1978年12月に公開されたトラック野郎シリーズの第8弾!
簡単なあらすじとキャスト情報をまとめてみました。
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映画「トラック野郎 一番星北へ帰る」あらすじとキャスト
映画の概要
公開日 | 1978年12月23日 |
マドンナ | 大谷直子 |
ライバル・ケンカ相手 | 黒沢年雄 |
キャスト一覧
シリーズのメインキャスト
菅原文太・・・星桃次郎
愛川欽也・・・松下金造(ジョナサン)
春川ますみ・・松下君枝(母ちゃん)
一番星北へ帰るに登場するメインキャスト
(マドンナ役の大谷直子)
大谷直子・・北見静代
黒沢年雄・・九十九譲次
せんだみつお・・桶川玉三郎
田中邦衛・・赤沢重吉(二代目鬼代官)
新沼謙治 谷村昌彦 児島美ゆき 嵐寛寿郎 成田三樹夫 ほか
前作で玉三郎役として登場したせんだみつおが同じ役で登場。相変わらず落ち着かないのは今作も同じで桃次郎たちの周りで厄介事を増やす問題児。
そして2作目でキザなトラック野郎を演じた田中邦衛が今回は取り締まる側の警官に。桃次郎と一触即発の張り詰めた緊張感あるシーンは見どころの一つ。容赦なくトラック野郎を取り締まる警官を「怪演」した田中邦衛さんは必見です。
「トラック野郎 一番星北へ帰る」のあらすじ
婦人警官のコスプレをした「4号線のマリー」と呼ばれる娼婦と運転しながらヤッちゃう桃次郎。そんなインパクトのあるお色気から始まった「一番星北へ帰る」。
福島でBig99と描かれたアメリカかぶれのトラックに抜かれた一番星。怒った桃次郎は抜き返して2台は公道でデッドヒート。しかし相手の運転手の顔を確認できないまま走り去ってしまった。
その夜、本物の婦人警官をコスプレだと勘違いした桃次郎はセクハラをして現行犯逮捕。花巻の2代目鬼代官・赤沢重吉(田中邦衛)と一触即発状態になったがジョナサンが来て仲裁に。結局桃次郎は24時間勾留されることに。
翌日、ドライブイン「みちのく」で桃次郎の釈放を皆で祝っていたが、一人浮かない顔をしていた。
石川孫六(谷村昌彦)は、事故処理の返済金が残っており、サラ金から借りて返済したいためジョナサンに保証人になってほしいという。それを快く引き受けるジョナサンであったが、後に大変な事態を招くことに。
最近、荷を荒らし回っているという九十九譲次(黒沢年雄)がドライブインに登場。福島で喧嘩を売ってきたのもコイツだ。詰め寄る桃次郎と喧嘩になると思いきや、譲次は愛犬を桃次郎にけしかけて去っていった。
食あたりで熱を出した桃次郎は松下家で手厚い看病をされる。早く嫁をもらったほうが良いという話になり、ジョナサンの母ちゃんが桃次郎のために見合いの席をもうけてくれた。
しかし桃次郎の勘違いで見合い相手を悲しませる結果に。相手の付添として来ていた女性・北見静代(大谷直子)に惚れてしまった桃次郎の頭の中は彼女のことばかり。
彼女の素性がわからないまま、日にちだけが過ぎていったが、ある日りんご園に集荷で来た桃次郎は園で働く静代の姿を発見。りんごの定期便を快く引き受ける桃次郎。
いつものように積極的に静代にアプローチをするが、彼女の息子・誠に手こずっていた。桃次郎は誠が持っていた模型飛行機を一番星で破壊してしまい、完全に嫌われてしまったのだ。
というのも彼女の夫は山で遭難してそのまま帰らぬ人に。飛行機は誠の誕生日に貰ったもので、翌日に父親は亡くなったという。
そんな父親の忘れ形見を破壊した桃次郎を許すことが出来なかった誠。しかし手作りの模型飛行機を作ってきた桃次郎の誠意に心を開き、和解する事ができた。
一方、松下家では案の定トラブルに巻き込まれていた。孫六が蒸発して借金の取り立て屋が押しかけてきたのだ。一先ず、有り金を渡したが利息分程度にしかならない。
取り立て屋が帰った後、玉三郎が浮かない顔をして立っていた。先日、君枝に3ヶ月後に倍になるという怪しい投資話を持ちかけて、君枝はへそくりを渡したが、玉三郎の知人が持ち逃げしたらしい。
玉三郎自身もトラックを取られ、お金を貸して欲しいと懇願するが、激怒したジョナサンは助手の玉三郎を首にした。
未遂に終わったが自殺しようとしていた孫六。借金の取り立てはドライブイン「みちのく」で働く娘の石川鮎子(舟倉たまき)にまで及び、売春斡旋までする始末。
トラック野郎たちは石川親子を助けるためにお金を出し合ったがまだ足りない。しかし馬場作太郎(新沼謙治)によれば、輓馬大会で優勝すれば自分の馬が200万円で売れるという。
大会では桃次郎も参戦し見事優勝。障害物で止まっていた馬のケツに棒を突っ込むという「奥の手」が功を奏したらしい。石川家の金銭トラブルは解消しジョナサンの保証人問題も解消。
馬場作太郎と鮎子の婚約も決まり全て順調に事が運んでいたが、残るは桃次郎の恋の行方だった。
桃次郎は静代の義理の両親が住んでいる会津若松へ彼女と誠を一番星に乗せて向かった。義理の両親は会津の伝統工芸品「赤べこ」の生産者。後継者が居ないことから工芸品の生産も父の代で終わってしまうという。
3人は静代が学生時代にハイキングに来た楽しい思い出の渓谷に立ち寄った。しかしそこは桃次郎の故郷でダムの底に沈んだ村があった。
小学校6年の時にダム工事が始まり全部沈んでしまい、水没した後は下北へ移ったという。にわか漁師の父親は1年も経たずに海で遭難。母親は女手一つで自分と妹を育ててくれたという。
新年が明けて、桃次郎は静代宅を訪れたが、そこにはもう誰も住んでいなかった。桃次郎宛に置き手紙があり、義理の両親が暮らす会津で暮らす決意をしたという。手紙と一緒に置いてあったのは誠に壊されたオメガの時計だった。
ドライブイン「みちのく」で失恋をした桃次郎は力無く天井の一点を見つめていた。その時、花巻病院の水谷という医師が店を訪れ、九戸郡大野村まで人工腎臓の透析装置を運んで欲しいと懇願。
患者は危篤状態で2時間以内に届けないと命の危険に関わるというが、大野村までは200kmあり、時速100キロで飛ばしても間に合わない。
新年で取締も強化されており花巻の鬼代官も目を光らせている状況では誰も協力したいと思わない。桃次郎は俺が行くといい、静代から貰ったオメガの時計をハンドルに掛けて大野村まで爆走する。
鬼代官の赤沢は執拗に追いかけるが、本部からの連絡で意外な事実を知ることに。実は救急患者は赤沢の妻で一番星を先導して欲しいと本部からの命令がきたのだ。
しかし赤沢は「暴走トラックを絶対に許す訳にはいかない」と本部からの命令を無視。一番星を執拗に追いかけるが、一番星は赤沢を振り切った。
トラック野郎たちの応援を受けながら、ボロボロになりながらも一番星号は無事に診療所に到着。赤沢の妻は助かったのである。
遅れて診療所に到着した赤沢。手錠を出した赤沢を桃次郎は容赦なく殴るが、「ありがとう」と礼を言って桃次郎に手錠を掛ける赤沢に微笑みかける桃次郎。捕まってしまったが、どこか晴れ晴れしい男の姿がそこにはあった。
感想
運転しながらの行為という破廉恥でお色気たっぷりの冒頭で観客の心を鷲掴みした今作。
とは言うものの、全てが冗談一辺倒じゃないのがトラック野郎。今作は桃次郎の故郷が登場するという貴重な回。
また、失恋パターンがいつもと違い、恋のライバルは登場せずにマドンナが未亡人を貫くという展開は意外でした。ある意味、亡き夫に桃次郎は負けたという考え方も出来ますが・・。
またジョナサンの保証人問題は、我々庶民が身近に感じられる出来事。保証人だけにはなるな!とよく言われたものです。
さて、問題はラストシーンです。田中邦衛演じる鬼代官が最後は妻を助けてくれた桃次郎に手錠を掛けようとするが、止めて無言のまま去る、とか。私はそんなラストシーンでも良かったのでは?と思いました。
徹底した鬼代官を貫き通したわけですが、桃次郎への感謝の言葉があった。それだけで十分だったのでしょうか。セリフが少ないだけに難しいシーンですね。
余談ですが、黒沢年雄のドライブシーンでクスッと笑える箇所があります。ラジオから流れてくる男性歌手の声。下手な歌だなと呟く黒沢年雄ですが、実は自分の曲を劇中でディスってるんですよね。せんだみつおも一緒になってバカにしていたので最後はキレるというオチが面白かった。
さて、次回は誰がマドンナなのでしょうか?