広岡浅子の腹違いの姉・春、幸せの絶頂期から転落した意外な人生

今回の朝ドラは激動の時代を生き抜いた女性の物語。
主人公だけじゃなく、周りの人間もまた波乱の人生を歩んでいます。

その一人、広岡浅子の異母姉の春は結婚後、
子宝に恵まれて幸せな家庭生活を送っていましたが
嫁ぎ先の家業が倒産し窮地に追い込まれることに。

「あさが来た」では宮崎あおいさん演じる「今井はつ」のモデルですね。

今回はそんな彼女の人生をご紹介したいと思います。

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広岡浅子の姉、春ってどんな人?

父親・高益の正室だった孝の死後、
ほんの短い間に身の回りの世話をさせた女中の娘が春です。

その女中も産後、容体が悪くなり亡くなってしまい、
その後に父親は貞と結婚して浅子が生まれたというわけです。

性格は穏やかでおっとりとしており、
夫の仕事には一切口を挟まず、
謙虚で素直なところをみると気の強い浅子とは対照的なのかなと思います。

子供を3人産み、嫁としての責務を果たし
夫の仕事を影で見守る彼女の姿はまさに日本女性の鏡?
だったのですが、妹と明暗がくっきりと別れてしまったので
少しでも商売のイロハ、そして嫁ぎ先の天王寺屋の将来を
彼女なりに考えて行動していれば少しは変わったのかもしれません。

とは言うものの、
嫁が意見出来るような雰囲気じゃなければ仕方ありませんね。

 

結婚式はほぼ同時期だった

慶応元年4月、
春は3日に大阪で最も古い老舗両替商の天王寺屋へ、
浅子は9日に大阪一の豪商・加島屋へ嫁ぎました。

京都から大阪へ、花嫁の一行は淀川を利用して移動するそうで
昔なら船一隻貸しきって盛大に花嫁を送り出すのが三井家の恒例行事ですが

お上からの締め付けが厳しく、三井家は緊縮財政だったため、
今回の花嫁の御一行は乗り合いとなったようです。

また、娘に持たせる嫁入り道具は”富”を象徴するものであり
「どこよりも豪華に」するのが当たり前でしたが
そうした調度品にも例外なく”倹約”の対象になったのです。

しかし父親の高益は春よりも賢い浅子をかわいがっていたので
高価な反物や道具類を揃えてくれたようです。

 

銀目廃止で大阪の両替商が大打撃

原作の感想記事で銀目廃止についてご紹介しています。

幕府が倒され明治新政府が流通数の少ない銀目を廃止したことで
大阪の両替商が次々と倒産し、天王寺屋、加島屋も
窮地に立たされていました。

実は東京ではほとんど使われていなかったのですが、
大阪では一般的にまだ銀目が流通してたのです。

浅子は慌てて天王寺屋を訪ねてみると、
3人目の子供を身籠った姉が優しく迎え入れいてくれたけど
どうやら春は現在の危機敵状況を全く理解しておらず、
しかも”ホンワカ”とした表情から幸せのオーラさえも見えてくる。

得るものは何も無いと諦めて帰った浅子は
客足の少ない天王寺屋も落ち目になっていると察したようです。

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天王寺屋倒産、そして夜逃げ

新政府になったばかりで国内の情勢は常に変動し、経済は安定しておらず
中には藩が発行した藩札が未だに使われる始末。

政府も財源が乏しく、それを補うため
日本初の全国通用紙幣の太政官札を発行。

国内外の商取引も盛んに行われ、変わりゆく日本の経済に
置いてけぼりを喰らわないように必死になっていた浅子。

それもそのはず、当主の広岡久右衛門が六四歳という若さで生涯を終え
加島屋の将来は全て浅子の手にかかっていたのです(夫は健在なのにね・・・)

そんな中、天王寺屋の倒産という知らせが届き、
居ても立ってもいられず、春が移り住んだという谷町長屋を尋ねたのですが、
そこは長屋というより貧民窟のような掘っ立て小屋が並ぶとても貧しいところでした。

「同じ父親を持つ姉がこんなところに・・・」

胸が締め付けられる思いで、姉夫婦がいる家を尋ねたら
そこには頬がこけた春の姿がありました。

「帰っておくれやす。」

あまり騒がれると取り立て屋が来るかもしれない、
押し問答の末にようやく家に入れてくれましたが
部屋の中は、穴の空いた板の間にむしろが一枚敷いてあるだけ。

狭い部屋に姉夫婦と姑で暮らしているのかと思うと
また悲しい気持ちになったのでした。

春が裁縫をし、夫は天秤棒を担いで物売りをして一からやり直す。
また絶対に店が持てるように頑張ると心に誓う春でした。

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最後に・・・

一歩間違えば自分たちも同じような道を歩みかねない。
明日は我が身、じっと耐えて待つだけの商いではなく
時代に合った商いを模索することを真剣に考えるようになった出来事でした。

 

朝ドラのお姉さんは出来過ぎ?

ドラマがスタートして、姉妹は予定通い大阪の両替商へ
嫁いでいきましたが、見事に二人は対照的でしたね。

主人公のあさが大人になっても相変わらずおてんば娘で
夫の新次郎が逃げ出す始末。

一方、心配していた姉は、
愛想のない夫と上手くやっていけそうな感じです。

しかし山王寺屋には波乱が待ち構えていますからね、
万田さん演じるお姑さんの嫌がらせや、
原作と同じ様に経営の危機が来るでしょう。

どん底に落とされて、愛想の無かった夫とと共に
手を取り合って新たな人生をスタートさせるシーンは
中盤辺りからかな。

どちらにしてもドラマのお姉さんは
性格良し、手際よし、女性らしい品の良さと
非の打ち所が無い彼女ですね。

そんな妻を娶り、ひん曲がった根性が徐々に変わっていく夫の姿に注目です^^;