子供たちが黙祷するシーンなどあり、ぜひ家族で見て欲しい作品だと思いました。
ロケ地となった原爆ドームや広島平和記念資料館など、2年前に行ってきたばかりなので、まだまだ鮮明に憶えています。かなり急いだ旅だったので、今度はゆっくりと広島を巡ろうと思います。
最後になりましたが一言、
あまり感情的にならず、冷静に見ようと思いましたが、駄目でした・・。涙腺は崩壊するばかりで、泣かずにいられません。麻生久美子さんが主演女優賞を3つも受賞した理由がわかりました。
おすすめの一本です。